【HBA王道セミナー】すべての理解は基礎理論の理解にあり!!基礎理論の
理解無しに応用など存在しない。




                             2007.4.29発行
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 これだけは伝えておきたい。
 暗記だけでは、本当の勉強はできない。
 具体的にいえば、早期合格はできない。

 たとえば講師に“本質的な実力”が伴っていなかったとしたら、
 果たしてどういう授業風景となるか。
 そう、“本質的な説明”ができない。
 ではどうするか。もうおわかりだろう。彼は諸君に『暗記』を強要すること
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 当アカデミーでは、そういった受験業界の風潮を打破したい。
 このメールマガジンでは、Q&A形式で諸君を応援する。
 まずは基礎。
 基礎を固めるため、ぜひ当アカデミーの問題に挑戦してもらいたい。
 
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 本質的な4つの提案
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 当アカデミーでは、受験生諸君に以下の4点を提案したい。

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《第17講》「損益計算論の基本的な確認事項!!」
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◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

 今回からいよいよ損益計算論へと入ることになる。

 その前に、前信の若干の訂正とお詫び。

 前信は《第16講》であったのだが、どうやら《第15講》となっていたらしい。
お詫びして、ここで訂正させて頂きたいと思う。

 また、原稿ではまったく問題がなかった(発行前後確認済み)のだが、何故
か「まぐまぐ」の当mailの掲載ページでは、「〜」の部分が「?」へと文字化
け?していたようです。

 皆さんに配信されたもの(テスト配信で私が自信で受信したものは問題が無
かったことが確認されています)は、いかがだったでしょうか?

 もし、文字化けしていたようでしたら、お詫びします。

 内容の理解に支障はないものの、何か意味深のようで誤解される可能性がま
ったく無いともいえず、ここで重ねてお詫びして訂正する次第です。

 発行に際しては今後も十分注意するつもりですが、後者の文字化けについて
は、現状で、私が対処できる可能性は低いと思うので、その旨ご了解頂きたい。



 では、改めて損益計算論に入ることにしよう。

 そこで、損益計算論に入るに際して、まずは確認しておきたいことがある。

 損益会計は、企業活動およびこれに関連する事象によって生じた損益を期間
的に記録・測定・報告する会計領域であり、制度的には、基本的に企業の経営
成績(証取法)ならびに配当等のための分配可能利益(会社法)を算定・報告
することを目的とする。

 このような損益会計を構成する収益項目と費用項目は、資本の増加または減
少の原因(資本の増加または減少そのものを意味する事象ではない、それら増
減の「原因」たる事象である。くれぐれもこのことに注意されたい。なお、こ
こでの増減は、増資や減資などによる直接的な資本の増減および利益処分によ
る増減を除く)を指しており、しかも、この増加または減少は資産または負債
の増減によって生ずるものであるから、結局、損益会計は資産および負債の増
減を扱う資産・負債会計と密接な関係にあるということがいえる。

 と説明してくると、『それら増減の「原因」たる事象』という部分を除いて
は、“うん、うん、そう、そう”と、納得する諸君がほとんどであろうか?


 そう、簿記の得意な読者諸君のほとんどは、「損益会計は資産および負債の
増減を扱う資産・負債会計と密接な関係にある」という部分を読んで、簿記の
トライアルバランスを素直に思い浮かべ、“うん、うん、そう、そう”と納得
したのではないだろうか?


 ましてや、巷の簿記のテキストなどにある決算整理後のトライアルバランス
を上下に二分して、その上の部分が貸借対照表、下の部分が損益計算書、など
という滑稽な説明を信じているのであろう諸君ならば尚更ではないだろうか?


 確かに、資本の増減は資産・負債の増減によって生ずる結果である。

 がしかし、直接的に結びついているのは、資本会計と損益会計なのである。
資産・負債会計が、その媒介を果たすものであるということはほとんどの諸君
が知らない。

 諸君は、この点に十分注意する必要がある。

 資本を増減する活動は直接的には、損益会計に表れるのであり、その活動の
結果として資産・負債の増減が生じることになる。

 つまり、資本投下の目的が損益計算(成果たる利益の獲得)にあるというこ
とであり、その結果が資産・負債の増減として具現する。

 勿論、上記にもあるように、資本の増減を具体的に表すのは、資産・負債の
増減である。しかし、その資産・負債の増減の原因となる事象は損益会計上で
生じるのである。

 ただし、このことは、前信で触れた、会計上、費用・収益アプローチを採る
か、資産・負債アプローチを採るか、ということとは別次元の問題である。

 企業活動は利益を得ることを目的として行われるものである。つまり、資本
の投下は利益の獲得のために行われるものであり、直接的に資産の増加を目的
とする訳ではない。

 目的活動の具体的な結果が資産等として具現するのである。

 この点を十分に頭に入れておかなければならない。



 では、早速、費用と収益を定義してみよう。

 収益とは、増資その他の直接的な資本の増加取引(資本取引)以外によって
資本(純資産)を増加させる原因となる事実であり、

 費用とは、減資その他の直接的な資本の減少取引(資本取引)および利益処
分以外によって資本を減少させる原因となる事実である。

 このように、損益会計を構成する収益と費用の概念は、資本の増減の原因と
なる事実を表す抽象的・名目的な概念である。

 このような資本の増減が具体的には資産および負債の増減として現れ、実在
資産の動きとして捉えられることになる。



 さて、企業会計原則にあるように、損益計算書の機能は、一義的には企業の
経営成績としての業績表示利益を算定することである。

 ここでいう経営成績とは、企業の経営活動における努力に対する成果であり、
企業の一会計期間の経営努力としての財貨・役務の費消とその努力の結果とし
ての成果、すなわち経営努力としての費用とその努力によって獲得された収益
との対応計算によって、利益として表される。

 それは本質的には企業の正常な収益力を表すべきものであるから、したがっ
て、それは基本的には業績表示利益として捉えられることになる。


 しかしながら、現行の企業会計が現実の企業を対象とすることから、そこで
の利益計算の基礎は収支計算(このことは何度も指摘してきている)にあり、
したがって、投下資本の期間的な回収余剰としての利益の計算が前提とされる
こともまた事実なのである。

 そのことから、諸君も承知のように、その計算要素から業績表示利益を表す
経常利益の計算の後に、当期に発生ないし確認された臨時損益もしくは過年度
損益修正項目を計算要素とする特別損益項目を加減算して、時点的な意味での
分配可能利益を算定表示することが現行企業会計上要請されることになる。

 ※注:分配可能利益は時点的な概念である。その時点で、分配可能な利益が
    どれだけあるかということが分配可能利益の本質であり、どのように
    して獲得されたかは問題ではない。
    これに対して、業績表示利益は、期間的な概念であり、その期間にお
    いて、利益がどのようにして獲得されたか、つまり、利益の獲得源泉
    がどのようであるのかということがその本質である。


 このことから、現行企業会計上の損益計算書は包括主義(的)損益計算書の
形態をとることになっている、というわけである。

 勿論、これは表面的な説明であり、その本質は収益の認識に係る「実現主義
」の適用にあるのである。

 がしかし、既に指摘したように「実現主義」の原則の真意は、損益計算論を
学習しただけでは、その本質的な意義は理解できないのである。

 「実現主義」の適用要件を暗記しただけで、「実現主義」を“知っている”
ツモリの諸君は、「実現主義」は、収益の認識基準であるのに、損益計算論だ
けではその真意は理解できないなんて、と思うかもしれない。

 勿論、上記のことは、前信で指摘したように、巷の受験学校での説明のよう
に、“実現主義と取得原価主義は表裏一体となって、未実現利益を排除してい
るのです”、な〜んていう滑稽な意味ではない。

 という訳だから、諸君は、「実現主義」の本質的理解は貸借対照評論を学習
するまで暫し待たなければならないわけだが、損益計算論で学んでおかなけれ
ばならないことも勿論あるから、それをしっかりと学習し、貸借対照評論での
学習と結びつけなくてはならない。



 そこで、上記(現行企業会計上の損益計算書は包括主義(的)損益計算書の
形態をとるということ)のことから、損益計算書が最終的に何を表示すべきも
のであるのか?という基本的な内容についてここで見ておくことにしよう。


 つまり、当期業績主義と包括主義という話である。

 諸君にとってこのことは、“あ〜、あれね”という程度のものであろうか?


 では、確認してほしい。

 (1) 当期業績主義

 当期業績主義とは、損益計算書は企業の当期の正常な収益力を算定・表示す
べきものであるとする考え方であり、したがって、当期の企業の本来的な経営
活動およびその本来的な経営活動に付随しまたは補助する活動で経常的・反復
的な損益項目のみをその構成要素とするのである。

 したがって、この考え方のもとにおいては、上記項目以外の項目は当期の経
営成績の算定から除外されることになり、この場合の損益計算書は、企業の正
常な収益力を算定・表示するものとして捉えられ、したがって、そこで示され
る当期純利益は業績表示利益を意味することになる。


 (2) 包括主義

 包括主義とは、損益計算書は企業の当期の分配可能な利益を算定・表示すべ
きものであるとする考え方であり、したがって、企業における本来的な経営活
動およびその本来的経営活動に付随しまたは補助する活動で経常的・反復的な
損益項目だけでなく、本来的経営活動ないし付随的活動に関係しない臨時的な
損益項目や過年度の損益修正項目をも含めて、当期に発生もしくは確認したす
べての損益項目をその構成要素とするのである。

 したがって、この考え方のもとにおける損益計算書は、企業の当期の分配可
能な利益を算定・表示するものとして捉えられ、したがって、そこで示される
当期純利益は分配可能利益を意味することになる。



 さて、上記で十分注意しなければならないことがある。

 上記(1)および(2)の上段の部分、つまり、当期業績主義および包括主義を定
義するフレーズである。


 巷の受験学校に通う諸君の場合、当期業績主義、包括主義を説明しなさい、
という問題を出すと、その解答は必ず下記のようになる。

 “当期業績主義とは、損益計算書は、当期の企業の本来的な経営活動および
その本来的な経営活動に付随しまたは補助する活動で経常的・反復的な損益項
目のみをその構成要素とすることによって、企業の当期の正常な収益力を算定
・表示するものであるとする考え方である。”

 “包括主義とは、損益計算書は、企業における本来的な経営活動およびその
本来的経営活動に付随しまたは補助する活動で経常的・反復的な損益項目だけ
でなく、本来的経営活動ないし付随的活動に関係しない臨時的な損益項目や過
年度の損益修正項目をも含めて、当期に発生もしくは確認したすべての損益項
目をその構成要素とすることによって、企業の当期の分配可能な利益を算定・
表示するものであるとする考え方である。


 私が示した内容と上記の“ ”の内容とをよく比べてほしい。

 中に含まれるフレーズはほとんど同じであることに気がつくはずである。

 がしかし、そのフレーズの並び方がまったく逆であることにも気がつくはず
である。


 そう、両者は似て非なるものなのである。

 つまり、答案として見るならば、私の内容は勿論100点満点であるのに対し
て、上記の“ ”の内容を解答として書くならば、0点である。下記について、
何点かもらえるような余地はまったく無い。

 何故そのような差が両者に生じるのか、諸君には理解できないはずである。


 私のものをもう一度良く読んでほしい。

 「当期業績主義とは、損益計算書は企業の当期の正常な収益力を算定・表示
すべきものであるとする考え方であり、したがって、当期の企業の本来的な経
営活動およびその本来的な経営活動に付随しまたは補助する活動で経常的・反
復的な損益項目のみをその構成要素とするのである。」

 ここでは、当期業績主義とは、「損益計算書は企業の当期の正常な収益力を
算定・表示すべきものであるとする考え方」であると定義している。

 だから、そのような考え方に従った場合、その実践方法として損益計算書は、
「当期の企業の本来的な経営活動およびその本来的な経営活動に付随しまたは
補助する活動で経常的・反復的な損益項目のみをその構成要素とする」ことに
なる、と説明している。


 これに対して、巷の受験学校等の模範解答に見られる“ ”の方の内容は、
状況の説明でしかない。

 損益計算書は、“当期の企業の本来的な経営活動およびその本来的な経営活
動に付随しまたは補助する活動で経常的・反復的な損益項目のみをその構成要
素”として“企業の当期の正常な収益力を算定・表示するもの”である、と。

 つまり、

 定義(当期業績主義の考え方)とその手段がまったく逆なのだ。

 まず、初めに定義(考え方)があって、それを実践するための手段が存在す
るべきものである。

 “ ”で示したよく見る巷の“解答”たるの内容は、手段を前提に定義(考
え方)が示されるのである。

 これは、もはや「論理」の次元ではないのだ。

 だから、フレーズ的には、同じようなものを使って文章を作っていても、私
のものは、「論理」的に定義・説明されているのに対して、巷のは論理などで
はなく、ただの「状況」の説明でしかないのだ。

 つまり、雑談でならば話の流れの中で何とか許されても、理論的な解答を求
められる場面では、「理論」としては認められないため、0点となるのである。


 これは、理論を正統に学習しなければ身に付かないものなのだ。

 HBAの学習は、そこが決定的に違うのである。論理を正しく学ぶというス
タンスで会員は学習するのである。

 当然、学習の過程(答練を通しての是正措置を含む)を通して、知らずのう
ちに正しい解答が書けるノウハウを身につけていってしまうのである。

 この差は、決定的に大きい。特に論述式試験では合否を決める決定的な差と
なるのである。

 方や、100点を取れる可能性が大であり、方や、どのように書いても0点なの
だから、これは明らかである。

 巷の受験学校が言う“書き賃”などといった戯言など「理論」試験には通用
しない。


 諸君は、真実と虚偽とをしっかりと見極めるべきではないだろうか?

 それとも、巷での戯言を信じて、あくせくと電卓をたたいて、簿記等の計算
科目で高得点を取ることしか今でも頭にないのであろうか?

 それは、早期合格を妨げる要因であることも知らなければならない。



 さて、である。

 現行企業会計上では、包括主義の考え方に基づいた損益計算書が採用されて
いることは諸君も承知であろう。

 昭和49年修正前の「企業会計原則」では、当期業績主義の考え方に基づいた
損益計算書が採用されていた。

 これは、当該期間の正常収益力を反映する利益を源泉的に表示した損益計算
書であり、期間損益つまり期間的な経営成績を示す収益と費用とを対応表示し
た計算書である。

 ただし、そうは言っても、その時制度として実践されていた損益計算書は、
いかに当期業績主義の考え方に基づいていたとしても、当時の商法(現行会社
法でも同様)の分配可能利益の計算要請に基づく収益に対する実現主義の制約
の存在から、純粋な当期業績主義とはならず、したがって、基本的には当期業
績主義の考え方に基づくという意味で「当期業績主義的損益計算書」というこ
とになる。

 同様に包括主義による場合も同様である。

 したがって、現行企業会計における損益計算書は、同様の理由から、「包括
主義的損益計算書」というべきものなのである。



 さて、次はその損益計算書上で上記で定義した費用・収益による業績利益の
計算をどのように行うかということである。

 期間損益計算は、費用(努力)と収益(成果)の対応計算であることは諸君
もよく承知のはずであろう。

 つまり、費用収益対応の原則に基づく対応計算である。


 が、既にだいぶ長くなってしまった。これについては次回ということにしよ
うと思う。




 では、また。








◇ =============== =============== ============= =================

◇ =============== =============== ============= =================

◇◇◇今回の問題◇◇◇

問題

 現行の「企業会計原則」損益計算書原則一では、「損益計算書は、企業の経
営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応す
るすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目
を加減して当期純利益を表示しなければならない」とされています。
 しかし、昭和49年改訂前の「企業会計原則」損益計算書原則一では、「損益
計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に発生したすべて
の収益とこれに対応するすべての費用とを記載し、当期純利益を表示しなけれ
ばならない」とされていました。これを踏まえて、以下の各問に答えなさい。

問1
 現行の「企業会計原則」と昭和49年改訂前の「企業会計原則」とでは、損益
計算書が最終的に表示すべき「当期純利益」の捉え方が根本的に異なっている
と考えられます。
 それぞれの根底にある考え方について簡潔に説明しなさい。
(考え方それぞれにつき6行と7行)

問2
 現行の「企業会計原則」損益計算書原則一の文言の意味する内容を、問1の
2つの考え方を踏まえて説明しなさい。(12行)

問3
 現行の「企業会計原則」で、当期純利益の計算要素とされる特別損益項目は
どのような性格の項目ですか、期間損益計算との関係に留意して説明しなさい。
(10行)






 〜問題に関する確認項目〜

○当期業績主義と包括主義を論理的に正しく説明できるか?
○制度的に要請される分配可能利益の計算を前提にした上で、業績表示利益を
現行企業会計上ではどのように開示しているのかを正しく説明できるか?
○本問の解答にあたっては、当期業績主義を前提にしなければならない。包括
主義を前提に解答を書くなら、0点である。その意味が理解できるか?







・解答行数:上記各問題文末参照。

 ・満点  問1:各20点×2=40点
      問2:40点
      問3:20点
      
      以上合計:100点。









◇ =============== =============== ============= =================




 解答・解説(一部または全部)は次回のメールマガジンにおいて掲載する予
定です。
 また、次回メールマガジンの発行日の翌日以降、当アカデミーの『HBAメ
ールマガジン』のコーナーにも解説を掲載します。
 
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◇ =============== =============== ============= =================





◆◆◆前回の問題の解答・解説◆◆◆

◆◆◆◆◆ =============== =============== =================== ===

問題

 「企業会計原則」貸借対照表原則一では、「貸借対照表は、企業の財政状態
を明らかにするため、貸借対照表日におけるすべての資産、負債及び資本を記
載し、株主、債権者その他の利害関係者にこれを正しく表示するものでなけれ
ばならない」とされています。
 しかしながら、貸借対照表において表示される「財政状態」の実質的内容は、
貸借対照表の本質をどのように理解するかによって異なってくると考えられま
す。
 そこで、これに関連して、以下の各問に答えなさい。

問1
 貸借対照表の本質をどのように理解するかについて、大別して、(1)静的貸
借対照表観と(2)動的貸借対照表観が挙げられます。それぞれについて簡潔に
説明し、そこでの財政状態はどのように捉えられるかを明らかにしなさい。
((1)4行 (2)4行)

問2
 問1にいう二つの貸借対照表観は、それぞれいかなる会計環境を前提にして
出てきた貸借対照表観かを説明しなさい。
((1)6行 (2)7行)

問3
 現行の制度会計においては、問1にいうこの二つの貸借対照表観のうち、い
ずれを前提としているか指摘しなさい。また、ここであなたが指摘した貸借対
照表観を前提とした場合、上記、貸借対照表原則一における「すべての資産・
負債」とは、いかなるものと解されることになるか説明しなさい。ただし、簿
外資産・簿外負債については触れないこと。
(12行)

問4
 あなたが問3で指摘したものとは異なる貸借対照表観を前提とした場合、そ
こでの資産・負債は、どのようなものと解されることになるか説明しなさい。
(9行)




 〜問題に関する確認項目〜

●貸借対照表が表現する「財政状態」は、会計が実践される環境によって異な
る。つまり、どのような会計環境において、どのような情報が要求されるのか
を前提として、そこでの貸借対照表が表現する財政状態の内容が決まることに
なる。このことを正しく理解しているか?
●動的貸借対照表観を前提とした場合には、貸借対照表の第一義的機能は期間
損益計算の連結環たる機能である。このことを踏まえれば、貸借対照表原則一
における「すべての資産、負債」は、本質的には期間損益計算を基盤として理
解されることになる。つまり、費用・収益アプローチだということである。
●静的貸借対照表観を前提とした場合、貸借対照表における「すべての資産、
負債」が何を意味するのかは、諸君にとって想像し難いことなのかもしれない。
簿記で損益計算を主体としたトライアルバランス(T/B)が頭にあるだけで、
簿記の問題を解く都合上は、貸借対照表項目は損益項目の“ただの残り”とい
う観念が強いためであろう。
 時価評価だ、時価主義だ、企業価値だというのなら、先に本問の内容をチェ
ックすべきではないだろうか?







・解答行数:上記各問題文末参照。

 ・満点  問1:各10点×2=20点
      問2:各15点×2=30点
      問3:25点
      問4:25点
      
      以上合計:100点。



◆【解 答】◆◆=============== =============== ============ ==========

問1
(1)静的貸借対照表観においては、貸借対照表の本質を、一定時点における企
業の債務弁済能力の表示のための、財産価値に基づく財産状態の表示機能に求
める。したがって、そこでの財政状態は、一定時点における企業資本の現在価
値に基づく財産状態の表示として捉えることができる。(10点)

(2)動的貸借対照表観においては、貸借対照表の本質を、継続企業を前提とし
た期間損益計算の手段としての機能に求める。したがって、そこでの財政状態
は、継続企業の収益力の算定・表示を課題とする期間損益計算のしくみを通し
た上での、企業資本の表示として捉えることができる。(10点)

問2
(1)静的貸借対照表観:
 企業の経済基盤が未成熟で、継続企業の前提が現実に対して適合性をもたな
い段階では、利害関係者の関心の的が債権者としてのものであり、会計報告の
基本的目的そのものが、利益計算よりもむしろ財産状態の表示に置かれていた。
それは、そこでの債権者としての関心の的が、純財産増加額としての利益では
なく、債務弁済能力の表示という視点から算定される純資産額自体にあるから
である。(15点)

(2)動的貸借対照表観:
 企業の経済基盤が確立し、継続企業の前提とされる段階では、利害関係者の
関心の的が投資家としてのものとなり、会計報告の基本目的は、企業の収益力
の算定・表示に置かれることになる。これを反映して、貸借対照表の役割は、
期間損益計算の手段としての機能が第一義的なものとされることになる。それ
は、そこでの投資家としての関心の的が、投資意思決定情報としての正常な収
益力を反映した業績表示利益の算定・表示にあるからである。(15点)

問3
 動的貸借対照表観
 現行の制度会計のもとでは、動的貸借対照表観を前提にしているので、貸借
対照表原則一における「すべての資産、負債」は、本質的には期間損益計算を
基盤として理解されるべきものである。そのために、資産としては、将来の収
益力要因とみなしうる企業資本の運用形態のすべてが計上されることになり、
貨幣・債権・棚卸資産・固定資産等のような有形・無形の個別的な財産価値が
認められる資本運用形態はもとより、繰延資産のように、それ自体に個別的な
財産価値は認められなくても、将来の収益獲得によって回収が期待される資本
の投下額は、会計上の資産として認識される。
 また、負債は、買掛金や借入金等の法的確定債務に限らず、将来支出の原因
事実が当期に発生している場合に計上される未確定負債、つまり負債性引当金
が含まれることになる。(25点)

問4
 静的貸借対照表観のもとでは、債務弁済能力の表示のための財産状態の表示
を貸借対照表の第一義的な機能として理解するために、資産は、売却可能な有
形あるいは無形の財貨または権利を意味するものとして捉えられる。したがっ
て、資産としては、個別的な譲渡性ないし換金性の意味での財産価値、すなわ
ち売却時価を前提とする財産価値の存在が基本的な認識条件をなすことになる。
 また、負債は、いわばマイナスの財産であり、具体的には法的確定債務を意
味し、期日が到来したときには、返済しなければならない義務あるいは財の引
渡や役務の提供の義務と考えられる。(25点)








 
◆【解 説】◆◆◆ =============== =============== ============ =======

【出題の趣旨】
 一般的に言えば、貸借対照表は、一定時点における企業の財政状態つまり企
業資本の現状を、その具体的な存在形態(運用形態)と源泉形態(持分形態)
との、二つの側面から把握・表示した一覧表である。

 しかし、貸借対照表に表示される財政状態の実質的内容は、会計の全体構造
の中に貸借対照表をどのように位置づけるか、すなわち、貸借対照表の本質・
機能をどのようなものと見るかによって大きく変わってくる。

 その典型的な二つの見方が静的貸借対照表観(静的貸借対照表論)と動的貸
借対照表観(動的貸借対照表論)である。

 静的貸借対照表観と動的貸借対照表観とでは、貸借対照表の本質についての
理解、会計構造の組立てが異なってくる。本問で、貸借対照表に表示される財
政状態について、しっかり整理することによって、会計構造に関する知識を深
めることができる。



【解説】

問1
 本問では、静的貸借対照表観もしくは動的貸借対照表観における貸借対照表
の本質をどのように理解するかについて、しっかり両者を対比しながら説明す
ることが必要である。

 したがって、静的貸借対照表観においては、貸借対照表は債務弁済能力を表
示するものとして捉えられ、動的貸借対照表観においては、貸借対照表は収益
力の算定・表示を目的とする期間損益計算との関連で捉えられることを踏まえ
て解答するのがポイントである。

問2
 ここでは、問1における静的貸借対照表観と動的貸借対照表観が出現する前
提となった会計環境を問うている。

 ここでのポイントは、それぞれの会計環境における企業の資本運動がどのよ
うなものであったのか、ということと、そこでの会計情報の利用者がどのよう
な人達で、どのような関心(情報要求)を持っていたかということを明示的に
書くことである。

問3
 現行の制度会計が動的貸借対照表観を前提としていることは周知のことであ
る。
 したがって、貸借対照表原則一における「すべての資産、負債」は、動的貸
借対照表において、すなわち収益力の算定を目的とする期間損益計算との関連
において捉えることになる「すべての資産・負債」でなければならない。

 この観点から、資産は「将来の収益力要因」として捉えられることに着目す
ることがポイントである。

 したがって、具体的な説明において、換金価値は認められないが、収益力要
因として貸借対照表能力が認められる繰延資産について触れることが解答上必
要である。

 また、負債についても、法的債務の指摘は当然であり、会計的負債としての
負債性引当金を指摘することを忘れてはならない。

問4
 静的貸借対照表は、問1で述べているように債務弁済能力を表示するものと
して捉えられるから、そこでの資産は換金価値をもったものに限定されること
になる。

 勿論ここでは、清算が前提であるから、この換金価値(財産価値)は売却価
値として捉えられることにも注意して解答しなければならない。

 したがって、負債もその債務弁済能力の観点から捉えられるものであり、法
的確定債務に限定されることに注意する必要がある。








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□ 雑 感 □===========================

◎今年は、私にとって風邪の当たり年なのであろうか?

 まったく自身呆れている次第である。

 今回は、症状からしてどうやらインフルエンザのようである。

 拳銃で頭を後頭部から撃ち抜かれたような激しい頭痛、右目をえぐられるよ
うな痛み、そして、激しい関節の痛み、といった具合である。

 右目は、PCの影響か、ここ数年は風邪を引くと必ず痛くなるのだが、頭痛
は今までまったく無かった。


 明け方の突然の寒気に始まって、上記の諸処の症状が次々と発して、しばら
くは立っていられずにソファーに座り込んでしまう。


 前にも記したように、医者・病院は嫌いである。

 がしかし、通常の風邪ならばともかく、今回はインフルエンザの可能性が高
いのである。

 何とか、医者に行かなければ、と思いつつ、とりあえずポタージュのスープ
を飲んで風邪薬を飲むことにした。


 勿論、何も食べたくない。

 が、何も食べずに風邪薬を飲めば、胃に悪いことは必定である。


 しかし、ポタージュ一杯を作るのがまったく困難である。

 頭痛が酷くて立って歩くことができないのだ。

 関節もギンギンに痛む。


 しょうがない、こういう時は、痛みの意識を他に分散させるとしばらくは何
とかなるものである。

 左手でこめかみをぎゅっと押さえつけて、キッチンまでよたよたと歩いてい
った。

 そこで、素早く(といっても実際は、こういう時は何でも手際が悪い)、カ
ップにポタージュスープを入れ、暖める(冷たいものは勿論ぜ〜んぜん口にす
ることなどてきない)。

 それを、そそくさと飲んで、とりあえず、薬を一服。

 ベットまで這うようにして戻り、横になる。


 横になると頭痛が津波のように襲ってきた。

 こりゃ〜ダメだ!!と観念したが、医者に行くことなど及びもつかない。


 しょうがない、とりあえず寝ることにした。


 酷い症状は約3〜4日で収まったが、結局医者には行かずにいたため、1週間
ほど病んでしまった。


 読者諸君には、インフルエンザの場合は直ぐに医者へ行くことをお勧めする。



 では。









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