【HBA王道セミナー】すべての理解は基礎理論の理解にあり!!基礎理論の
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                            2006.8.16発行
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       公認会計士受験講座/財務諸表論・監査論

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《第10講》従前の監査における分析的手続とリスクアプローチにおける分析的
     手続は違う?
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◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

◎前回までの復習

 まず、前回までの復習を簡単にしておこう。論理の流れをしっかりとつかん
でおいてほしいからである。


 前信で、リスク・アプローチは監査戦略を追求する監査手法であること。そ
の監査戦略とは、監査計画の立案において、財務諸表監査の目的を達成するた
めの最も効率的な監査の実施を追求すること。

 すなわち、監査の有効性と効率性の最有利結合を意図する監査戦略が監査に
おいて当然要求されるべきものであること。

 したがって、監査は多様化し、各クライアントごとのオーダーメイド監査と
なること。

 その結果として、多くの監査計画が多様化(それぞれのクライアントごとに
適合する監査計画を策定するという意味)するが、これらの多様化した監査計
画を分化したままにしておいては、財務諸表監査は社会的信頼を得ることが出
来ない。

 それぞれ多様化した監査計画に基づいて実施された監査において、それぞれ
別々の基準で財務諸表の信頼性の程度が公表されても「信頼性」の意義がない
からである。

 多様な監査計画でありながら、社会的な信頼を得ることが出来るような共通
的な質が、多くの監査計画の全てに充たすことができなければならないのであ
る。この役割を果たすものが、監査の保証水準である。

 どのように監査計画が分化によって多様化(オーダーメイド化)したとして
も、多様化した監査計画の全てが、財務諸表監査として社会的に要求される保
証水準を確保するものでなければならないということである。

 換言すれば、多様化した監査計画は、一定の保証水準によって「統合」され
るというわけだ。

 このような監査計画の分化(多様化)と統合、すなわち、一定の保証水準を
保ちながら監査計画の多様化を可能にする理論的基盤を提供するものが監査リ
スク・モデルである。


 要約すれば、以上のようであろうか。




◎リスク・アプローチにおける分析的手続

 そこで、今回は、監査リスク・アプローチの前提的議論の締めくくりとして、
分析的手続について若干見ておくことにしよう。


 分析的手続は、実証手続ではあるが、監査リスク・アプローチにおいては、
他の実証手続とはその位置づけがまったく異なる手続である。


 そもそも、従前の監査においては、定型的な監査が前提であり、そこでは、
一定の実施すべき監査手続(平成3年以降のリスク・アプローチになってから
の「通常実施すべき監査手続」のことではないので注意)が前提となって監査
計画の立案と実施が行われていた。

 つまり、そこでは、一定の監査手続の実施が前提(まず、監査手続有りきと
いうこと)の監査が実施されていたということである。

 その代表格が、実査、立会、確認という三大監査手続であった。

 この時代の監査を敢えて悪くいえば、上記の三大監査手続さえ実施していれ
ば、基本的には監査人の責任は免れることができるといった形式主義的な風潮
が我が国の監査業界に充満していたのである。


 承知のように、現行のリスクアプローチにおいては所定の監査手続が前提で
はない。監査手続はあくまでも監査実施のための道具であり、監査人はその道
具をカバンの中に詰め込んで現場に赴き、その現場の状況に応じてどの道具を
使うかを判断し、監査を実施するのである。

 どの道具を使うかは、監査対象の状況によるのであり、そこでの状況を前提
に、監査の有効性と効率性を両立させるように監査人が適切に監査手続を選択
・適用するわけである。

 ここでは、監査手続有りきではなく、監査手続はあくまでも監査実施の道具
として、状況に応じて適切に選択・適用されるべきものとして位置づけられる。
つまり、どの道具を利用して監査を行うかは、監査対象の状況に応じて監査人
が判断するのであり、当初から定型的に決まっているものではないというこで
ある。


 さて、そのような監査手続(実証手続)だが、ある監査手続だけは、他の監
査手続(他の実証手続)とは区別され、監査実施の前提として位置づけられる
のである。

 それが、「分析的手続」である。


 監査リスク・アプローチにおいては、この分析的手続は、監査計画の策定か
ら監査意見の形成に至るまでの全監査実施プロセスにおいて、その前提となる。

 それは、リスク・アプローチという監査手法の趣旨を考えれば当然といえよ
う。

 監査リスク・アプローチは、これまで見てきたように監査の有効性と効率性
を最有利結合する監査戦略を追求する監査手法である。

 したがって、コスト・ベネフィットの関係から、ある監査対象に対して選択
可能な諸代替案の中から、最も有効かつ効率的な方法を選別し適用することに
なる。

 この諸代替案のピックアップと選別に・適用当たっては、監査対象のリスク
領域を的確に判断することが前提となる。

 監査人は、分析的手続を適用することによって、まず、どの監査対象のどの
領域にどのようなリスクが存在するのかをサーチし、さらに、把握された監査
対象のリスク領域におけるリスクの性格やその重要性の程度等を分析すること
によって、それが監査リスクに及ぼす影響をシミュレーションし、その上で、
いかなる監査手続を適用し、それをいつ、どこで、「どのレベルの監査人」に
実施させるのかを決定し、それを監査計画に反映させることによって、監査資
源の最適配分を実現していくのである。

 すなわち、分析的手続を動的(アクティブ)にくっ使しながら監査を実施し
ていくわけである。


 上記で「どのレベルの監査人」と「」付きで記してあるところに注意である。

 度々記しているように、リスク・アプローチは究極的には監査人を差別化す
る監査手法である。

 能力のある監査人は、重要性の高い監査対象やリスクの高い監査対象を担当
し、能力の低い監査人は当然に重要性の低い監査対象やリスクの低い監査対象
を担当することになるのである。

 そのことは、当然に報酬へと反映されていくことになる。

 横並びが好きな我が国の歴史的風潮にあって、プロといわれる領域でも監査
法人などでは横並び的な報酬が一般的とされてきたが、これからはそうはいか
なくなる。

 このことは、リスク・アプローチの趣旨からの当然の帰結であり、それは、
ここまでいっしょに学習してきた読者の皆さんにも当然のこととして理解され
るはずである。

 合格したら人生はバラ色などと大きな勘違いをしないことである。

 目指すのは、プロの世界である。プロのスポーツの世界のどこに横並び的な
報酬の概念が存在するというのか?

 プロとしての能力を発揮するものが、プロとして認められる世界であり、そ
の活躍に応じた報酬もまた当然の帰結である。

 プロ野球の3軍の選手の給料など、一般のサラリーマンの給料よりも低いの
だ。

 勿論、世の中は金がすべてではない。しかし、プロとしての職業に就くので
あれば、報酬は己の能力の評価の一面を必ずや形成するのだ。

 プロとはそういう世界である。「職業的監査人」(よもや受験勉強上の暗記
用語としてだけ知っているというのではあるまいが?)はプロであり、また、
プロでなければならないのである。肩書きを持った“素人”では、この世界に
存在する意味は皆無である。


 だからこそ、会計士としての素質を育成するHBAの受験勉強なのだ。


 ところで、リスク・アプローチ以前の監査の時代にも分析的手続は存在した。
しかし、この場合の分析的手続は、分析的手法として静的に部分的に適用され
ていただけである。

 リスク・アプローチにおけるような監査の前提として、アクティブに全面的
に展開される監査手続として位置づけられていたわけではないし、そのような
環境があったわけでもない。

 がしかし、平成3年に初めてリスク・アプローチが導入された監査基準にお
いて、分析的手続が監査の前提として位置づけられていたにもかかわらず、そ
の時の公認会計士(の業界)はほとんどそれを理解してはいなかった。

 近時の監査基準の大改訂?(中身はリスク・アプローチで従前の基準と何ら
変わらない。敢えて変わったと言うなら、前提としての内部統制の概念と統制
リスクの評価プロセスがより戦略的になっただけである)において、その改訂
趣旨が前文に記されているが、最大の趣旨は、平成3年以降公認会計士(の業
界)にリスク・アプローチが定着しているとは言い難い状況を鑑みて、監査リ
スク・アプローチを業界に徹底するために改訂を行った旨が記されている。

 なんと恥ずかしいことであろうか?

 当初のリスク・アプローチ導入から10年以上も経っても、業界にリスク・ア
プローチが根付いていないとは・・・!?


 その理由は、監査リスク・アプローチを業界生き残りのための必須の監査手
法として出現させた米国のような監査業界の危機感(監査環境)が全くなかっ
たことによるのである。

 当時のある監査法人の大きな勘違いの代表社員は、“まァ、企業さんが倒産
しても我々の仕事はなくならないですからな、ははは!”と笑っていたそうな。

 何ともはや、ご愁傷様なレベルの業界である。

 この頃から、学者の間では、公認会計士の“先生がた”はどうも勘違いをな
さっているのでは?と、呆れて見放され初めていたのを彼らは知らない。

 とりわけ、当時の公認会計士にとって不幸だったのは、我が国に米国のよう
な訴訟爆発といった環境(危機)が存在しないままに監査リスク・アプローチ
が導入されたことであろう。

 イクステーション・ギャップ(期待ギャップ)などといった環境もまったく
無く、法律的にも過度に保護されたぬるま湯のような環境に浸りきっていた当
時の公認会計士たちに危機感を持てということ自体無理な話だったかもしれな
いのである。

 それにしても、バブル後の企業倒産が相次ぐ状況になって、やっと少々の危
機感を持ち始めたなど、己の仕事の重大性を認知していない証拠である。



 さてさて、こんな話をしているとまた長くなるのでこの辺にしておくが、監
査リスク・アプローチにおける「分析的手続」の位置づけ(性格)と重要性に
ついて理解が進んだであろうか?



 最後に、分析的手続に関して若干のまとめを記しておくので参照してほしい。



◎分析的手続における多様化

 分析的手続は、一方において非常に有効性の高い方法であり、他方において
効率的で費用のかからない方法である。

 この分析的手続は、ビジネス・アプローチの適用であり、またその展開であ
り、被監査会社の事業および業務、産業および経済の状況についての監査人の
知識を積極的に利用しようとするものである。

 このような分析的手続の重視は、一方においてより有効な監査として、監査
計画の段階での多様化としてあらわれ、他方においてより効率的な監査として、
実証手続の選択においての多様化としてあらわれる。


(1)適切な監査計画の立案に有用な分析的手続

 監査計画の段階で分析的手続を利用する目的は、監査証拠の収集のために実
施される監査手続の性質、時期および範囲に関する計画を助けるためである。

 このための分析的手続は、(a)被監査会社の事業および前回の監査終了時以
降に発生した取引および事象についての理解を深めること、および(b)監査に
関連する特別のリスク領域を識別することに集中する。

 このために、分析的手続は、異常な取引、事象、金額、比率および傾向の存
在を認識しなければならない。

 分析的手続は、被監査会社の状況に適応し、したがってより有効な監査計画
の立案を助けるものであり、動的(積極的)に監査の多様化を意図するもので
ある。


(2)コスト・ベネフィットの観点から有用な分析的手続

 一般に、分析的手続は、簡便な手続によって行われ、少ない労力および時間
しか要しない。

 それは、分析的手続は、比率分析、趨勢分析および合理性テストのように簡
単な計算および比較によって行われ、他の監査手続のように精細かつ複雑な手
続を要しないからである。

 したがって、費用がかからないばかりでなく、非常に迅速に行うことができ
る。

 現行の監査においては、分析的手続においても、単純な比率や趨勢の計算に
とどまらず、回帰分析のような高度な統計的技術が利用されるようになってき
ているが、これらに対してはコンピータの利用によって効率的に実施すること
ができる。

 このように有効性、効率性および迅速性の特徴を有する分析的手続は、監査
目的を達成するための監査手続の選択および組み合わせの多様化における戦略
的要素である。



 今回は、以上である。



 かなり要約的ではあったが、今回までで監査論について必要な前提的な理解
に関する内容は一応一段落である。

 読者の皆さんもそれなりに監査論の導入部分の理解が得られたのではないだ
ろうか?


 そこで、次回は、財務諸表論に戻って、現行企業会計のフレームワークにつ
いて少し具体的に見ていこうかと思う。



 では、また次回に。





◇ =============== =============== ============= =================

◇ =============== =============== ============= =================





◇◇◇今回の問題◇◇◇

◇《問題》◇ =============== =============== =================== ===

 分析的手続に関して以下の問に答えなさい。

問1
 分析的手続の意義を述べなさい。(3行)

問2※
 分析的手続は、コスト・ベネフィットの観点から特に有効であるといわれま
すが、これについて簡潔に説明しなさい。(5行)

問3
 分析的手続の有効性に関する基礎的前提について簡潔に説明しなさい。
 (3行)

問4
 分析的手続が用いられる目的を3つ挙げなさい。(各1〜2行)

問5※
 (1)監査計画段階における分析的手続の目的と(2)この場合の特徴について簡
潔に説明しなさい。((1)2行/(2)4行)

問6
 分析的手続の実施にあたって用いられる手法のうち、(1)趨勢分析と(2)比率
分析について簡潔に説明しなさい。((1)5行/(2)5行)

問7
 監査の最終段階における分析的手続の目的について簡潔に説明しなさい。
 (3行)





 〜問題の確認項目〜

○今回の講義内容からすれば問2が直接解答可能問題、問5が応用問題という
ことになる。

 ただし、会計士試験の受験生にとっては上記問題のすべてが必須である。

 今回は問題がストレートであるので確認項目については省略する。




 ・解答行数:上記各問題文末参照。

 ・満点  問1:10点。
      問2:10点。
      問3:10点。
      問4:各5点×3=15点。
      問5:(1)5点 (2)10点。
      問6:(1)16点 (2)16点。
      問7:8点。
      以上合計:100点。






 解答・解説(一部または全部)は次回のメールマガジンにおいて掲載する予
定です。
 また、次回メールマガジンの発行日以降、当アカデミーの『HBAメールマ
ガジン』のコーナーにも解説を掲載します。
 
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          ◇ =============== =============== ============= ================= ◇ =============== =============== ============= ================= ◆◆◆前回の問題の解答・解説◆◆◆ ◆《問題》◆ =============== =============== =================== ===  現代監査は被監査会社の状況に適合的な監査実施のため、監査計画が多様化 するが、この多様化した監査計画に基づいて実施された監査が社会的信頼性を 確保するためにどのような概念を取り入れているのか説明しなさい。 (11行)  〜問題の確認項目〜 ○監査リスク・モデルによる分化(多様化)と統合が理解できてているか? ○「分化」(多様化)とは具体的に何か? ○「統合」とは具体的に何か?  ・解答行数:上記各問題文末参照。  ・満点  :20点。 ◆【解 答】◆◆=============== =============== ============ ==========  財務諸表の監査方法の多様化によって、多くの監査計画が分化するが、これ らの多様化した監査計画を分化したままにしておいては、財務諸表監査は社会 的信頼を得ることが出来ない。そこで多様な監査計画でありながら、社会的な 信頼を得ることが出来るような共通的な質が、多くの監査計画の全てにおいて 充たすことができなければならない。この役割を果たすものが、監査の保証水 準であり、多様化した監査計画の全てが、財務諸表監査に社会的に要求される 保証水準を確保するものでなければならない。これは、多様化した監査計画が、 一定の保証水準によって統合されることを意味する。このような監査計画の分 化と統合、すなわち、一定の保証水準を保ちながら監査計画の多様化を可能に する理論的基盤を提供するものが監査リスク・モデルである。したがって、監 査リスク・モデルは、分化と統合の思考を監査計画において理論化したものと いうことができる。(20点) ◆【解 説】◆◆◆ =============== =============== ============ ======= 【出題の趣旨】  そもそも監査リスクアプローチは、訴訟爆発によってその責任を全面的に問 われたアメリカで、訴訟に勝つ監査、つまり監査戦略という視点から、イクス テーション・ギャップに対応するための手法として指向したものである。  それは監査の有効性と効率性の両者の追求の必要性から、両者を最有利結合 することが可能な監査リスクアプローチを監査戦略として展開するものである。  監査リスクアプローチは、本来ビジネス・アプローチを前提とする。  つまり、社会の環境を十分に把握し、経済の動向、業界の動向、そのリスク 等を掌握して被監査会社の状況を適切に把握し、そのリスク領域を十分に評価 して監査資源の適切な配分を可能にし、監査の有効性と効率性の両立を可能と する監査の展開を指向するものである。  すなわち、被監査会社の状況の十分かつ適切な把握なくして監査の有効性と 効率性の両立は成しえないということである。  この視点が十分理解されているなら、監査の有効性と効率性の両立を可能と する監査手法である監査リスクアプローチにとって、リスクの評価、特に監査 人にとって所与である固有リスクと統制リスクの評価が決定的な意味をもつこ とが理解できよう。本問はそれを問うている。  監査リスク・アプローチは、「リスク」という概念を監査に持ち込んで計量 化し、ともすれば抽象的な概念である適正性を補数であるリスクによって表現 することによって具体性を持たせ、監査水準を充たす十分な監査の水準を実践 的に示したところに最大の意義がある。  単にリスクモデルの掛算や割算の式を覚えても本質を理解することはできま い。十分に復習しておく必要がある。 【解説】  戦略的な監査の展開は、すなわち、環境適合的監査の展開である。  したがって、個々の被監査会社に対する監査の実施内容は、当該被監査会社 ごとに多様化する。  しかし、多様化しただけでは、財務諸表の適正性に関する意見表明を最終目 的とする監査の社会的な役割は果たせない。  そこで、多様化した監査を統合する、つまり、社会的に受け入れられる基準 として監査水準が示される必要があるのである。  これを可能とする概念がリスク概念である。すなわち、監査の多様化と統合 を実践するのが監査リスク・モデルなのである。  この意味を正しく理解しているものは、どうやら巷の受験学校にはいないよ うである。 ★★★前々回の問題の応用問題の参照★★★ ★《問題》★ =============== =============== =============== ====== 問3  現代監査は監査戦略の観点から監査手法として監査リスク・アプローチを採 るが、そこでは監査の有効性と効率性の観点から被監査会社個々の状況に適合 する監査が計画・実施される必要がある。そのために監査計画は多様化しなけ ればならないが、この監査計画において考慮すべき(1)固有リスクと(2)統制リ スクについての多様化の思考について簡潔に説明しなさい。 ((1)12行/(2)11行) ・解答行数:上記各問題文末参照。  ・満点  :問3 (1)20点/(2)20点。 ◆【解 答】◆◆=============== =============== ============ ========== (1) 現代企業の状況は、すべて独特であり、多様である。しかも、現代は、企 業の変化の激しい時代であり、このような激しい変化が企業の不確実性を増大 させるので、監査計画は多様化しなければならない。この企業に影響を及ぼす 環境の変化は、政治、経済、文化、社会、技術、思想等の多くの諸要因を含む。 そこで、企業は、環境の変化を認識し、その変化に対してより的確な対応を行 うために、状況に応じて多様な経営戦略を採用し、また、ある時は既成概念を 捨ててより革新的な対応を行い、したがって、より将来行動、さらにはより投 機的行動を行う。このような現代の状況は、被監査会社の財務諸表上の重要な 虚偽記載となる重大な虚偽および誤謬が発生するリスク状況に重大な影響を与 える。このような財務諸表の虚偽および誤謬の発生に対して、監査人はこれら を摘発する必要がある。したがって、監査人は、このような統制および監査以 前に存在する虚偽および誤謬の発生リスクである固有の危険を個々の被監査会 社ごとに把握する必要があるのである。(20点) (2) 現代監査は、内部統制の信頼性に依存して試査を行うことを原則とする。 これまでは、内部統制の信頼性の評定が、内部統制に依存できるか否かを決定 するという、二者択一的もしくはオール・オア・ナッシングという評定の仕方 であった。しかし、現代監査においてはより多様化した評定を導入し、要証命 題である財務諸表の主張に対する内部統制上のリスクの水準について、最高度 から最低度までの間での多段階的な評定としたのである。すなわち、監査にお いてどの内部統制を利用するか否か、また、利用する場合にもその信頼性の程 度に応じて利用することを内部統制上の危険の程度に応じて戦略的に判断し、 それを監査の有効性と効率性の最有利結合を目指す監査計画の立案に反映させ るのである。これまでの内部統制の評定が監査手続の適用における試査の範囲 を決定するためであったのに対し、現代監査は、内部統制の評定の利用目的を 監査計画立案のためであると広範囲に拡張したのである。(20点) ◆【解 説】◆◆◆ =============== =============== ============ =======  本問での解答には、固有リスクや統制リスクの定義やリスクの考慮プロセス の説明といった解答が予想される。  これでは本問の趣旨は理解していない。  「監査戦略の観点からの監査リスク・アプローチにとって、リスクの評価、 特に監査人にとって所与である固有リスクと統制リスクの評価が決定的な意味 をもつ」とは本問で問うている内容である。  この視点に立った解答でなければ基本的な得点さえ望めない。  上記の解答を読めば、固有リスクや統制リスクの定義等の説明といった答案 は単に状況を説明しているだけで、戦略的な監査の展開において多様化する監 査計画の策定における両リスクの意義は何も説明していないことが理解できる はずである。  監査リスク・アプローチにとって決定的な理解が欠如したまま定義を暗記し ているのでは無意味であろう。 ◆ =============== =============== ============= ================= ◆ =============== =============== ============= =================  メールマガジンのバックナンバーは、当アカデミーの『HBAメールマガジ ン』のコーナーでもご覧になれます。    HBAメールマガジンのコーナーはこちら >>>  ※問い合わせ等についてはこちら >>>


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