【HBA王道セミナー】すべての理解は基礎理論の理解にあり!!基礎理論の
理解無しに応用など存在しない。




                            2007.1.25発行
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       公認会計士受験講座/財務諸表論・監査論

        〜 本質を極めよ、王道を行け!〜

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 はじめてご登録いただいた方へ!

 諸君、君たちの勉強方法はまちがっていないか?
 これだけは伝えておきたい。
 暗記だけでは、本当の勉強はできない。
 具体的にいえば、早期合格はできない。

 たとえば講師に“本質的な実力”が伴っていなかったとしたら、
 果たしてどういう授業風景となるか。
 そう、“本質的な説明”ができない。
 ではどうするか。もうおわかりだろう。彼は諸君に『暗記』を強要すること
 になる。

 当アカデミーでは、そういった受験業界の風潮を打破したい。
 このメールマガジンでは、Q&A形式で諸君を応援する。
 まずは基礎。
 基礎を固めるため、ぜひ当アカデミーの問題に挑戦してもらいたい。
 
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 本質的な4つの提案
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 当アカデミーでは、受験生諸君に以下の4点を提案したい。

 (1) 体裁の口上なんかに惑わされるな!
 (2) 暗記で受かるのは偶然しかない!
 (3) 暗記は勉強ではない。勉強の手段だ!
 (4) 良質の資料によって、良質な指導を受けよ!

 いちど試してみて欲しい。
“本質”は、HBAにしかない・・・!



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《第12講》「知っているつもりで何も知らない現行企業会計の決算手続の意
     味と仕組み」のつづき
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◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

 さて、前回のつづき、

 「つまり、一見、属性が異なるはずの資産、負債、資本および収益、費用の
各項目が、実は、同じ計算原理(期間損益計算原理)によって支配されている
のである。

 それだからこそ、決算整理後残高試算表上、資産、負債、資本および収益、
費用が混在していても貸借バランスすることになる。

 それが、動態論の計算構造という仕組まれたフレーム・ワークなのである。
」

というところからである。



 上記の「動態論の計算構造という仕組まれたフレーム・ワーク」とは一体何
のことを言っているのであろうか?

 諸君は知っているだろうか?


 会計士の受験生ならばその必然として、簿記での決算整理後残高試算表を作
成する問題において、制限時間の直前に必死に答案用紙の決算整理後残高資産
表の一番下の欄、合計額欄の貸借を一致(バランス)させようと必死に電卓を
たたいた経験が当然あるはずである。

 誰もが当然のようにそれは決算整理後残高試算表の合計額の貸借を一致させ
る作業と思って疑わないはずであろう。

 がしかし、それは“簿記”しか知らない者、決算手続を会計的には知らない
者、現行企業会計の基盤である動態論の計算構造の本質を知らない者の単なる
経験上で知り得た事実というだけなのである。


 といっても、巷の受験学校の財務諸表担当講師が会計学をほとんど知らない
のであるから、諸君の罪は半分ということになるかも知れない。「半分」とい
うのは、それらを盲目的に信じる諸君たちにも当然責任があるからである。


 簿記の問題で決算整理後残高試算表の貸借を一致させる作業は一体何をして
いることなのであろうか?諸君は、そんなことを考えたことも無いのかもしれ
ない!?

 一度よく考えてみて欲しい?・・・、などとここで思わせぶりにいったとし
ても諸君は永久に答を見つけることはできないかも知れない。


 決算整理後残高試算表の貸借を一致させる作業は、実は、フローとしての損
益計算上で計算される「当期純利益」とストック上の残高差額(資産の純増減
としての差額)によって計算される「当期純利益」を一致させるという作業な
のである。

 その一致を確認することは、単純に試算表の貸借バランスを一致させるとい
う意味だけではない。それはごく表面上の意味である。

 会計学的意味(つまり、その真の意味)は、フローの計算結果をストックで
検証し、フローの計算の事実の裏付けがストックにあることを確認する作業な
のである。

 つまり、フローで計算された「当期純利益」と、ストックから計算された「
当期純利益」が一致すると、決算整理後残高試算表はその合計額が貸借バラン
スするわけだ。簿記の問題での合計額を一致させるという指向と会計学での指
向は違うのだ。

 簿記の問題では決算整理後残高試算表の貸借合計額の一致を確認していた作
業は、会計学的には、フローから計算された「当期純利益」とストックから計
算された「当期純利益」の一致を確認する作業であり、フロー計算上の利益の
裏付けをストック計算が行っているということなのである。

 フローはフローとしての事実の記録が後に残るだけであって、フローの“実
在性”などは存在しない。時の流れを遡り過去のフローを実際に見てくること
などできない相談である。フローの事実、つまり、フローの事実はストックの
存在の裏付けによってしか確認できないのである。


 如何に損益計算重視という現行企業会計であっても、「監査」は残高監査が
決定的な意味を持つ。

 それは、上記に指摘したように、フローを検証するためにはストックを検証
しなければならないからであり、フローの事実の確認はストックでしかでき
ないからである。

 合格して監査を実際に経験すれば分かるが、フローは帳簿と取引記録の照合
によって検証するだけの作業である。監査の目的はつとに残高の検証にあるの
だ。

 私が会計学の学者の中で「先生」と呼べる学者は3人いるが(というより3
人しかいないという方が正しいのかもしれない。この内お二人は既に亡くなら
れている。現在数多くいる存命の会計学者で彼らに勝る学者は上記三人の先生
の中で現在存命である残りのお一人だけである。誠に残念の極みという他はな
い)、その内の御一人が「監査人(会計士)は財産法(おそらく諸君の知る“
財産法”とは厳密な意味が違うはずだが)の番人」だと指摘したのは、正にこ
のことである。


 いままで、会計士試験の受験生ならば数多くの簿記の問題を解いてきたであ
ろうし、その中に決算整理後残高試算表を作成する問題も多くあったはずであ
ろう。

 しかし、上記のようなことを考えることなどただの一度もありはしなかった
はずである。

 諸君が、如何に「会計学」を知らずに、会計の実践手段の一つである“簿記
”の問題を解き、多くの諸君が、それで会計学のかなりの部分を知ったツモリ
になっていたことであろうか?


 “簿記”は、単なる会計実践のための手段である。ただそれだけであり、そ
れ以上のものでは決してない。

 複式簿記という実践手段は、貸借バランスという人間の視覚に訴えるという
意味で、それなりに有効な手段ではあったことは一般に認められているところ
であろう。

 しかし、その複式簿記なるものが消滅するのも、早、時間の問題である。ご
く少数の例外を除いては、企業においてもPCによる処理へと移行している(
もしくは、移行しつつある)のであり、承知のようにPCでは貸借バランスで
はなく、プラス・マイナスのたて計算である。

 PCは、人間の視覚を利用した貸借バランスといった検証機能など無用であ
る。

 諸君は将来、小さな規模の会社の経理を担当し、帳簿を手作業で作成する仕
事に従事するわけではないであろう。簿記の貸借バランス原理は、もはやその
ようなレベルでしか意味を持たないのである。

 ましてや、出来上がった財務諸表を外部者としての立場から「検証する」と
いう監査を職業としようとするのであれば、なおさらのこと、複式簿記を知っ
ていることがどれほどのことに役立つというのか?

 合格して、監査法人に就職し、現場に出れば直ぐに知ることである。

 受験時代に簿記の成績が良かったことが、そして、簿記を知っていることに
よって会計学をかなり知っていたツモリであったことが、会計士としての仕事
に如何に役に立たないことなのかを知るのである。

 あれほど簿記が得意だったのに、現場で何をすればいいのかまったく分から
ない。指摘された某企業の財務諸表を見ても不信におもえる点などまったく気
づきはしないのである。

 これは、“仕事”が慣れていないからではない。そもそもの「素質」の問題
である。

 巷の受験学校の“ただ合格するため”だけの方便だけを植え付けられ、それ
にうつつをぬかし、本質的な勉強を怠り、会計士としての「素質」を育成しな
かった結果である。


 きっと、上記を読んで目が覚める読者諸君もいるはずである。読んでも目が
覚めない諸君は、ハハハッ・・・仕方がない、気が付くまで巷の受験学校のデ
タラメにしばらく溺れている他は無い。

 私は、そのよう諸君を何とか私(HBA)の方に目を向けてくれるようにし
たいとは思わないのだ。

 気が付かなければならないのは諸君の方である。気が付かずに損をするのは
諸君の方なのだから。

 私のmailmagazineを読んで目覚めなくても、勿論それは個人の自由である。

 しかし、私のmailmagazineを読んで何かを感じる諸君には本質的な勉強によ
って「素質」を養い、是非合格して欲しいのである。

 少なくとも会計士としての「素質」を持って合格して欲しいのだ。

 それが、会計士の将来を明るいものにすることになるのだから。質の高い会
計士としての素質を持った者が多く合格すること。それが会計士の社会的信頼
性を作っていくことになるのである。

 だから、私の主宰するHBAは受験生に決して媚びない。初めての諸君は、
何と高飛車な、と思うのであろうか。

 本質的な勉強をしたいと思う者、そのようなセンスを既に持つ者を受入れる
べくHBAは存在しているのである。

 “とにかくさ、合格すれば後は何とかなるんだよ”は寝言である。こんな戯
れ言をいう者は、合格しても会計士としての将来性は無い。


 これは、説教ではない。「事実」を言っているのだ。


 ご安心あれ!このmailmagazineを既に登録され、毎回読んで頂いている読者
諸君は、既に何かを感じているはずであり、私の言う「素質」を持っている可
能性が十分にある。ただし、心得違いで登録している者を除くという限定がつ
くが・・・。

 さて・・・、会計学を知ることと、単に簿記を知っていること(得意にして
いること)との違いが少しは納得頂けたであろうか?

 前信と本信での内容は、巷の受験界の講師で知っている者は皆無である。そ
もそも彼らは会計学を「知らない」のだから。

 学者と名の付く者でも知らない者が多い。彼らの多くは、研究者としての「
勉強」をしないからである。それは、彼らの“論文”(なぜ私が“ ”を付け
てあるか読者の諸君にはお分かりだろう)を読めば一目瞭然である。最近の学
者と名の付いている者は、専門用語を多く知るただの“翻訳者”である。外国
の文献を我先に翻訳し、知名度を上げることと、金稼ぎに余念がない。このよ
うな者を「学者」とは本来言わない。

 学者とは、研究者である。

 だから、ここで一つ忠告であるが、万が一、ここでの内容と同じことを巷の
学校の講師がさも知っているように話しをするとすれば、それは間違いなく、
このmailmagazineを読んで知ったふりをして話しているということである。本
人が知っているわけではない。

 彼らの学校のテキストには、簿記一巡の手続きのあたりに、決算整理後残高
試算表を上下に二つに分離し、分離した上の方が“貸借対照表”、下の方が“
損益計算書”とし、分離したそれぞれの表の貸借の差額部分が当期純利益であ
り、それぞれの表のそれらが一致する、とした説明が載っている。

 がしかし、彼らはその事のそもそもの意味を知らないのである。

 何よりも、決算整理後残高試算表を上下に二つに分離し、分離した上の方が
“貸借対照表”、下の方が“損益計算書”とする説明自体が滑稽である。それ
は大きな誤りだらだ。簿記のテキストだということを割り引いても許されるも
のではない。


 これは、合格して監査の現場に行けば思い知ることになる。ユメユメ得意そ
うにこのような話を“知っている”つもりで口にしないことだ。一発で、先輩
や上司にこいつは「会計を知らない」と評価を下されるからだ。

 まァ、とはいえ、その先輩方も受験時代には知らなかったのであるが・・・。


 諸君はどうして「大きな誤り」なのか分かっているだろうか?

 現に、「財務諸表」は、残高試算表からなど作りはしないのである。


 現行企業会計の構造的基盤は現在も動態論の計算構造である。現在大学生の
諸君はよく肝に銘じておくことである。その動態論の計算構造の正しい理解も
無いのに、“動態論は古い”などと平気で口にする諸君は、動態論=取得原価
主義のように誤解している者が多い。

 動態論では時価であってもいっこうに構わない。動態論の計算構造の趣旨は、
原価か時価かといった次元の話ではないのだ。

 現行企業会計上では金融商品取引において時価評価される場合がある。これ
は、経済系の新聞などで一時大騒ぎされた“時価主義”や“時価主義の到来”
などではない。単なる時価評価である。現行企業会計では依然として取得原価
主義なのである。

 時価主義と時価評価の区別もつかずに、取得原価主義を短絡的に批判するな
ど、身の程知らずというものであろう。

 何をか言わんや!・・・である。





 さて、今回は私としては、少し短めに切り上げることにする。

 とりあえず、話に一区切りがついたわけだから。


 次回は、以前にも少し触れたと思うが、会計の世界(期間損益計算)と現実
の世界(収支計算)とが別世界であること。そして、別世界であるのにその二
つが「密接に関連」していること。つまり、期間損益計算と現実のキャッシュ
・フローが別世界にありながらどの様に関連しているのか、ということの理解
(第2講第5講参照)を前提に現行企業会計における貸借対照表の存在意義を再
度みてみたいと思う。

 当mailmagazineを読むまで、巷の簿記学校で簿記3級を勉強した時点で、本
来別世界の二つの世界が同じ世界であるかのような説明を受けて以来、読者諸
君はこの二つの世界が別世界であることを知らなかった。

 それが故に、現行制度会計のフレームワークが理解できなかったのであり、
そのフレームワークにおける動態論の貸借対照表の本質的な意味が理解できて
いなかったのである。

 そう、二つの世界が別世界であることが分かれば、現行企業会計における貸
借対照表(動態論の貸借対照表、つまり、動的貸借対照表)の存在意義が分か
るのだ。


 そこで次回は、それらのこと第2講第5講の理解を前提に、発生主義に
よる期間損益計算がどのような論理によって担保されているのかを観察してみ
たいと思うのである。

 現行企業会計は「動態論の計算構造」なんかではない、と狂信している諸君
は心して読んで欲しい。

 勿論、読むも読まぬも自由である。自分で読む意思がなければ私の
mailmagazineなど意味もない。どのみち、読んでも理解などできるはずもない
からである。


 ともあれ、とりあえずは、何を言いたいのか興味がある諸君は必読である。

 次回で現行企業会計の基本的構造の論理的体系が一通り出来上がるからであ
る。





 本来会計学の勉強は面白いものである。たとえ、それが受験勉強であっても
である。

 財務諸表論の勉強が辛いと思っている諸君には、ご愁傷様といっておこう。



 では次回にまた。






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◇◇◇今回の問題◇◇◇

◇《問題》◇ =============== =============== =================== ===

 現行の企業会計を支える理論的構造は、上部構造、中間構造および下部構造
の三つから成り立っており、下部構造は、企業会計の基礎構造を示す枠組みと
その基本的な目標または命題を示すものであって、一般に会計公準といわれま
す。また、この会計公準は、特に会計原則形成のための基礎的前提としてその
理論的な意義をもっているものです。

 以上を踏まえて以下の問に答えなさい。

問1
 一般に三大公準として、(1)企業実体の公準、(2)継続企業の公準、(3)貨幣的
測定の公準が挙げられます。これらの内容を説明しなさい。

問2
 企業実体の公準にいう企業実体という概念は、企業会計上はどのように捉え
られているか説明しなさい。

問3
 今日の企業会計における真実性が相対的なものである根拠の一つは、継続企
業の公準を前提とすることによるといわれます。これについて説明しなさい。

問4
 貨幣価値の変動があった場合、貨幣単位は統一的な測定尺度としての機能が
否定される、といわれることがあります。これは、貨幣的測定の公準を否定す
ることを意味するのかどうか説明しなさい。





 〜問題について〜

○上記の問題は、今回の講義内容からすれば、直結した問題というわけではな
い。今回の講義内容が直接本試験に出題される可能性はほとんどないと言って
もよい。ただし、それらの内容の理解は会計学の全体系を理解していく上で不
可欠な要因である。

 そのことは、今回の講義内容を読んだ諸君自身が既に感じているはずである。

 今回の問題は、現行企業会計の実践規範としての土台である公準の理解を問
うものである。諸君自身で解答できるものと解答できないものを正しく判別し、
勉強に役立てて欲しい。

 いずれ公準についても触れる機会もあるはずである。




 ・解答行数:上記各問題文末参照。

 ・満点  問1:45点。
      問2:15点。
      問3:20点。
      問4:20点。
      
      以上合計:100点。


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 解答・解説(一部または全部)は次回のメールマガジンにおいて掲載する予
定です。
 また、次回メールマガジンの発行日の翌日以降、当アカデミーの『HBAメ
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□ 雑 感 □===========================

 前信と本信では、簿記を知っていることと会計学を知っていることとの違い
を諸君に理解して欲しいとの趣旨も含めて話をした。

 簿記を知って会計学を知っているかのごとき認識は、受験界のみならず世間
一般に蔓延る大誤解である。


 そこで、ダメ押しのように、ここで、簿記を知っていても会計学を知らない、
つまりは、簿記を知っていても監査の現場では無力であることをいま一度思い
知ってもらうために、一つの問題を提示しておきたいと思う。

 ここで、それを提示するのはチトもったいない気もするが、しばらく無断で
休眠し、読者諸君にご迷惑をかけた償いの意味もあり、何よりも読者諸君のた
めである。

 問題は、棚卸資産と固定資産(償却資産)を対比的に取り上げてその特質を
問うものである。

 はじめに言っておくが、この問題に完全に解答できる受験生は「いない」。
巷の受験学校の講師もまた同様である。

 特に問2の固定資産に関しては無力であろう。

 ここに、簿記を知ってることと会計学を知っていることの差か現れている。


 勿論、本文での出題ではないこともあり、「解答」は原則として掲載しない。

 試験に合格して監査の現場にいって初めて分かるのもイイかもしれないと思
うのである。

 自分なりに解答を暖めておいて欲しい。

 気が向けば解答を掲載するかもしれない。



 問題は下記のようである。

問題

 今日の企業会計において、貸借対照表項目たる棚卸資産と有形固定資産は、
ともに支出・未費用項目として共通性を有しています。両者はともに、取得原
価に基づき費用配分手続によって算定された費用額が当期の損益計算上に計上
されるとともに、基本的にはその費用額を差引いた残額が貸借対照表価額とさ
れます。

 そこで、これらの資産に関して、その費用化のプロセスや貸借対照表価額の
決定について以下の問に答えなさい。
(注)ただし、商業を前提に上記の資産を考えること。

問1
 棚卸資産と有形固定資産の費用化の手続は、それぞれの属性によって異なり
ます。どのように異なるのか、その属性を踏まえて説明しなさい。その場合、
収益との対応関係についても言及しなさい。

問2
 棚卸資産もしくは有形固定資産の取得原価からの費用化額を差引いた残額に
ついては、決算期末において何らかの追加的な手続を実施することにより、資
産としての実在性の観点から貸借対照表価額としての妥当性が検討され、必要
な場合には、その修正がおこなわれます。そこで、これらの資産についての実
在性の確認がどのように行われ、その結果として、それぞれどのような修正が
必要となるのか説明しなさい。

問3
 棚卸資産もしくは有形固定資産に関する費用化額を、損益計算上へ計上する
ことによって回収された投下資本の財務的効果について、どのような違いがあ
るか説明しなさい。

問4
 問3の項目が、損益計算書上に計上される項目として共通する特質を二つ挙
げて説明しなさい。



 いかがであろうか。考えることが「勉強」である。

 是非悩んで欲しい。それが読者諸君のためである。

 念のため記しておくが、巷の受験学校のテキストなどにはその陰すら見あた
らないし、市販の学者と称する者の著作の本などにも載ってはいない。

 そんな安っぽい問題ではないのだ。一定の論理の流れの中で、整合的に問題
点を抽出して問うている。会計士試験のレベルにありながら、簿記の知識では
どうにもならず、受験勉強とはいえ、会計学を正しく勉強したものだけが解答
可能な問題なのである。

 勿論、私の作問である。

 願わくば本試験もこうあって欲しいものである。


 無駄を省くための親心としての忠告しておくが、努々参考書探しなどをして
答えを“見つけよう”などという無意味なことはしないことである。自分で知
恵を振り絞って考えるのである。

 たとえ、答えに到達することができなかったとしても、熱を出す程に考える
プロセスが重要である。その事が、いずれ会計学を勉強しようとする意欲へと
繋がるからである。



 なにやら、今回は、本文もここも会計学一色になってしまった。

 頭休めにもうちょっと気楽な話を期待した読者諸君には残念なことである。


 ただ、たまにはこういうのも良いではないか、と思うのである。




 では。



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暗記を強要される受験勉強って間違っている。HBAでは公認会計士試験の早
期合格を目指す諸君に、本質的な講義内容を提供します。当メルマガの有意義
な問題にチャレンジして、早期合格を目指しましょう。