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《第18講》「現行企業会計の損益計算書の示す利益って何?! その1」
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◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

 損益計算論に入って第2回目である。


 前信では、現行企業会計におる損益計算書は、基本的には業績利益の算定・
表示をすることが第一義的であること、そして、そのためには、「当期業績主
義」の損益計算書が適合性を持つこと。

 しかし、現行企業会計の実践上の制約(会社法による配当利益算定の要請)
から、「包括主義」の損益計算書を採用することの合理性が主張されているこ
と、勿論、そこでは収益の認識に係る「実現主義の原則」の適用という制約が
あること(ただし、「実現主義」の中身についてこれからである)、などを確
認した。


 そう、現行企業会計における損益計算書は、「包括主義」の損益計算書を採
用しているのである。

 このことは、諸君は十分に確認しておいてほしい。

 現行企業会計における損益計算書が、包括主義だということは“常識じゃな
いか、今更何でそんなことを確認しなくちゃならないんだ?”という諸君は、
損益計算論の基本を正しく理解してはいない。

 だからこそ、ここで「現行企業会計における損益計算書は、包括主義(的)
損益計算書だということを確認しておいてほしい」というのである。


 既に何度か指摘しているように、論理はそのプロセスが重要であり、しかも
そのプロセスにおいて線香の煙が真っ直ぐに立ち上るように議論できることが
会計学の命である。

 結末が同じだから、それでよいというわけではない。

 デタラメのルートを辿っていって結末が偶然同じだったとしても、それでは
論理の理解はゼロである。


 以前も記したが、コーヒーがまず存在し、それにミルクや砂糖を混ぜてミル
クコーヒーというものになるのであって、ミルクと砂糖を混ぜてあるところに
“コーヒー”を混ぜても同じミルクコーヒーというわけではないのだ。

 いや、単なるミルクコーヒーをつくって飲むだけならばそれでも良いかもし
れないが、理論はそうはいかない。



 さて、そこで今回は、その損益計算書上において、前信で定義した費用・収
益による業績利益の計算をどのように行うかということである。

 期間損益計算は、費用(努力)と収益(成果)の対応計算であることは諸君
もよく承知のはずであろう。

 つまり、費用収益対応の原則に基づく対応計算である。


 費用収益対応の原則とは、適正な期間損益計算を行うために、一会計期間の
費用と収益とが同一期間の企業努力とその成果の対応関係、すなわち因果関係
を捉えて対応計算され、期間利益が算定されることを要請する原則である。

 そもそも企業は、経済的合理性を追求する経済組織体であり、それは、最小
の経済的犠牲によって最大の経済的効果を得ることをその活動目的とするもの
である。

 費用収益対応の原則とは、このような企業の活動の本質を捉えて、その企業
努力(価値犠牲)と企業成果(価値の獲得)を、期間損益計算上の概念である
費用と収益という形で把握し、それらを期間的に対応させることによって、企
業活動の結果としての純成果である期間利益(純利益)を算定することを要請
するものである。


 では、この費用収益対応の原則にいう「対応」の意味について、諸君は正し
く理解しているであろうか?


 ここでの「対応」は、数学的な意味での相関関係を意味しているものではな
く、また金額的に確認または跡付けることができるような因果関係を指してい
るものでもない。

 つまり、売上高(収益)と一定の相関関係を捉えて(例えば、比例的に)売
上原価や減価償却費などの費用額が算定されるものではないのである。

 というと、諸君は反論したくなるのであろうか?

 個別法を採用している場合の売上原価と売上高は一定の相関関係がある、と。

 しかし、それはやはり簿記に毒されているということなのである。


 承知のように、棚卸資産の払出原価の計算は、仮定計算に基づき算定される
(例え、個別法といえども仮定計算である)し、減価償却費の計算も売上高と
の比例関係を捉えて行われるものではなく、ここでの収益と費用の間の因果対
応関係を金額的に確認・立証することは不可能または困難なのである。


 よく巷では、“個別法は、原価の流れと実際の財の流れが一致した払出計算
方法であり、仮定計算ではない”という説明がされるが、誤りである。


 動態論の出現する会計環境を歴史的に理解していれば、そのようなことを言
うはずもないのだが、巷の講師は、簿記の頭しか無い。


 動態論が出現は、遠隔地での情報格差を利用した当座企業としての活動が利
益をもたらさなくなった頃、薄利でも継続的な活動をおこなう方便としての製
造業の出現という会計環境においてである。

 製造業の場合、例えば、同じ液体原料を購入価額毎に異なる容器(例えば、
樽であるとかタンクなど)に保存する。

 この場合、当該原材料には個別法を適用するのである。

 購入価額は異なるが、中身はまったく同じである。製造工程への投入は随時
にどの貯蔵タンクからでも行うことができる。

 しかし、払出計算上は、貯蔵タンク毎の「個別法」なのである。

 この場合、個別法であっても原価の流れと実際の財の流れは一致してはいな
い。実際、両者は異なるのである。

 簿記の、しかも商業を前提にしての頭でしかない者にはこの理解は無い。

 「会計学」は「知らない」のである。


 したがって、「売上高(収益)と一定の相関関係を捉えて売上原価や減価償
却費などの費用額が算定されるものではないし、計上されている訳でもない」
のである。

 つまり、この原則にいう「対応」とは、抽象的・理念的な意味での関連性と
いったものを意味するといわざるを得ないことになる。


 であれば、このことは、ここでの期間損益計算が、資本循環に基づく投下資
本の回収維持計算を前提に、発生主義会計という会計構造によって行われるこ
とによるものであるといえるであろう。


 そもそも収益力とは、最小の経済的犠牲によって最大の経済的効果を得るこ
とをその活動目的とする企業の目的達成能力のことである。

 この経済的合理性を追求する経済組織体としての企業の活動の本質を捉え、
その企業の目的達成能力たる収益力を算定するためには、企業努力(費用)と
企業成果(収益)を、期間的に対応させることによって、純成果を算定すると
いうことが必要となる。

 がしかし、その収益力を算定しようとする場合、実践上で、論理的なレベル
での成果たる収益に努力たる費用を跡づけることはほとんど不可能であり、ま
た、論理的には努力(費用)たるものはすべて成果(収益)に結実しなければ
ならないが、現実の企業活動上では成果(収益)に結実できない犠牲(いわゆ
る損失)も生じる。

 つまり、相対的な対応関係を企業の資本循環上において投下資本の回収維持
計算を前提してに捉えることしかできない、ということである。


 それは、減価償却計算の暫定性を考えれば一番よく分かるはずであろう。

 つまり、現行企業会計上で実践されている費用収益対応計算とは、そして、
それを前提として開示される企業の財務諸表の業績に関する「適正(性)」と
は、その程度のものであると知らなければならないのである。



 前に示した私のオリジナルの図で企業活動とは資本循環であり、それは投下
資本の回収維持計算を前提に成り立つものであることを確認してほしい。


  資本循環図はこちら >>>

  ※Adobe社 PDFファイルです。
   Adobe Readerは下から無料でダウンロードできます。>>>



 商業であれ、製造業であれ、また、ホテルなどの役務提供というサービス業
であれ、銀行であれ、その手段たる活動は表面上の体裁であるが、それを一皮
むけば、企業活動の本質はすべて同じ上図の資本循環である。


 承知のように、現行企業会計は、その計算構造上、発生主義に基づく期間損
益計算を軸として実践される。

 がしかし、その対象たる企業活動は、現実の貨幣経済社会に存在する企業が
行っていることもまた事実である。

 損益計算論を学習する場合にも、理論的構造(フレームワーク)の理解を前
提に、制度としての実践上の問題にアプローチし、そこでの実践上の制約を正
しく理解しなければならない。


 以前、コーヒーにミルクと砂糖を混ぜてミルクコーヒーとして出来上がって
しまったものを(つまり、コーヒーがまず存在し、そこにミルクと砂糖を混ぜ
てミルクコーヒーというものが出来上がったというプロセスの理解無しに)、
“会計学(財務諸表論)”として学習することの危険性を指摘した。

 一見、コーヒーにミルクと砂糖を混ぜても、ミルクと砂糖を混ぜたところに
コーヒーを注いでミルクコーヒーにしても、出来上がったものはどちらもミル
クコーヒーであり、どちらも変わりはないように思えるかもしれない。

 がしかし、理論を学ぶ場合にこれほど危険なことはないのである。

 コーヒーは、単独でコーヒーであって、そのコーヒーたる存在があって初め
て、そのvariationとしてのミルクコーヒー等の存在が生じるものである。

 これが、会計(学)を線香の煙が真っ直ぐ上に立ち上るように議論する、と
いうことの意味だ。

 似て非なるものを“同じ”と認識することしかできないのであれば、それは
もはや理論の学習ではない。


 上記の費用収益の対応原則について、さらに説明を加えるなら、本来、費用
収益対応の原則は、収益が費用を限定するような要請を自身持ってはいない。

 “え、費用収益対応の原則によって、売上高に対応する売上原価というよう
に収益が費用を限定するんじゃないの?”という諸君は、やはり簿記の頭であ
る。

 それは論理的思考ではない。上記のミルクコーヒーを作る本来のプロセスを
知らないということである。


 これには、現行企業会計における収益の原則的な認識基準である実現主義の
原則が作用している。

 この実現主義の原則を正しく理解するのは結構厄介なのだ。

 実現主義の理解は、貸借対照表論において取得原価主義に関しての学習をし
た時点でようやく本質的な理解ができるものである。

 それは、巷での、“実現主義と取得原価主義は表裏の関係で未実現利益を排
除している”などという戯言の意味ではない。

 そのような説明は、現状の企業会計における評価益の取扱を合理的に説明す
ることはできまい。


 では、実現主義について見てみることにしよう。

 まず、企業会計原則の損益計算書原則を確認してみる。


 損益計算書原則における「・・・ただし、未実現収益は、原則として、当期
の損益計算に計上してはならない。」とは、収益の認識についての実現主義の
原則の適用を意味する。


 実現主義の原則は、「市場取引を前提として、財貨または役務の相手方への
提供と、その対価としての現金ないし現金等価物の受領があった時点で、収益
を認識すべきこと」を要請する原則である。


 さて、ここで諸君に「実現主義について説明しなさい」という問題を出した
とすれば、諸君のほとんどが下記のように答案を書くであろう。

 つまり、“実現主義の原則とは、財貨または役務の相手方への提供と、その
対価としての現金ないし現金等価物の受領があった時点で、収益を認識すべき
ことを要請する原則である”と。

 がしかし、これは上記問題に対する「解答」ではない。つまり、0点である。


 実現主義の“要件”を暗記している(しかも、上記諸君が解答とするであろ
う内容では実現主義の重大な要件が1つ抜けている)だけで、その本質的な意
味を知らない諸君にとっては他に解答として思いつくものも無いのであろう。

 論理の説明とは“要件”を列挙することや“要件”の当てはめをすることで
はないのだ。


 再三指摘しているが、要件とは、理論的合理性が確認された内容を実践する
ための指標(道標)であるに過ぎない。

 つまり、「このようにして適用しなさい」、もしくは「このようにして実践
しなさい」という案内でしかない。


 論理は、その理論的合理性を説明するためのものである。

 理論的検討の結果を基礎として、実践上の指標が作成されるのである。

 そのような実践上の道標をもって、論理的説明とするのは本末転倒であろう。

 くだらない漫才よりもはるかに笑える話である。

 だから、本試験で点数を取れないのだ。


 「実現主義とは、公正なる市場取引において、収益が確実に稼得されたこと
が確認でき(収益として確定)、その金額を客観的に測定可能であり、かつ資
金的裏付けが保証される時点、すなわちその実現時点において収益を認識する
ことが、分配可能利益の算定を目的とする今日の期間損益計算にとって合理性
を持つことから、制度会計上、収益の認識に適用される基準である。」

 これが問題に対する本来の「解答」であり、この解答であれば満点が取れる
のである。

  ※ わが国では、「市場取引を前提として」という部分が前提的要件とさ
   れ、さほど重要視されずに説明されるが、実現主義の原則の趣旨からす
   れば、外部者との取引が客観的な市場を前提として行われなければなら
   ないというこの要件は重大な意味をもつことに注意する必要がある。


 したがって、未実現収益は、この観点から当期の期間損益計算から排除され
ることになる。


 業績評価のための期間損益計算においては、費用収益の対応計算がその根底
にある。

 期間損益計算上の費用と収益は、努力(費用)→成果(収益)という対応関
係を充足する必要があり、したがって、本来的にはこの対応関係は、費用が収
益を限定する関係にある。

 勿論、この場合、費用から収益を限定させるのは、費用収益対応の原則では
なく、発生主義の原則であり、企業努力たる発生費用が成果たる発生収益を限
定するのである。


 ところが、会計実践における発生主義会計では、資本循環を前提とした投下
資本の回収余剰としての分配可能利益の算定要請により、収益の認識について
実現主義の原則の適用が要請されるのである。

 したがって、そのことから、その期間的対応関係は収益が費用を限定する関
係へと歪められることになる。

 ここに、発生主義会計の本来的な意義からの努力(費用)→成果(収益)と
いう関係を捉えた費用か収益を限定する関係が、会計実践上の分配可能利益の
算定要請からの実現主義の適用により、収益が費用を限定する関係として捉え
ざるを得ない事情が存在することになる。


 このように、論理的会計構造を前提としながらも、実践上の制約や都合によ
り、現行企業会計は多くの歪みを生じることになるのである。

 だからこそ、まず基本としての論理的会計構造の正しい理解を持つことが非
常に重要であり、それを踏まえた上で、実践上の諸事情を知り、それを制度と
しての企業会計上に取り込むために、理論的枠組みにどのような歪みが生じる
ことになるのかを正しく理解しなければならないのである。


 正しい学習にshortcut(近道)はないのだ。


 さて、以上を理解すれば、前信において、当期業績主義的損益計算書、もし
くは、包括主義的損益計算書というように「的」をつけて説明している趣旨が
理解できるはずである。

 つまり、業績評価のための損益計算書として当期業績主義を採ったとしても、
実践上は、損益計算書の一番上の売上高から実現主義の制約がかかり、本来の
発生収益ではなく分配可能利益の担保のある収益(実現収益)に制限されてい
るのであり、それは包括主義を採った場合でも同様である。


 ここで注意しておくが、当期業績主義と包括主義の議論において、包括主義
が分配可能利益の算定目的に必然的に結びついているというわけではない。

 分配可能利益の特質からすれば、包括主義が損益計算書の型体としてはより
フィットするというだけである。


 そこで、再び諸君に問うのであるが、諸君は包括主義の損益計算書といった
場合、どのような損益計算書であるのか説明できるであろうか?

 “何をバカなことを、それは、現行企業会計において採用されている、区分
表示された損益計算書のことじゃないか!”と、諸君は言うのであろうか?

 ならば笑止千万!!である。やはり諸君は簿記しか知らないのである。


 では、包括主義による損益計算書が本来どのようなものであるのかを示すこ
とにしよう。

 これを知らなければ、この先の説明を諸君が理解することはできないからで
ある。


 包括主義による本来の損益計算書とは下記のようである。


     当期収益・利得(当期に発生したすべての収益・利得)

   −)当期費用・損失(当期に発生したすべての費用・損失)
   __________

      当期利益
   __________



 いかがであろうか?


 “そんなバカな! だって、これ、区分表示も何もしていないじゃないか”
と、諸君は必ずや言うはずである。

 そう、諸君が“知っている”はずの損益計算書は、コーヒーにミルクと砂糖
を既に混ぜてしまった制度上の包括主義「的」損益計算書である。


 諸君が今まで見たことも聞いたこともないであろう(だからこそ、諸君に“
だって、これ、区分表示も何もしていないじゃないか”と言わせてしまう)上
記の損益計算書が包括主義の本来の損益計算書なのだ。

 つまり、諸君がこれを知らないという事実は、ミルクコーヒーとして出来上
がったものを、その出来上がるプロセスを理解することなく暗記する学習をし
てきたことによる弊害そのものなのである。


 このように、上記の損益計算書には諸君が言うであろうように区分表示など
一切ない。

 が、よく見てみれば分かるように当期に発生したすべての収益および利得と
当期に発生したすべての費用及び損失を計上し、差額としての利益を計算して
いる。

 これぞまさしく「包括主義の(趣旨を表現する)損益計算書」であろう。

 包括主義の損益計算書とは本来このようなものであるのだ。


 では、現行企業会計においては、包括主義を採用しているのに、何故、その
損益計算書には「区分表示」がなされているのだろうか?


 この続きは次回である。





 では、また。










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◇ =============== =============== ============= =================

◇◇◇今回の問題◇◇◇

問題
 「資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分原則によって、各事業年
度に配分しなければならない」(「企業会計原則」貸借対照表原則五)。
 上記に基づき有形固定資産の取得原価は、減価償却という手続によって各事
業年度に配分されます。これに関連して、次の各問に答えなさい。


問1
 有形固定資産の取得原価を各事業年度に配分して減価償却費として計上する
根拠を、費用収益の対応計算の観点から説明しなさい。(6行)

問2
 損益計算の意味を投下回取維持計算の観点から説明し、その観点から有形固
定資産に関する償却費に計上することの意味を説明しなさい。(13行)

問3
 棚卸資産の費用化と比較しながら、有形固定資産の費用化がどのような特徴
をもっているか説明しなさい。(8行)






 〜問題に関する確認項目〜

○現行企業会計では、発生主義会計をその前提とするが、現実の貨幣経済社会
において存在する企業としての投下資本の回収維持計算から逃れることができ
ない。このことの正しい理解があるか否かが本問の全問に正しい解答が書ける
か否かを決定する。
○発生主義会計においての費用と収益の対応計算を適切に十分説明することが
できるか?
○投下資本回収計算においての減価償却の意味を正しく理解しているか?
○棚卸資産と有形固定資産の費用化の特質の違いは、前者が費消量を物量的に
把握できるのに対して、後者が費消量を物量的に把握できないところにある。
それを正しく理解しているか?







・解答行数:上記各問題文末参照。

 ・満点  問1:35点
      問2:45点
      問3:20点
      
      以上合計:100点。









◇ =============== =============== ============= =================




 解答・解説(一部または全部)は次回のメールマガジンにおいて掲載する予
定です。
 また、次回メールマガジンの発行日の翌日以降、当アカデミーの『HBAメ
ールマガジン』のコーナーにも解説を掲載します。
 
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◇ =============== =============== ============= =================

◇ =============== =============== ============= =================





◆◆◆前回の問題の解答・解説◆◆◆

◆◆◆◆◆ =============== =============== =================== ===

問題

 現行の「企業会計原則」損益計算書原則一では、「損益計算書は、企業の経
営成績を明らかにするため、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応す
るすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目
を加減して当期純利益を表示しなければならない」とされています。
 しかし、昭和49年改訂前の「企業会計原則」損益計算書原則一では、「損益
計算書は、企業の経営成績を明らかにするため、一会計期間に発生したすべて
の収益とこれに対応するすべての費用とを記載し、当期純利益を表示しなけれ
ばならない」とされていました。これを踏まえて、以下の各問に答えなさい。

問1
 現行の「企業会計原則」と昭和49年改訂前の「企業会計原則」とでは、損益
計算書が最終的に表示すべき「当期純利益」の捉え方が根本的に異なっている
と考えられます。
 それぞれの根底にある考え方について簡潔に説明しなさい。
(考え方それぞれにつき6行と7行)

問2
 現行の「企業会計原則」損益計算書原則一の文言の意味する内容を、問1の
2つの考え方を踏まえて説明しなさい。(12行)

問3
 現行の「企業会計原則」で、当期純利益の計算要素とされる特別損益項目は
どのような性格の項目ですか、期間損益計算との関係に留意して説明しなさい。
(10行)






 〜問題に関する確認項目〜

○当期業績主義と包括主義を論理的に正しく説明できるか?
○制度的に要請される分配可能利益の計算を前提にした上で、業績表示利益を
現行企業会計上ではどのように開示しているのかを正しく説明できるか?
○本問の解答にあたっては、当期業績主義を前提にしなければならない。包括
主義を前提に解答を書くなら、0点である。その意味が理解できるか?







・解答行数:上記各問題文末参照。

 ・満点  問1:各20点×2=40点
      問2:40点
      問3:20点
      
      以上合計:100点。







◆【解 答】◆◆=============== =============== ============ ==========

問1

 損益計算書に表示すべき「当期純利益」をどう捉えるかについて、当期業績
主義という考え方と包括主義という考え方がある。当期業績主義とは、損益計
算書は企業の当期の正常な収益力を算定・表示すべきものであり、したがって、
企業における本来的な経営活動およびその本来的経営決道に付随しまたは補助
する活動で経常的・反復的な損益項目のみをその構成要素とする考え方である。
そのため、そこで示される「当期純利益」は業績表示利益を意味することにな
る。旧「企業会計原則」は、この当期業績主義の考え方をとっていた。

 これに対して、包括主義とは、損益計算書は企業の当期の分配可能な利益を
算定・表示すべきものであり、したがって、企業における本来的な経営活動お
よびその本来的経営活動に付随しまたは補助する活動で経常的・反復的な損益
項目だけではなく、本来的経営活動ないし付随的活動に関係しない臨時的な損
益項目や過年度の損益修正項目をも含めて、当期に発生もしくは確認すること
ができたずべての損益項目をその構成要素とする考え方である。そのため、そ
こで示される「当期純利益」は分配可能利益を意味することになる。現行「企
業会計原則」は、この包括主義の考え方をとっている。(40点)


問2

 損益計算書の機能は、一義的には企業の経営成績を算定・表示することであ
る。ここでいう経営成績は、企業の経営活動における努力に対する成果であり、
企業の一会計期間の経営努力としての財貨・役務の費消とその努力の結果とし
ての成果、ずなわち経営努力としての費用とその努力によって獲得された収益
との対応計算によって、利益として表示される。かかる利益は、本質的には企
業の正常な収益力を表すべきものであるから、基本的には業績表示利益として
捉えられることになる。

 しかしながら、そこでの利益は、費用と収益との期間的対応をとおしての収
益力の表示を目的とするものの、その根底には、投下資本(原価)の回収(実
現)による剰余、つまり分配可能利益の計算としての特質が認められる。すな
わち、期間的な経営成績の表示、つまり収益力の表示は、期間的な収益及び費
用の認識・測定の段階において、すでに分配可能利益の計算原理に支配されて
いる。したがって、このような利益の性質と損益計算書の様式とを整合的に捉
えるのであれば、損益計算書の様式は包括主義によるべきである。(40点)


問3

 特別損益項目は、前期損益修正益、固定資産売却益のような特別利益と前期
損益修正損、固定資産売却損、災害による損失のような特別損失とから構成さ
れる。これらは、当期に発生ないし確認された臨時損益もしくは過年度損益修
正項目としての性格をもつ。

 損益計算書の様式として包括主義を採用している場合でも、企業の正常な収
益力たる業績表示利益の開示は投資家等にとって重要な関心事であるので、損
益計算書を区分表示して、計算要素から業績表示利益を表す「経常利益」もま
た表字する必要がある。この「経常利益」が、一定の制約のもとではあるが、
企業の正常な期間成績を示すのに対し、「特別損益」はこれと直接的に関係の
ない損益であるから、この区分かなされていなければ、期間的な経営成績した
がってまた正常収益力の判断が不可能である。この点からみれば、特別損益項
目は企業の正常な期間成績を反映しないものとして捉えられる。(20点)







 
◆【解 説】◆◆◆ =============== =============== ============ =======

【出題の趣旨】
 企業会計上、損益計算書の機能は、一義的には一定期間における企業の経営
成績としての業績表示利益を算定することである。

 しかし、制度上、分配可能利益は利害関係者(特に現在株主)にとっては不
可欠の関心事項をなすものであるから、分配可能利益の表示もなされなければ
ならない。

 あくまでも業績表示利益のみを算定・表示するのが損益計算書の役割であり、
分配可能利益を示すのは損益計算書とは別の利益剰余金計算書の役割であると
するのが、当期業績主義の考え方である。

 これに対し、当期に発生・実現したすべての収益・利得とすべての費用・損
失を計上して差額たる利益を算定することが損益計算書の役割であるとするの
が包括主義の考え方である。

 制度上では、投資情報としての業績表示利益の開示とともに、同じ損益計算
書において投下資本回収維持計算をも要請される。

 では、制度上の損益計算書では、どのような対処がなされているのか?

 以上の理解があるかどうかで得点は大きく異なる。



【解説】

問1
 当期業績主義の考え方と包括主義の考え方を正確に説明できるか否かが得点
の分かれ目である。

 前信において指摘したように本問はall or nothingの問題である。似たフレ
ーズを使っても正しい理解がなければそれらのフレーズを解答として正しく構
成することはできない。


問2
 本問の問う対象は、理論的にはいたって不合理な議論でもある。がしかし、
現行企業会計の事情を理解する上で、避けて通れない部分でもある。

 基本的には、業績表示利益を算定・表示することを前提としながらも、分配
可能利益の算定・表示の制約を受けるという制度的体系の不合理が、現行企業
会計上に大きな歪みを生じさせている部分であり、解答上はそれらを手順よく
説明できるか否かが得点の差となって現れる。

 本問で高い得点の解答を作成するには、基本的前提が何か、それに実践上の
事情がどのように関わるのか、そして、それが現行企業会計にどのような影響
を及ぼすのかを正しく理解している必要がある。


問3
 本問も問1と同様にall or nothingの問題である。最も注意することは、特
別損益項目を分配可能利益の観点から説明してはならないということである。

 もし、特別損益項目を分配可能利益の観点から説明すれば、0点である。

 特別損益項目を損益計算書上の経常利益までの項目と区別する決定的な理由
は業績表示利益の観点に存在するからである。

 分配可能利益の観点から、その算定項目(の一つ)とするだけでは、特別損
益項目を損益計算書上の経常利益までの項目と積極的に区別することの根拠と
はならない。







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