【HBA王道セミナー】すべての理解は基礎理論の理解にあり!!基礎理論の
理解無しに応用など存在しない。




                             2007.7.31発行
■□ハスイ・ビジネス・アカデミー(HBA)■□■□■□■□■□■□■□■
□■(HBA/TOP)□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
      
       公認会計士受験講座/財務諸表論・監査論

        〜 本質を極めよ、王道を行け!〜

□■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■□

 はじめてご登録いただいた方へ!

 諸君、君たちの勉強方法はまちがっていないか?
 これだけは伝えておきたい。
 暗記だけでは、本当の勉強はできない。
 具体的にいえば、早期合格はできない。

 たとえば講師に“本質的な実力”が伴っていなかったとしたら、
 果たしてどういう授業風景となるか。
 そう、“本質的な説明”ができない。
 ではどうするか。もうおわかりだろう。彼は諸君に『暗記』を強要すること
 になる。

 当アカデミーでは、そういった受験業界の風潮を打破したい。
 このメールマガジンでは、Q&A形式で諸君を応援する。
 まずは基礎。
 基礎を固めるため、ぜひ当アカデミーの問題に挑戦してもらいたい。
 
===========
 本質的な4つの提案
===========

 当アカデミーでは、受験生諸君に以下の4点を提案したい。

 (1) 体裁の口上なんかに惑わされるな!
 (2) 暗記で受かるのは偶然しかない!
 (3) 暗記は勉強ではない。勉強の手段だ!
 (4) 良質の資料によって、良質な指導を受けよ!

 いちど試してみて欲しい。
“本質”は、HBAにしかない・・・!



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《第21講》「経済的便益説の真意/資産の分類と売買目的有価証券」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

 さて、前信では経済的便益説に入ったところであった。

 本信では、経済的便益説について、とりあえずの知識としては十分な内容を
確認しておこうと思っている。

 では、前信とちょっと重複するが、初めから確認しよう。



オ.経済的便益説

 現状では最も新しい資産に関する考え方は、米国の財務会計基準審議会(
Financial Accounting Standards Board:FASB)が1985年に「財務会計概念ス
テ−トメント」第6号の中で展開した資産に関する定義に見られる。

 FASBの定義によると、資産は、将来において経済的便益をもたらし、現在、
当該資産を経済的に支配していて、過去において取引または事象が存在してい
る、という3つの条件を満たすものであるとされる。

(1) 経済的便益
 FASBの定義で、特に注目に値するのは、経済的便益として、キャッシュ・イ
ン・フローに貢献する能力が考えられているということである。

 資産をキャッシュ・イン・フローに貢献する能力と見るこの見解では、資産
を即物的に捉え、資産の機能が強調される。これは会計を経済的実態の把握に
重点を置いて考えようという意図から定義されるものである。

 ここで注意しなければならないのは、経済的便益説は、動態論を前提とする
資産の概念ではないということである。用益潜在力説と同様に一元説であり、
動態論を前提とする資産概念ではないのだ。しかも、用益潜在力説と異なり期
間損益計算から完全に独立して概念提起されている。

 ただし、動態論を前提とする資産の概念ではないが、用益潜在力説と同様に
この概念によって動態論における資産を説明することはできるのである。


 読者諸君、特に現在大学生の読者諸君が大きな誤解をしている原因がここに
ある。つまり、資産概念としての動態論の資産概念と上記用役潜在力説や経済
的便益説による資産概念を「資産の概念」として“同類”として分類し理解し
ているということだ。

 だからこそ、上記「動態論を前提としない資産の概念」と表題をつけておい
たのだ。

 以前に、「会計学は、線香の煙が真っ直ぐ立ち上るように議論することが命
である」と記したが、動態論の資産概念と用役潜在力説や経済的便益説を「資
産の概念」として“同類”として分類し理解しているのであれば、もはや既に
「線香の煙が真っ直ぐ立ち上るように議論」してはいないことになる。


 経済的便益説の特徴は、即物的な世界の概念であるキャッシュ・イン・フロ
ーを前提として概念されており、費用・収益といった期間損益計算上の抽象的
概念を前提としていない。

 したがって、期間損益計算上の将来費用であることを資産の要件としないの
である。これによって、期間損益計算上の収益に関連づけることなしに資産と
しての能力を認め得るのである。


 経済的便益をキャッシュ・イン・フローに貢献する能力と規定することの意
味は、2つある。

 第1は、キャッシュ・イン・フローは、究極的には現金流入を意味する概念
であるが、ここでは、そうした現金流入をもたらすということも含めて、実態
としての富の増大の具体的な意味をキャッシュ・イン・フローに求めていると
いうことである。

 すなわち、期間損益計算において求められる利益概念が極めて抽象的な概念
であるのに対して、キャッシュ・イン・フローはその抽象的な利益概念が意味
するところの具体的な実体である。

 そこで実体としてのキャッシュ・イン・フロー(=富の増大)をもたらすこ
とに貢献するものが資産にほかならないと考えるである。このことは、資産概
念に対して即物的に接近していこうという考えであるといえる。


 第2は、経済的便益をキャッシュ・イン・フローに貢献する能力と捉える意
味が、一致の原則によって支えられている期間損益計算をキャッシュ・イン・
フローに貢献する能力と結びつけることを可能としていることである。

 発生主義会計と動態論の会計を基盤とする近代会計は、収支計算と損益計算
の二元的計算を内容としており、前述のAAAの見解のように資産の本質を用役
潜在力とし、用役潜在力の意味を収益力要因とするのは損益計算に焦点を当て
た場合の資産の定義であるといえる。

 これに対し、資産の本質を経済的便益として、経済的便益の意味をキャッシ
ュ・イン・フローに貢献する能力と見るFASBの見解は、収支計算に焦点を当て
た(その意味で資産を即物的に捉えている)資産の定義であるといえる。

 キャッシュ・イン・フローに貢献する能力とみるこの見解によって、発生主
義会計と動態論の会計を基盤とする近代会計において、有価証券や土地もまた
一律に資産として説明することを可能にするのである。

 さらに、用益潜在力説では負債を説明できないのに対して、経済的便益説は
負債をも説明できるのである。

 したがって、このFASBの定義は企業活動の究極の目的が収益の獲得ではなく
キャッシュ・イン・フローの増大であるという考えに立って、すべての資産を
キャッシュ・イン・フローに貢献する能力と結びつけて考えているということ
である。


(2) 貸借対照表能力としての支配概念

 FASBの見解に従った場合、資産として認められるための第2の条件は、その
経済的便益が企業によって支配されていなければならないというものであるが、
その場合、法的所有権の移転は必要としない。

 一般には、獲得された経済的便益に対して排他的に利用できる権利は法的保
護を基盤にしているが、FASBの見解に従えば、こうした法的権利の有無は企業
が資産を所有するための不可欠な前提条件ではないのである。

 企業が支配することができ、企業が自由に利用できる将来の経済的便益であ
れば、貸借対照表能力があると認めるということである。

 このように考えるならば、例えばファイナンス・リースのような、法的所有
権は移転しないが、経済的利用権ないし支配権が移転するような取引または会
計事象をも資産や負債として貸借対照表に計上しうることになるのだ。


(3) 過去における契約などの存在
 FASBが示した資産として認められるための第3の条件は過去における取引ま
たは事象の存在である。

 例えば、建物についての将来の経済的便益は、購入契約またはリース契約の
ように、その建物を排他的に利用するための契約、あるいは、取引当事者間の
合意などが既に発生済である場合にのみ資産として認められる。

 この場合の契約などは、必ずしも法的な強制力を伴うものである必要はなく、
習慣や慣行であってもよいとされる。

 つまり、このことは、オフ・バランス項目を現行の制度会計上、認識の対象
とするときの基準となりうる条件であるということだ。

 一般に資産は、その所有権の取得によって資産として認められるものである。

 しかし、経済的便益説によれば、所有権を取得しなくても、その独占的利用
つまり支配することによって将来キャッシュ・イン・フローを獲得することが
できれば、それは当該企業にとっての「資産」なのである。




 さて、いかがであろうか?

 内容的には簡単ではあるが、経済的便益説を正しく理解するには十分であろ
うと思う。

 ただ単に“知っているだけ”と知識として正しく理解し「知っている」とい
うこととはまったくの別次元のことである。

 ただ言われるがままに、“経済的便益説”が“最新”で“最も優れた資産概
念”だと思い込んでるだけでは学問ではないし、学習をしたというのでもない。

 自分できちんと真意を確認する態度が必要なのである。

 経済的便益説さえ唱えていれば、“動態論はもう古い”と言え、自分が“最
先端の会計学を知っている”ツモリであるのは、あまりにも正しい現実を知ら
ない悲しい事態ではあ〜りませんか?と思うのである・・・。


 そこで、経済的便益説を正しく理解(確認)したであろうことを前提として、
クドイようだが、現行企業会計の計算基盤は、動態論の計算構造であり、費用
・収益アプローチを前提とし、そこでの貸借対照表は動的貸借対照表である。

 ところが、(ここが一番誤解を誘発している元凶なのだが)その動態論にお
ける「資産」を、上記の経済的便益説(動態論の資産概念ではないのだが)は
説明することができるのである。

 だから、経済的便益説で資産を概念し、がしかし、その属性を反映する測定
は、現実にはごく一部条件を満たすもの以外には、非常に困難もしくは不可能
であることから、取得原価といった説明がなされるのだ。ちなみに、時価は、
評価時点における瞬間的なキャッシュ・イン・フローを表すのであって、将来
キャッシュ・イン・フローの割引現在価値ではない。

 これを「矛盾」もしくは「不合理」と感じないのであれば、もはやそのよう
な諸君に説明する意義は無いのだ。


 ともあれ、現実に現行企業会計を前提として公認会計士試験を受験する諸君
が、どうして動態論は“古い”と言い、“今は経済的便益説だ”などと言える
のであろうか?


 私(HBA)は、“古い会計(学)”を教えるのではない。受験にとって最
も必要な知識を習得してもらうためのサービスを提供しているのである。

 その違いが分からない、というのであれば、そのような諸君に私はHBAで
の学習をrecommendしない。



 さて、つごう二回に渡って資産の概念について見てきた。

 その中で経済的便益説についての正しい理解も得られたのではないのか、と
思う。


 そこで、近時の金融商品に係る会計基準が設定されたことによって、本来、
議論が解決したはずの資産について、大きな誤解が生じているものがある。

 金融商品会計基準によるところの「売買目的有価証券」がそれである。

 これについては、諸君も当然に聞いたことがあるはずであろう。

 つまり、売買目的有価証券は“いわゆる貨幣資産だから”というやつである。

 巷の受験学校の講師は全てこのように言うはずであり、さらに驚いたことに、
現役の公認会計士のほとんど(私の教え子以外といった方が正しいと思う)が
そのように言うのだそうである。

 滑稽なことに、私の教え子が、「売買目的有価証券は貨幣資産ではなくて・
・・、」と言うと、逆に“ばかだなーおまえ、売買目的有価証券は貨幣資産に
決まっているだろうが”と周り中から非難されるそうな。

 周りがそれを“常識”と思って疑わない以上、如何に私の教え子が正しいこ
とを言っても、そのような場で私の教え子に“勝ち目”はない。

 “常識”とは、「常識(つねしき)」である。“常識”とされていることが
正しいとは限らない。

 多数決的に周りの理解が一方に多ければ“常識”なのである。つまり、人間
の都合によって“常識”は簡単に変わるのである。


 例えれば、ちょっと昔はタバコなど何処で吸っていても“常識”的に許され
ていた。

 が現在では、タバコを吸うことは罪悪のように言われ、愛煙家の立場は風前
の灯である。これは、世界的な風潮であり、例えば、モーター・スポーツの最
高峰であるF1などにおいても、今まで歴史的に圧倒的なスポンサーであった
タバコ会社が撤退せざるを得ない状況である。

 レーシング・カーにタバコ会社のロゴを入れてレースに出走することを禁止
している国が近時圧倒的に多くなっているからだ。

 少し前は、タバコを吸うことは自由、というのが“常識”であり、現在では、
タバコを吸うことは罪悪であり、“禁煙”が“常識”なのである。

 勿論、タバコは肺ガンの誘因であり、その意味からは吸わないことにこした
ことはない。

 しかし、それが周知されない時は、何処であっても喫煙は“常識”的に許さ
れ、その害が周知されると、禁煙が“常識”となるのである。

 現状でも正しい理解が広く周知されていないがための誤った“常識”は多数
存在している。

 だから、「つねしき」であって、それは必ずしも「正しい」ことを意味しな
いのである。


 売買目的有価証券もその“常識”によって正しい理解が阻害されている。

 諸君は、資産の分類に関する議論、とりわけ、有価証券(金融商品会計基準
における売買目的有価証券)に関する論争というものを知っているだろうか?

 ちなみに、HBAのテキストでは金融商品の章の付属資料として1章を使っ
て説明してある。

 それは、基本的には資産の分類を前提にした論争である。


 この後触れるように、資産の分類についての考え方にはいくつかのものがあ
る。

 1つは企業の支払能力を重視し、企業の財務的流動性を明らかにする流動・
固定分類であり、これは現制度上、貸借対照表の表示の面において採用されて
いる。

 また、金融資産というジャンルが生じる以前の動態論の会計構造を前提とし
た分類としては、資産と損益計算との関係を重視する立場からの分類(貨幣性
・費用性分類)もしくは資本の循環過程の観点からの分類(貨幣・非貨幣分類
)がある。

 これらの分類上特に問題となったのが「有価証券(売買目的有価証券)」で
ある。

 この「有価証券(売買目的有価証券)」は、貨幣性・費用性分類では、決済
時に費用とは説明できない当該有価証券をどちらかに分類することが出来ない
し、また、貨幣・非貨幣分類では有価証券を決定的には貨幣資産と説明するこ
とができないがために(だから「いわゆる貨幣資産」と「いわゆる」がついて
説明されるのだ)、基本的には非貨幣資産として分類することになっていたの
である。

 これに関する議論とその顛末については、金融商品のところで触れることに
なると思う。


 有価証券(売買目的有価証券)は、現行の「金融商品に係る会計基準」では、
今までの「貨幣資産」とされるものとともに「金融資産」として分類されたの
であり、「金融商品に係る会計基準」において“貨幣資産”として分類された
わけではないのである。

 ともあれ、このような状況下では、資産の分類も今までのような分類では整
合せず、ここに金融資産と実物資産という分類が必然性を持つに至ったのであ
る。


 そこで、まずは基礎知識である。それらの議論の前提としての理解として、
ここで資産の分類について若干見ておくのが良いであろう。



1.動態論を前提とする伝統的な分類

(1) 貨幣性・費用性分類

 ここに、貨幣性資産とは、現金預金並びに将来において費用とならずに現金
預金として回収される資産(売掛金や受取手形など)をいい、一方、費用性資
産とは、将来においてその属性である収益力要因の減少過程を通じて費用とな
る資産(棚卸資産、有形・無形固定資産、繰延資産や前払費用など)をいう。

 損益計算を重視する今日の動態論に基づく会計構造においては、損益計算と
の関わりを重視した貨幣性・費用性分類が重要な意味を持つ。

 つまり、貨幣性資産は損益計算と直接的な関わりを持たない資産であり、費
用性資産はその費用化を通じて損益計算と直接的な関わりを有する資産(未決
状態の対収益賦課分)である。

 注意することは、この貨幣性・費用性分類は、貨幣性資産と費用性資産を同
等に分類する趣旨ではなく、期間損益計算との関わりにおいて、もっぱら費用
性資産をそれ以外の資産と区別する趣旨の分類であるということである。


(2) 貨幣性・費用性分類の限界

 貨幣性・費用性分類によると、有価証券について問題が生じる。有価証券は、
資本の投下と引き換えに証券を取得している状態にある資産であり、その意味
では投資が継続している状態、つまり、その意味で費用性資産と同様の状態に
あるといえる。

 しかしながら、貨幣性・費用性分類による場合、費用性資産とされるものは、
販売努力によって将来収益へと転化することによって"費用"となることが要件
となるが、有価証券にはこのような、"販売努力"による現金への転化は見られ
ない。

 有価証券を所有するものは、換金、つまり、現金への転化は何の販売努力無
しに証券市場へその証券を持ち込むだけで可能となるのである。

 つまり、貨幣性・費用性分類では、有価証券を分類できないのである。


(3) 貨幣・非貨幣分類

 資産を企業資本の循環過程の観点から見ると、資本の投下過程にある資産と
資本の回収過程にある資産、つまり貨幣資産と非貨幣資産に分類することがで
きる。

 この分類が重要な意味を持つのは、根本的には、それぞれに適用される資産
の評価基準が異なるからである。

 つまり、企業資本の循環過程の観点からすると、貨幣資産は回収過程ないし
は再投下の待機過程にあるから、将来における回収可能額を基準として評価さ
れ、非貨幣資産は資本の投下過程にあるため、過去の支出額たる取得原価基準
が適用されるのである。

 ただし、ここで注意することは、ここにいう貨幣資産は、現金、および現金
支出後もしくは成果の認識・測定が終了後現金への帰着のタイムラグを表現す
るものである、ということである。

 現在有価証券(売買目的有価証券)は投機的取引を前提として捉えられ、同
じ金融資産とされる"いわゆる貨幣資産"とはその前提を異にする。



2.金融資産と実物資産

 近年経済取引の発展に伴い、動態論を前提とした分類基準では合理的に説明
でき得ない属性を持つに至った資産やそのような属性を本来的に持っている資
産が出現している。

 具体的には、有価証券やデリバティブ取引を前提とする資産である。

 このような今までの分類基準では分類できない属性を持つ資産を視野に入れ
ての分類基準として、金融資産と実物資産という分類が有力である。

 この分類の基本的な考え方は、実物資産には誰が所有または利用するかによ
って異なる主観的なのれん価値が存在し、こののれん価値は将来投資成果とし
てのキャッシュ・イン・フローへと転化する。

 したがって、このような資産への投資成果は、得られるであろう将来のキャ
ッシュ・イン・フローの流入を待って捉えるべきことになる。

 これに対して、金融資産(有価証券)は、資産としてののれん価値は情報と
して市場価格に吸収され、誰が所有してもそれらを市場で売却することによっ
て現金へと転化する以外に現金化の方法が無く、そこに主観的なのれん価値は
存在しない。

 したがって、このような資産への投資成果は常に市場価格とリンクし、した
がって、原則として時価によって測定することが合理性をもつのである。

 ちなみに、金融商品に係る会計基準においては、上記金融資産として、売買
目的有価証券および貨幣資産を規定している。


 つまり、有価証券(売買目的有価証券)は、“いわゆる貨幣資産”ではない
ということである。「金融資産」として有価証券(売買目的有価証券)および
貨幣資産が分類されるのである。

 したがって、有価証券(売買目的有価証券)について、売買目的有価証券は
“いわゆる貨幣資産であるから、回収可能額によって評価することが合理的で
あり、したがって時価を付すのである”といった論理フローは存在しないので
ある。


 これらを正しく理解するためには、前出の「有価証券論争」なるものがどの
ような内容のものであるのかを知らなければならないが、それは、金融商品の
ところで、ということになる。



 さて、今回はここまでである。


 何度もくどく言うが、正しい「基本理論」を知らなければ、現状を正しく理
解することなど不可能である。

 読者諸君は、このことを認識してほしい。





 では次回に!!









◇ =============== =============== ============= =================

◇ =============== =============== ============= =================

◇◇◇今回の問題◇◇◇

 前信での内容と本信での内容が、前信で出題した問題に対応している。

 したがって、今回は出題はお休みである。









◇ =============== =============== ============= =================




◎解答・解説(一部または全部)は次回のメールマガジンにおいて掲載する予
 定です。
 また、次回メールマガジンの発行日の翌日以降、当アカデミーの『HBAメ
 ールマガジン』のコーナーにも解説を掲載します。
 
 ※HBA/メールマガジンのコーナーはこちら >>>

◎当mailmagazineの休刊等の情報については、HBA/「お知らせ & トピッ
クス」に掲載します。

 ※HBA/「お知らせ & トピックス」はこちら >>>


 ※HBAの資料請求はこちら >>>


  ※※HBAの内容等に関する問い合わせはこちら >>>






◇ =============== =============== ============= =================

◇ =============== =============== ============= =================





◆◆◆前回の問題の解答・解説◆◆◆

◆◆◆◆◆ =============== =============== =================== ===

問題

 企業会計原則」は、貸借対照表原則一で、「貸借対照表は、企業の財政状態
を明らかにするため、貸借対照表日におけるすべての資産、負債及び資本を記
載し、株主、債権者その他の利害関係者にこれを正しく表示するものでなけれ
ばならない。」としています。
 これに関連して以下の問に答えなさい。


問1
 貸借対照表は企業の財政状態を表示する財務表であるとされます。そこで、
この財政状態の実質的内容について、貸借対照表の本質論としての静的貸借対
照表論に基づいて明らかにしなさい。
(14行)

問2
 動態論の会計構造においては、期間損益計算がその中心課題とされます。そ
こで、この期間損益計算とのかかわりを重視した資産分類について説明しなさ
い。(8行)

問3
 問2における資産の分類が、動態論の会計構造を前提とした場合に重要な意
味をもつ理由を説明しなさい。(13行)






 〜問題に関する確認項目〜

○貸借対照表は、企業の財政状態を明らかにする財務表であるとされる。「企
業会計原則」では、この財政状態の内容が説明されていない。
 そこで、この財政状態の内容を考える場合には、それを表示する貸借対照表
の本質を考察することが必要となる。
○動的貸借対照表論に基づく財政状態の実質的内容については、本信本文で説
明した。ではそれを参考にして静的貸借対照表に基づく財政状態の実質的内容
について、諸君で考えてみてほしい。考えることが学習である。
○現状では金融商品取引に係る会計処理が規定され、単純にここでの資産分類
では説明がつかない。ただし、学習のプロセスとして、ここでの、つまり、資
金動態論(二元説)を前提として資産分類を理解しておくことは有意義である。







・解答行数:上記各問題文末参照。

 ・満点  問1:40点
      問2:20点
      問3:40点
      以上合計:100点。



◆【解 答】◆◆=============== =============== ============ ==========

問1

 貸借対照表は、一定時点における企業の財政状態を表示した一覧表である。
この貸借対照表の本質をどのように理解するかについては、会計理論の発展過
程から見た場合、いわゆる静的貸借対照表と動的貸借対照表との分かれる。

 静的貸借対照表論においては、貸借対照表の本質を、一定時点における企業
の債務弁済能力の表示のための、財産価値に基づく財産状態の表示機能に求め
る。したがって、そこでの財政状態は、売却時価によって評価された財産の状
態として捉えることができる。これに対して、動的貸借対照表論においては、
貸借対照表の本質を、継続企業を前提とした期間損益計算の手段としての機能
に求める。したがって、そこでの財政状態は、継続企業の収益力の算定・表示
を課題とする期間損益計算のしくみを通したうえでの、企業資本の表示として
捉えることができる。

 静的貸借対照表論においても、動的貸借対照表論においても、貸借対照表の
直接的な表示目的が、一定時点における企業の財政状態の表示にあることにか
わりはない。しかし、その場合の財政状態の実質内容は、全体としての会計構
造の中に貸借対照表をどのように位置づけるかに依存し、またそのことから導
き出される貸借対照表の特質によって異なる。(40点)

問2

 期間損益計算を重視する今日の動態論に基づく会計構造において、期間損益
計算とのかかわりを重視した資産の分類は貨幣性・費用性分類である。この場
合、貨幣性資産とは、現金預金並びに将来において費用とならずに現金預金と
して回収される資産(売掛金や受取手形など)をいい、一方、費用性資産とは、
将来においてその属性である収益力要因の減少過程を通じて費用となる資産(
棚卸資産、有形・無形固定資産、繰越資産や前払費用など)をいう。

 このように、貨幣性資産は損益計算と直接的ななかかわりを持たない資産で
あり、費用性資産はその費用化を通じて損益計算と直接的なかかわりを有する
資産(未決状態の対収益賦課分)であるから、この分類は損益計算とのかかわ
りにおいて後者の費用性資産を捉えることに趣旨がある。(20点)


問3

 動態論の会計構造の主軸をなすものは、費用・収益の期間的対応による損益
計算であり、その面から取上げれば損益法による損益計算の構造として規定す
ることもできる。しかし、動態論の会計構造という場合には、貸借対照表の損
益計算の機能に視点を置く会計の構造を意味するから、損益計算との関連で貸
借対照表の構成内容をどのように把握するかが、そこでの中心課題となる。

 一般に動態論の会計構造においては、貸借対照表の第一義的機能が損益計算
の手段としての性格に求められる。つまりそこでは、貸借対照表が一定期間の
損益計算の結果を示すとともに次期の損益計算の出発点となるという意味で、
期間損益計算の連結環としての機能が重視される。

 この連結環としての機能を発生主義による損益計算との関連でみれば、収入
・支出の事実と収益・費用の発生事実との時間的なズレから生ずる収支の未解
決項目を集計した計算表として貸借対照表を捉えることができる。しかし、収
支の未解決項目という場合、収支がすべて成果作用的収支とは限らず、損益計
算と直接的な関連のない中性的収支もあることから、それらを区別する分類基
準、すなわち、貨幣性・費用性分類が重要な意味をもつことになる。(40点)










 
◆【解 説】◆◆◆ =============== =============== ============ =======

【出題の趣旨】

 貸借対照表は、企業の財政状態を明らかにする財務表であるとされる。「企
業会計原則」では、この財政状態の内容が説明されていない。

 そこで、この財政状態の内容を考える場合には、それを表示する貸借対照表
の本質を考察することが必要となる。

 本問は、静態論の会計構造と動態論の会計構造を基礎に、そこでの貸借対照
表の本質観を捉えることにより、財政状態の実質的内容を明らかにする趣旨で
ある。

 したがって、本問を解答するにあたっては、特に動態論の会計構造を体系的
に理解していることが不可欠となる。





【解説】

1.動態論の会計構造と静態論の会計構造

 静態論の会計構造が、会計報告の基本目的を債権者への債務弁済能力の表示
におき、その視点から作成される静的貸借対照表を基盤とする会計構造である
のに対し、動態論の会計構造は、会計報告の基本目的を利害関係者(この場合
特に投資家)の中心的な関心である収益力の表示に置き、貸借対照表の第一義
的機能をそのたねの期間損益の算定手段して動的に捉えようとする会計の構造
である。

 したがって、動態論の会計構造の主軸をなすものは、費用・収益の期間的対
応による損益計算であり、その面から取り上げれば損益法による損益計算の構
造として規定することもできる。しかし、動態論の会計構造という場合には、
貸借対照表の損益計算の機能に視点を置く会計の構造を意味するから、損益計
算との関連で貸借対照表の構成内容をどのように把握するかが、そこでの中心
課題となるのである。

 一般に動態論の会計構造においては、貸借対照表の第一義的機能が損益計算
の手段としての性格を求められる。つまりそこでは、貸借対照表が一定期間の
損益計算の結果を示すとともに次期の損益計算の出発点となるという意味で、
期間損益計算の連結環としての機能が重視される。


2.動的貸借対照表の特質

 貸借対照表の第一義的な機能を損益計算の手段として把握する場合、貸借対
照表は期間損益計算の連結環として位置づけられる。

 企業の設立から解散までの全体損益計算が可能である場合には、損益は全期
間における収支の差額としてされる。しかし、継続企業を前提にする場合、損
益計算は人為的に区切って行われざるをえない。

 ただし、その場合には、一定期間になされた収支計算が、必ずしも等外期間
の損益計算とは一致しなくなる。なぜなら、もともと損益とは関係のない支出
・未収入、収入・未支出(中性的収支)のほかに、支出・未費用、収入・未収
益、費用・未支出、収益・未収入といった費用・収益との間に不一致が生じる
からである。

 この期間的なズレを意味するこれらの未解決の収支項目と現金を総括表示し
たものが、実は動的貸借対照表にほかならず、それは当期の損益計算の結果を
示すとともに、次期の損益計算の出発点ともなるのである。

 したがって、動的貸借対照表における財政状態の表示は、時点的な意味での
企業資本の現在価値に基づく財政状態(財産状態)の表示ではなく、一定時点
における現金および収支未解決項目としての企業資本の状態を意味することに
なる。

 また、資産の認識面(貸借対照表上に資産として計上されるものであるか否
か、つまり貸借対照表能力をもつか否かの側面)においても、個別的な財産価
値ないし換金価値の存在よりは、むしろ収益力要因としての性質が重視される
から、財産価値の存在が認められるもののみならず、個別的な財産価値の存在
が認められなくても支出の効果が将来の期間に発現するものと期待されれば、
貸借対照表能力を認められ、資産として計上(支出額によって評価)されるこ
とになる。

 また、負債の認識面においても、法的確定債務だけでなく、将来支出の原因
事実としての費用の発生が認められるならば、そのような将来の支出額も負債
を公正することになる。










◆ =============== =============== ============= =================

◆ =============== =============== ============= =================


◎メールマガジンのバックナンバーは、当アカデミーの『HBAメールマガジ
ン』のコーナーでもご覧になれます。
 
 ※HBAメールマガジンのコーナーはこちら >>>

◎当mailmagazineの休刊等の情報については、HBA/「お知らせ & トピッ
クス」に掲載します。

 ※HBA/「お知らせ & トピックス」はこちら >>>


 ※また、HBAの資料請求はこちら >>>


  ※HBAの内容等に関する問い合わせはこちら >>>



◆ =============== =============== ============= =================





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

発行者     : ハスイ・ビジネス・アカデミー(HBA)
ホームページ  : HBA/TOP
※メルマガの購読中止は上記ホームページでもおこなうことができます。 ※まぐまぐ!サイトでのメルマガの購読中止はこちら >>> □ 雑 感 □=========================== ◎ ちなみに、私は、実は大学時代にかなりのヘビー・smokerだったのである。  ある日、風邪を拗らせ、医者嫌いの私としては珍しく、掛り付けの医者(町 医者だが、非常に優秀な医者であり、町医者の存在意義を正しく理解している 先生である)に行った時のことである。  その先生が診察の後に、「今、タバコは1日に何本ぐらい吸うの?」と尋ね たのである。  私は、にやっと笑って(怒られるに決まっているからである)、「1日に5箱 弱」と答えた。  私の顔をじ〜としばらく見ていたその先生は、「早死にして親不孝をしたく なかったら、せめて1日2箱以内にしなさい」と、真顔で言ったのである。  当然である。  当時、私は、朝、カート買いをしてあるお気に入りのタバコを5箱もって大 学に行く。  今でも、食事の後のタバコの美味さは忘れない。  食事をした充実感というか、満足感というか、それがタバコを一服すること で10倍にも感じるのである。  休憩の時でも、例え10分であっても、タバコを吸うと1時間ほども休憩した ような気分になる。  つまり、何とも心地よいのである。  大学で、まず友達にあって一服。そして、午前中の授業が終わっての昼食後 のタバコは実に楽しみである。  午後の授業を終わっての喫茶店での一服も一日の中でのかけがえの無い一服 である。  タバコを吸い始めると、しばらくは止まらない。火を消した吸い殻を灰皿に 捨てて、引いてくる手でタバコを口へ運び、火をつける。  私のまわりだけ、ゆっくりとした時間が流れていく。  何とも心落着く時間なのである。  大学の教室など、禁煙の箇所以外では常にタバコが口にあった。  タバコさえあれば、何時間でも時を過ごせるのだ。  これは、タバコを吸った経験があり、タバコが好きな者でなければ分からな い感覚である。  そんな訳だから、1日が終わり家路につく頃には、たいてい5箱目が開いてい るのだ。  あまり、「害」だという意識はなかったのである。  人生が短くても、自分で納得しているならそれでよいと思っていた。  が、上記の医者の「親不孝」の言葉には「参った」のである。  人生、自分で納得して決めたのであればそれでいい、というのがわが母の考 えであり、父親はそれが多少気に入らなかったようであるが、いつも私を信頼 して見守ってくれていた母である。  勿論、幼少時のしつけは厳しかった。  何が善で何が悪かを正しく判断する素養はそのしつけのお陰である。  それを知っていて母は何も言わなかったのかも知れない。  勿論、悪いことは決してしなかったが、自分の好きなことをさせてもらって いたのであり、お世辞にも「親孝行」息子とは言えない、と思っていた。  ちなみに、高校時代以降、親に小遣いをもらったことはない。家の経済的事 情ではない。自分で好きに使うお金は自分で、ということで、ほとんどは家庭 教師をして小遣いを稼いでいた。  そこで、医者の言葉がズキッと胸に刺さったのである。  私は言った。  「先生、せっかくのタバコを、本数を数えながら吸うなら、止めますよ!」  「何を言ってるの、それだけ吸っていて止められる訳がないでしょう?!」 と先生。  「じゃ、大学を卒業するまでの間(その時私は大学の2年生であったから、 都合2年間ということになる)タバコを吸わなかったら、3万円(これでも当時 は結構高額)というのはどうですか?」と私。  すると即座に先生が、「イイよ、既に勝ったも同然だけど!イイの?」と。  賭けが成立である。ことの成り行きは紳士協定で私を信用するということで、 ただし、定期検診には年3回以上来るという条件付であった。  今思えば、その先生は、私の身体を心配して定期検診に私を来させるのが初 めからの目的だったのであろう。  医者嫌いの私には、禁煙よりも定期検診の方が憂鬱だったものである。  果して、無事大学を卒業した私は、禁煙をしっかり守り、先生からしっかり 3万円を頂いたという次第である。  まあ、結果を書けばいとも簡単そうであるが、実は、禁煙が始まってから、 完全に禁断症状を脱し切るまでには、結構な苦しみを味わうことになるのであ る。  これについては、話して褒められるようなことでもないし、私としては、そ の時の苦しみは二度と思い出したくもないというのが本音である。  不思議なことに、それっきりタバコは一切吸っていない。ただの一本も、た だの一口もである。  であるから、勿論、今では、タバコの煙など大嫌いである。  やはり、タバコは身体に良くない。それが実感である。  ではまた。 =================================== 暗記を強要される受験勉強って間違っている。HBAでは公認会計士試験の早 期合格を目指す諸君に、本質的な講義内容を提供します。当メルマガの有意義 な問題にチャレンジして、早期合格を目指しましょう。