【HBA王道セミナー】すべての理解は基礎理論の理解にあり!!基礎理論の
理解無しに応用など存在しない。




                            2006.6.25発行
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       公認会計士受験講座/財務諸表論・監査論

        〜 本質を極めよ、王道を行け!〜

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 はじめてご登録いただいた方へ!

 諸君、君たちの勉強方法はまちがっていないか?
 これだけは伝えておきたい。
 暗記だけでは、本当の勉強はできない。
 具体的にいえば、早期合格はできない。

 たとえば講師に“本質的な実力”が伴っていなかったとしたら、
 果たしてどういう授業風景となるか。
 そう、“本質的な説明”ができない。
 ではどうするか。もうおわかりだろう。彼は諸君に『暗記』を強要すること
 になる。

 当アカデミーでは、そういった受験業界の風潮を打破したい。
 このメールマガジンでは、Q&A形式で諸君を応援する。
 まずは基礎。
 基礎を固めるため、ぜひ当アカデミーの問題に挑戦してもらいたい。
 
===========
 本質的な4つの提案
===========

 当アカデミーでは、受験生諸君に以下の4点を提案したい。

 (1) 体裁の口上なんかに惑わされるな!
 (2) 暗記で受かるのは偶然しかない!
 (3) 暗記は勉強ではない。勉強の手段だ!
 (4) 良質の資料によって、良質な指導を受けよ!

 いちど試してみて欲しい。
“本質”は、HBAにしかない・・・!

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《第7講》本当の意味を知らずに“知っている”財務諸表監査の必要性の根拠
     たる「利害対立」?
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◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

 今回は、前信がだいぶ遅くなったので、早めの発行です。



 前信でとりあえず、会計(学)については、一段落というわけで、今回はこ
のメールマガジンでは初の監査論の内容である。


 そこでまず、何故財務諸表監査が必要なのか?ということについて確認して
おこうと思う。何故なら、意外にこの基本中の基本ともいえる内容に大きな誤
解があるからであり、巷に出回っている学者の本等にも堂々とこの誤りが記述
されているからである。


 というわけで、「財務諸表監査の必要性」である。

 財務諸表監査の必要性については、一般的には、「企業(経営者)と利害関
係者との潜在的な利害の対立」の存在、利害調整手段として、また、利害関係
者の意思決定手段としての財務諸表の重要性、さらに、その本質としての恣意
的性格からして、企業(経営者)の会計行為の妥当性や一定の不正・違法行為
をチェックし、財務諸表への不信感を取り除き、財務諸表の信頼性を高めるた
めに、企業(経営者)から独立した職業的専門家としての監査人による監査が
必要となる、といったところであろうか!

 したがって、職業的専門家としての監査人は、監査報告書において、企業の
公表する財務諸表が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して適
正に作成されているか否かについて意見を表明し、必要に応じて監査の過程に
おいて認識した異常事項を指摘し、また特に必要と認められる事項を記載して
財務諸表の利用者に注意を喚起する、ということになる。


 ここで、上記における「 」書きのところ、つまり、「企業(経営者)と利
害関係者との潜在的もしくは現実的な利害の対立」という箇所である。

 一般に巷(2流、3流の学者のテキストでも同様)では、この「利害の対立」
について説明する場合、“一般に企業の経営者は、企業の財政状態および経営
成績をよく見せようとするため、財務諸表の粉飾等を行う虞があり、したがっ
て、投資情報として企業の財政状態および経営成績に関して適正に表示した財
務諸表を要求する利害関係者との間に利害対立が存在します”と説明するので
ある。

 つまり、監査の必要性を説明する場合の潜在的な「利害の対立」とは、企業
の経営者が企業の財政状態および経営成績をよく見せようとするため、財務諸
表の粉飾等を行う虞があるから、適正表示の財務諸表を要求する利害関係者と
の間に“利害の対立”があるということらしい?

 本メールマガジンの読者の中で巷の受験学校に通っている会計士試験の受験
者であれば当然聞いたことがあり、しかも、上記は、非常に納得のいく説明と
して聞き“なるほど〜!!”、そして、“だから、誰かがチェックする監査が
必要な訳だ”と得心のいった顔つきで頷いたに違いない。

 おそらく1000人中1000人が、10000人中10000人がそのようであったはずであ
る。

 もし、このメールマガジンの読者で、ここまで読んできて、「いやそうでは
ない!」と即座に思った人は監査論のみの知識だけではなく、会計学の知識も
それなりのレベルの人として評価できる。

 学問的に考えるとは、「体系」、もしくは、「フレームワーク」を前提に考
えなければならない。個々個別に都合良く理屈を当てはめればそれでいいとい
うものではないのだ。

 監査論を会計学とは分離して、一種の手続論との理解のもとに、だからこそ、
受験勉強だとすれば、暗記した方が早期合格にとって優位だと考えるとすれば、
会計士としての将来に暗雲を生じさせることになろう。

 確かに、現状での試験に“合格”することはできるのかもしれない。しかし、
それだけである。

 このような諸君は、“監査は実務で、現場で覚えるものだし、そうでなけれ
ば実践的な監査も知ることはできないさ!だいたい、理論と実務は違うんだか
ら”というのであろう。

 大きな誤解である。確かに公認会計士は、ホワイトカラー(ずいぶんと懐か
しい表現だが)ではなく、ブルーカラーである。つまりは、肉体労働者だ(会
計士試験の受験性で、ここを勘違いしている諸君がいるならば、会計士になる
のはやめた方がよい)。

 しかし、一昔前ならばいざ知らず、現在は、リスク・アプローチという手法
によって監査は実践される。

 このリスク・アプローチは、これから見ていくところだが、最も重要な要素
はシミュレーションである。つまり、リスク領域をサーチし、そのレベルを的
確に判定できることが絶対的な条件となる。

 力ずくで、現場での経験を積んだだけではシミュレーションの器量(技量で
はない)は養えないのだ。前提になる論理的な理解、知識といったものが絶対
的な条件となるのである。

 それは、単に統計学の知識がある等の技術的な知識をいうのではない。だか
ら、上記で「技量」ではない「器量」だと指摘したのだ。

 潜在的な理論的知識無しに、今日の現場で監査の有効性と効率性を両立させ
るリスク・アプローチを実践することは本来できない相談である。

 監査手続が会計処理の存在を前提に存在することを考えれば、それは理の当
然であろう。

 監査法人に滞留する勘違いの“偉い先生方”は、リスク・アプローチを実践
できない。理論的前提が理解できないのだ。だから、リスク・アプローチの本
を読んでも分からないのである。

 度々指摘するが、これからの会計士は、より一層の理論武装をしなければな
らない。特に、会計学に係るある程度深い理解と知識が必須である。

 現状での会計士試験は、試験の実施側がこのことの理解を持っていないよう
にも見受けられる。監査論を手厚くしても本質的には的ハズレである。

 企業の会計的不備、会計的不正、隠蔽工作を見破るには、レベルの高い会計
的知識が必要なのである。


 はははッ!!あッいや、いつもの癖で!私が力んでもしょうがないことなの
だが?!


 さて、話を戻して。

 「利害の対立」についての説明としての、“一般に企業の経営者は、企業の
財政状態および経営成績をよく見せようとするため、財務諸表の粉飾等を行う
虞があり、したがって、投資情報として適正な財務諸表を要求する利害関係者
との間に利害の対立が存在します”に、巷の受験学校に通っている会計士試験
の受験者は、非常に納得して満足しているに違いない、というところだった。


 会計(学)を知らないと、上記の説明には何の抵抗もないのであろう。その
結果が安易に“納得”ということになる。


 監査における潜在的利害の対立は、上記ようなことを意味するのではない。


 監査における潜在的利害の対立は、たとえ、企業の経営者が正しい理解の下、
適正な手続を経て企業の財政状態および経営成績を「適正に表示する財務諸表
を適正に作成・開示」したとしても存在するのである。

 企業の経営者が粉飾する虞があるから、利害対立が生じるのではない。

 一つの例をあげよう。例えば、受験学校の自習室、友人たちと勉強に勤しみ、
ちっょと休憩をしようと、部屋の外の自販機でコーヒーなどを買って席に戻っ
たときである。

 自分の席の机の上に、一個のおいしそうな饅頭が置いてあったとしよう。

 ともに勉強していた友人たちは、少し遠出をして買い物に行ったようで、席
の近くには、その饅頭がどのような経緯でそこに置いてあるのかは分からない。

 さて、諸君ならばどうするのであろうか?

 “勿論、友人がおいていってくれる以外にはあり得ないと思うから、何の疑
いもなく食べますよ!”という諸君もいるかもしれない。

 このような諸君は監査人には向いていないかもしれない。

 一般には、たとえ、その饅頭が友人が好意で自分に置いていってくれたもの
であったとしても、その事実が確認できなければ、安心して食べられるもので
はない。

 上記のような諸君は、その饅頭と一緒に“おいしいお饅頭があったので、お
裾分け!奈津子より!!”などと知り合いの女性の名前(とりあえず都合で女
性の名前にしてありますが、何の他意もありません。一般的に男は女性には弱
いものですから)などあろうものなら、喜んでお召し上がりになっちゃうので
あろう。

 たとえ、結果的に友人がおいていってくれた饅頭であることが後で判明した
としても、潜在的には、その饅頭は床に落ちたものを友人がふざけて自分の机
に置いたのではないのか?もっと言えば、今時、毒などが入ってはいないだろ
うか、などと疑ってみるのが妥当であろう。

 これが監査の現場であれば、監査人であれば、絶対的にそうでなければなら
ないはずである。少なくとも、即座に何の疑念も抱かずに食べることができる
はずはないであろう(上記のような例外的諸君を除いては)。


 そう、潜在的利害の対立は、企業の経営者が企業の財政状態および経営成績
を「適正に表示する財務諸表を適正に作成・公表」しても存在するのである。


 上記の場合、とりあえず、信頼できる友人など、饅頭が置かれた状況を知る
者が教室に戻ってきて、“ああ、その饅頭ね、奈津子がおまえに置いていった
よ”などといえば、諸君は安心してその饅頭を食べることができるのである。

 このときの饅頭の安全性を指摘した友人等が監査では監査人ということであ
る。

 勿論、監査の場合は、友人等の利害関係のある者ではなく、独立の第三者た
る監査人である。


 たとえ、企業の経営者が企業の財政状態および経営成績を「適正に表示する
財務諸表を適正に作成・開示」しても、その適正性の程度を利害関係者自身が
直接検証し得ない以上、潜在的利害の対立は存在するのである。


 実は、このことは「会計責任」とも密接に関係する内容なのだが、これをこ
こで説明していると、終わらなくなるので、これについてはまたの機会にする
ことにしよう。

 少なくとも、監査論は監査論だけで成立するというような間違った了見は持
たないことが肝心ということである。


 一つ知っておくと良いが、会計学がそうであるように、監査論は肯定的な前
提しか置かない。否定的前提の下に存在する議論は無いのである。


 会計制度は、肯定的前提を置くことによって、企業(経営者)、利害関係者、
監査人の利害を円滑に調整し、もって証券市場の円滑な発展を意図するもので
ある。

 つまり、財務諸表は企業の経営者が適正に作成・開示することが会計責任で
あり、監査人は、たとえ企業の経営者が適正に作成した財務諸表であっても、
職業的懐疑心をもって財務諸表の適正性の程度を判定し、それを利用する利害
関係者に監査の結果として公表し、財務諸表の利用者たる利害関係者は、監査
人の評定の結果を受けて安心してその財務諸表を投資意思決定資料として利用
して自己の意思決定を行い、その結果、証券市場の適切な維持・発展が果たさ
れることになる、というわけである。

 が故に、監査人は、監査の実施中、監査対象を批判的に検討しながら、指導
性を十分に発揮し、万一財務諸表に不適正な箇所があれば、それを企業の経営
者に指摘し、適正に修正するように指導することが重要なのである(といって
も、現状での実務では、残念ながらこのことはほとんどできていないのが実情
である。諸君は監査の実務に就いたとたんに、それを知ってガッカリするので
ある)。

 監査(証券取引法監査)は、あくまでも企業が作成する財務諸表を利害関係
者が安心して利用することによって証券投資を行わしめ、よって証券市場の維
持・発展を意図する制度の下で実施される監査なのである。

 したがって、監査の最終的結論として批判的な意見を述べるのが監査人の一
義的な機能ではない。あくまでも、可能な限り、適正な財務諸表を作成・開示
できるように指導性を発揮すべきものなのである。

 この点については、また、後日触れることもあろうと思う。


 さてさて、ちょっと確認のつもりが長くなってしまった。

 では、ここで、利害対立についてまとめておくことにしよう。


『利害対立』

 『財務諸表を企業が公表する目的は、企業がその会計責任において企業の状
況を利害関係者に適切に開示することによって、財務諸表の利用者たる利害関
係者が適切な意思決定を行うのに資するためである。

 しかし、財務情報の提供者である企業と財務情報の利用者である利害関係者
との間には潜在的な利害対立があるため、情報の利用者である利害関係者は、
企業が公表する財務情報に故意または無意識による操作の可能性があると懸念
する。仮に、財務情報が操作されていたり、不完全な場合には、当該財務情報
によって意思決定をした結果、重大なる損害を被る可能性があるからである。

 したがって、企業や利害関係者から独立した第三者としての立場にある監査
人が、財務諸表が企業の財政状態および経営成績を適正に表示しているか否か
について監査し、利害関係者に対して財務諸表の信頼性の程度を明らかにする
必要がある。』


 上記二段落目の表現が、巷の資料等と違うことがお分かりだろうか?


 もし、お分かりであれば、こんな前提の議論においても致命的な誤解がある
ということも分かったはずである。



 では、次回以降でリスク・アプローチが出現する環境などについて確認して
いくことにしようかと思う。


 今回に関連する問題を下記に挙げておいた。解答を作成してみてほしい。

 その場合、厳密で正確な解答の作成にchallengeしてほしい。それが、「得
点できる解答」である。



 では、また次回に。





◇◇◇今回の問題◇◇◇

◇《問題》◇ =============== =============== =================== ===

 財務諸表監査の必要性について、その根拠を3つ挙げて説明しなさい。




 〜問題の確認項目〜

○財務諸表監査の成立基盤を正しく理解しているか?
○3つの根拠を正確に説明できるか否か?
○そのうちの1つは上記の「利害対立」である。



 ・解答行数:(1)「利害対立」→8行。
       (2)「?」→6行。
       (3)「?」→5行。


 ・満点  :(1)15点、(2)10点、(3)10点。







 解答・解説(一部または全部)は次回のメールマガジンにおいて掲載する予
定です。
 また、次回メールマガジンの発行日以降、当アカデミーの『HBAメールマ
ガジン』のコーナーにも解説を掲載します。
 
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◆ =============== =============== ============= =================





◆◆◆前回の問題の解答・解説◆◆◆

◆《問題1》◆ =============== =============== =================== ===

  下記1と2の関連性について説明しなさい。

   1.動態論における期間損益計算の真実性
   2.貸借対照表継続性の原則と一致の原則




 〜問題の確認項目〜

●動態論における期間損益計算の意義について理解ができているか?
●具体的には、期間損益計算上の費用の計上について正しく理解しているか?
●動的貸借対照表の機能について理解ができているか?
●貸借対照表継続性の原則の意義を正しく理解しているか?
●期間損益計算の真実性を担保するのが貸借対照表継続性の原則を前提とする
一致の原則であるとの理解があるか?



 ・解答行数:13行。

 ・満点  :30点。



◆【問題1の解答】◆◆=============== =============== ============ ====

 動態論においては、人為的に区切られた期間計算においての計算結果の真実
性を主張しうる根拠を、全体損益計算における一致の原則に求める。
 この一致の原則が成立するためには、期間損益として解消した項目と未解消
の項目とを明確にし、貸借対照表によって未解消項目を確実に次期の損益計算
に引継ぐという方法によって、損益の二重計上や脱漏を防ぐことができること
が要件とされるのである。
 したがって、ある期末の貸借対照表は翌期首の貸借対照表に確実に引継がれ
るという貸借対照表継続性の原則(貸借対照表同一性の原則)が充たされるな
らば、各期の利益を全体期間にわたって合計した結果と全体期間を一期として
求められる収支差額としての全体利益とが概念上一致することになる。
 このように、動態論における期間損益計算の真実性は、貸借対照表継続性の
原則に支えられた一致の原則から保証されるものである。
(30点)



◆【問題1の解説】◆◆◆ =============== =============== ============ =

 会計は、企業に生じた経済事象のうち会計の対象となるものを識別し、それ
を会計取引として認識し、測定し、記録し、それらに基づいて企業の経営成績
および財政状態の内容を要約し、財務諸表というかたちで企業の外部の利害関
係者に会計情報として報告する一連の過程であると理解される。

 そして、この場合、公表される財務諸表は、外部の利害関係者の意思決定資
料としての会計情報として位置付けられることになる。

 しかも、この会計情報を作り出す会計構造は、対象となる企業の資本運動の
態様や利害関係者の情報要求によって、決定づけられる特質をもっている。

 今日の企業会計では、動態論の会計構造を前提としている。

 本問は、今日の企業会計の体系的理解にとって必要な上記事項に関連して、
基本的な内容についての十分な理解をもっているかを問うたものである。


 本問は、動態論の会計構造を理解する上で欠くべからざる内容であり、した
がって、ここでの内容を知らなければ、動態論の何たるかを、つまりは、今日
の企業会計の基盤の何たるかを知っているとはいえないということになる。

 ここでの解答を十分に書くためには、動態論の計算構造を前提とする場合、
(1)動的貸借対照表が期間利益計算の手段としての連結環たる機能をもってい
ること、(2)そこでの期間損益計算は人為的に区切った期間計算であることか
ら暫定的な性格をもつが、(3)その計算の客観性を担保する道具立てとして全
体期間に対する収支差額と期間利益の合計が一致するという一致の原則を用意
すること、そして、(4)この一致の原則が成立するための要件として、貸借対
照表継続性の原則があること、という一連の理解をもっていることが必要であ
る。



 =============== =============== =============== =============== =====


◆《問題2》◆ =============== =============== =================== ===

 「企業会計原則」貸借対照表原則一では、「貸借対照表は、企業の財政状態
を明らかにするため、貸借対照表日におけるすべての資産、負債及び資本を記
載し、株主、債権者その他の利害関係者にこれを正しく表示するものでなけれ
ばならない」とされています。
 しかしながら、貸借対照表において表示される「財政状態」の実質的内容は、
貸借対照表の本質をどのように理解するかによって異なってくると考えられま
す。
 そこで、これに関連して、以下の各問に答えなさい。

問1
 貸借対照表の本質をどのように理解するかについて、大別して、(1)静的貸
借対照表観と(2)動的貸借対照表観が挙げられます。このうち(2)について簡潔
に説明し、そこでの財政状態はどのように捉えられるかを明らかにしなさい。


問2
 問1の(2)の貸借対照表観は、いかなる会計環境を前提にして出てきた貸借対
照表観かを説明しなさい。




 〜問題の確認項目〜

問1:
●動的貸借対照表観について理解ができているか?

問2:
●会計環境についての理解が十分にあるか?



 ・解答行数:問1 → 5行。
       問2 → 7行。

 ・満点  :問1 → 10点。
       問2 → 20点。


◆【問題2の解答】◆◆=============== =============== ============ ====

問1
 動的貸借対照表観においては、貸借対照表の本質を、継続企業を前提とした
期間損益計算の手段としての機能に求める。したがって、そこでの財政状態は、
継続企業の収益力の算定・表示を課題とする期間損益計算のしくみを通した上
での、企業資本の表示として捉えることができる。
(10点)


問2
(動的貸借対照表観:)
 企業の経済基盤が確立し、継続企業の前提とされる段階では、利害関係者の
関心の的が投資家としてのものとなり、会計報告の基本目的は、企業の収益力
の算定・表示に置かれることになる。これを反映して、貸借対照表の役割は、
期間損益計算の手段としての機能が第一義的なものとされることになる。それ
は、そこでの投資家としての関心の的が、投資意思決定情報としての正常な収
益力を反映した業績表示利益の算定・表示にあるからである。
(20点)



◆【問題2の解説】◆◆◆ =============== =============== ============ =

【総説】

 まず、上記動的貸借対照表と対比される静的貸借対照表について、問1、問
2での同じ問に対して解答するならば以下のようになる。

問1
 静的貸借対照表観においては、貸借対照表の本質を、一定時点における企業
の債務弁済能力の表示のための、財産価値に基づく財産状態の表示機能に求め
る。したがって、そこでの財政状態は、一定時点における企業資本の現在価値
に基づく財産状態の表示として捉えることができる。
(10点)

問2
 静的貸借対照表観:
企業の経済基盤が未成熟で、継続企業の前提が現実に対して適合性をもたない
段階では、利害関係者の関心の的が債権者としてのものであり、会計報告の基
本的目的そのものが、利益計算よりもむしろ財産状態の表示に置かれていた。
それは、そこでの債権者としての関心の的が、純財産増加額としての利益では
なく、債務弁済能力の表示という視点から算定される純資産額自体にあるから
である。
(15点)


 本問の動的貸借対照表と対比して理解しておくと、その出現環境の違いによ
って、財務諸表の作成趣旨、つまりは、貸借対照表の役割機能の違いが理解で
き、また、現状での貸借対照表の役割として何を求められて議論されているの
か、いわゆる動的貸借対照表の限界とは何か、ということの本質的な理解や、
さらに、それらの議論の真偽のほどはどうなのかということを見極めるのにも
有効であろうと思う。


 一般的に言えば、貸借対照表は、一定時点における企業の財政状態つまり企
業資本の現状を、その具体的な存在形態(運用形態)と源泉形態(持分形態)
との、二つの側面から把握・表示した一覧表である。しかし、貸借対照表に表
示される財政状態の実質的内容は、会計の全体構造の中に貸借対照表をどのよ
うに位置づけるか、すなわち、貸借対照表の本質・機能をどのようなものと見
るかによって大きく変わってくる。

 その典型的な二つの見方が静的貸借対照表観(静的貸借対照表論)と動的貸
借対照表観(動的貸借対照表論)である。

 静的貸借対照表観と動的貸借対照表観とでは、貸借対照表の本質についての
理解、会計構造の組立てが異なってくる。本問で、貸借対照表に表示される財
政状態について、しっかり整理することによって、会計構造に関する知識も深
めてほしいと思う。



【各説】

問1について:

 本問では、動的貸借対照表観(もしくは静的貸借対照表観)における貸借対
照表の本質をどのように理解するかについて、しっかり(両者を対比して)整
理しておくことが必要である。

 したがって、動的貸借対照表観においては、貸借対照表は収益力の算定・表
示を目的とする期間損益計算との関連で捉えられる(静的貸借対照表観におい
ては、貸借対照表は債務弁済能力を表示するものとして捉えられる)ことを踏
まえて解答するのがポイントである。


問2について:

 ここでは、問1における動的貸借対照表観(静的貸借対照表観)が出現する
前提となった会計環境を問うている。

 ここでのポイントは、その(それぞれの)会計環境における企業の資本運動
がどのようなものであったのか、ということと、そこでの会計情報の利用者が
どのような人達で、どのような関心(情報要求)を持っていたかということを
明示的に書くことである。






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□ 雑 感 □===========================

◎今回はちょっとだけHBAのcommercial!!

 HBAメールマガジンを読んで頂いている方で、もし、税理士試験を受験し
ているという方には、HBAの会計士試験受験講座の財務諸表論レクチャーの
受講をお勧めしておきます。

 理由は簡単明瞭!!税理士試験の財務諸表論の理論の学習に実に有効だから
です。

 税理士試験の財務諸表論は、以前は計算問題ができれば理論問題などさほど
できなくても合格できたものです。

 しかし、公認会計士の試験委員がその任期後、税理士試験を担当するような
傾向になってからは、理論問題で問われる内容もvolumeも違ってきています。


 そこで突然ですが、税理士試験の受験生の諸君、巷の受験学校の授業で「連
結」分かりますか?「企業結合」分かりますか?

 別に嫌みではありません。

 おそらく分からないはずです。十中八九以上。

 理由は簡単明瞭。巷の受験学校の税理士科の講師が知らないからです。見よ
う見まねの授業では生徒を納得させられるものではありません。

 現に、受験学校が公表する税理士試験の“模範解答”とやら、かなり間違っ
ていますよね。

 現役の税理士の先生方も分からなくて困っているのです。


 実は、HBAのテキストは、以前から税理士試験でも高い実績があります。

 勿論、税理士試験用に作っている訳ではないので、そのようなcommercialは
対外的には一切していないのですが、税理士試験を受験している友人から相談
を受けたHBAの会員から、「先生、友達から、税理士試験用に何か良い財務
諸表論のテキストはないか?と聞かれたのですが」と相談を受けることがしば
しばあるのです。

 その時、私は即座に「HBAの財務諸表論のテキストがbestだよ」というの
です。

 すると、会員は、「だって、HBAのテキストは会計士試験用でしょ?」と
いうわけです。

 私は、「会計(学)に会計士も税理士もないでしょう!」
 「何冊もの学者の本や多数の論文などの内容を吟味して、必要に応じて適切
に、しかも体系的に正しくまとめてあるのがHBAのテキストだから、これに
勝るものはないよ!」と。

 事実、上記の税理士試験の受験生は、HBAの会員の友人から聞いて、HB
Aの財務諸表論のテキストで勉強し、合格しています。


 勿論、税理士と会計士は、仕事をする上での立場や内容に違いがあります。
しかし、公認会計士試験制度の改革を踏まえて、税理士試験の内容にも変化が
出てきているのです。

 今時税理士といえども連結、企業結合などを知らないではすまされない時代
なのです。

 というわけで、このメールマガジンを読んで頂いている方やその友人に税理
士試験を受験している方がいるならば、一度資料請求をするなり、HBA東京
事務所に相談に来るなりしてみるのも良いのではないでしょうか?


 資料請求はHBAのHPから資料請求のフォーマットで簡単にできますので
どうぞ。




◎只今、HBAの電話番号(代表)が不通です。

 引っ越し騒動の最中、電話移転の手続が後手を踏んだためです。申し訳あり
ません。

 番号自体は変わらないのですが、現在不通です。

 来週中には復旧する予定です。

 FAX回線の方は、現在使用可能ですのでご利用ください。

 なお、HPにも記してありますように、私が事務所に常駐できない事情から、
事務所への来所の際は、FAX or メール(info@hba-i.jp)で予めご連絡くださ
いますようお願いします。


 ご面倒で申し訳ないのですが、よろしくお願いします。




◎さて、前信でビールを飲む楽しみについて記した。ので、私のことを、きっ
と酒飲みに違いないと思われた読者も多いのではないだろうか?

 実は、私は本来的には甘党なのです。

 特に和菓子が大好きなのですが、洋菓子にも目がない方。勿論、その比率は
和菓子が圧倒的なのですが。

 洋菓子は、実に美味そうな外観をしているものが多い。つい買ってしまう!
しかし、和菓子に比して洋菓子は、何というか、そう、飽きるのです。

 栗蒸羊羹や素朴な小豆の最中(今時のお上品さを装っただけのものではなく、
しっかりと甘いやつ)などは、実に飽きが来ない。いつも変わらずの幸せを味
あわせてくれる。

 洋菓子も美味い。美味いコーヒーなどを入れて、楽しむとやはり幸せを感じ
る。しかし、それを食べたいという気持ちがど〜も長続きしない。

 という訳で、実は、我が家の冷蔵庫には、ビールとグラスとともに小豆の最
中が冷えているのです。

 今時、冷えた最中は実に「美味」ですぞ。

 さらにいえば、自前のice coffeeも冷えているのだ。ice coffeeのボトルを
買ってくるのではなく、自分で作る。簡単ですから。

 green tea(私は大の緑茶党である)と最中は抜群の相性で、実に美味い。
iceでも抜群なのだが、ちょっと飽きてきたかな〜、というときは目先を変え
て、冷えた最中とice coffee!!

 お試しあれ!!これも実に合うのである!

 というわけで、このメールマガジンを仕上げたら冷えた最中とice coffee!




 ではまた。





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