【HBA王道セミナー】すべての理解は基礎理論の理解にあり!!基礎理論の
理解無しに応用など存在しない。




                            2008.1.23発行
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《第27講》「各論一考/その二(有形固定資産 その一)」
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◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

 ご無沙汰でした。2008年最初のHBAmailmagazineです。

 寒い日が1〜2日づつ断続的に続く日々ですが、読者の皆さんは元気で勉強に
励んでいますか?

 私のように夜中にうたた寝をして風邪を引かないように注意してください。

 私は、相変わらず寒い日に比例的に絶えずうたた寝と風邪を引くのを繰り返
えす毎日です。

 ですので、パブロン・ゴールド(パブロンの中では一番古いバージンで、一
番ゆっくりと効く、即効性のないバージョン)の最多44包が常備薬です。

 ゆっくりと効いてくるこのバージョンが、何故か私には一番身体に合ってい
るようです。

 余談ですが、パブロンは基本的に内容は同じであり、即効性が高いバージョ
ンほど値段が高いというだけです。

 私のようにしょっちゅう風邪を引いて飲んでる場合は、「安い」ことは大事
なファクターでもあります。


 さて、久しぶりなのでプロローグが長くなりました。




 前回から、会計の構造的内容については、一休みとし、しばし各論を見てみ
ようということだったと思います。

 今回は、その二回目ということで有形固定資産についてです。


 有形固定資産は、企業がその将来的な役立ちを期待して、その役立ち(使用
価値)を一体として取得するものであり、現行制度上取得原価がその役立ち(
使用価値)を表すものと考えて取得原価によって評価される。つまり、取得原
価主義が適用されるわけである。

 この取得原価は、有形固定資産の貸借対照表価額決定の基礎となるばかりで
なく、費用配分の原則によってその取得原価のうち使用等に基づく減価部分が
費用として各期に配分され(減価償却費として計上)、収益との対応計算によ
って期間利益が算定されるのであるから、これをどれほどの大きさ(当初の大
きさ)にするかの決定、つまり取得原価の決定は取得原価主義会計のもとでは
極めて重要な問題である。

 この取得原価は有形固定資産の取得形態によって異なるものであるため、「
連続意見書」において、購入、自家建設、現物出資、交換、贈与の各取得形態
についての取得原価の決定が規定されている。


 上記取得形態の内、個別的に議論があるのは、自家建設、現物出資、贈与の
場合であり、全体的な整合性に関しての議論があるのは交換(異種資産との交
換による有形固定資産の取得の場合)と贈与である。



 そこで、それらについて見る前に、最も基本的内容として、取得原価に含め
られる費目を確認しておこう。

 承知のように、有形固定資産を取得した場合(購入の場合)の取得原価は、
原則として、購入代金に買入手数料、運送費、荷役費、据付費、試運転費等の
付随費用を加えた金額として決定される。

 これらについては、個別的に当該取得有形固定資産に直接跡づけられるもの
に限定される。

 ただし、金額が僅少な場合など正当な理由がある場合には、これら付随費用
の一部または全部を取得原価に含めないことも認められる。

 また、購入に際し値引または割戻を受けた時は、これを購入代金から控除す
る。つまり、購入により有形固定資産を取得した場合の取得原価は、原則とし
て以下のように決定される。

  固定資産の取得原価=購入代金+付随費用−値引・割戻

 勿論、割引(現金割引)は取得原価から控除されないことは言うまでもない。


 有形固定資産は、稼働して(稼働できる状態になって)初めて収益に貢献す
るのであり、したがって、稼働可能な状態になるまでに個別的・直接的に跡付
けられる付随的なコストは全て取得原価に算入されるということである。

 以上は、最も基本的な内容であるが、最も重要な内容でもある。


 さて、では本信の主題に入ることにしよう。


 まず、個別的な議論についてである。



1.自家建設:
 自家建設の場合に問題となるのは、借入資本に関わる利息の扱いである。

 それは、「連続意見書」に、当該固定資産の建設にのみ要した借入資本の利
子は、その固定資産の稼働前の期間に属するものに限ってこれを取得原価に含
めることができるとされる規定(例外規定)があることによる。

 このことにつき、当該利息を取得原価に含めるべきか否かという議論がある
のである。


(1)取得原価に算入する(含める)とする説:
 当該固定資産の建設にのみ要した借入資本の利子は、その固定資産の稼働前
の期間に属するものに限ってこれを取得原価に算入する(含める)べきである
とする。

 つまり、当該固定資産の建設にのみ要した借入資本の利子は、その固定資産
の稼働前の期間に属するものに限ってこれを取得原価に含め、その稼働する期
間にわたって減価償却計算を通じて収益と対応させることが費用・収益の厳密
な対応を図ることになり合理的と考えられる、というのである。

 そもそも自家建設の場合は、石油精製施設等の大規模なプラントの建設の場
合などであり、したがって、費用も巨額となることから、一般には資本借入を
する場合がほとんどである。

 プラント建設には、巨額のコストともに建設期間も2年、3年またはそれ以上
とかかるのが通常である。

 当然、その建設中は当該プラントは稼働してはいないため、収益の獲得には
まったく貢献しないわけである。

 そこで、取得原価に算入する(含める)とする説は、当該プラントが稼働し
たときの収益に対する貢献を捉え、費用と収益の対応計算の観点から、原価算
入→減価償却費の計上を主張するのである。


(2)取得原価に算入しないとする説:
 「原価計算基準」によれば、支払利息は財務費用であって原価の本質である
経営目的関連性を有さないため、非原価項目とされている。

 しかも、これを取得原価に算入すると、資金の調達源泉によって(自己資本
か借入資本かによって)取得原価が相違することになり、明らかに不合理であ
る。

 したがって、当該利子は取得原価を構成しないとする。

 利息は、読者諸君も既に承知のように時の経過とともに発生するものである。

 借入元金が何に使われるかとはまったく無関係に、借入をした時から時間の
経過とともに発生するのであり、その意味で発生期間の費用とするのが利息の
本質的な属性に適合する費用計上である。

 そもそも、自家建設において「当該固定資産の建設にのみ要した」借入資本
の利子と条件は付くものの、その固定資産の稼働前の期間に属するものに限っ
てこれを取得原価に算入することができるとする「連続意見書」の規定は、現
実的な視点に立って、自家建設に巨額の資金を投入し、当該建設資産が稼働す
るまでは、収益の獲得に利用することもできないという事情を考慮し、その間
の利子の費用計上による利益の圧迫を緩和させる趣旨であり、これに会計学的
な費用・収益の対応計算などといった論理が適合するわけではない。

 その意味で借入利子の原価算入は、本質的な利子の属性を無視するものであ
る。

したがって、基本的に、上記(2)に論理的な正当性があるといえよう。

 「連続意見書」は、「税法等との調整に関する連続意見書」なのであり、そ
こに規定される内容の全てに会計学的論理性があるわけではない。

 しかし、従前から、この「連続意見書」に関する規定を取り上げて、さも会
計学的理論的根拠があるが如くの議論(つまり、虚偽の議論)を学者と名の付
く者達がとうとうとやっている。

 何ともその肩書に恥じる愚かな行為であるのだ。

 借り入れた資本が必ずしも当該自家建設に利用されるという保証も無く、ま
た、それを検証することも不可能なのである。



2.異種資産との交換による固定資産の取得

 上記には個別的な議論として現物出資による場合が挙げてあるが、これを紙
面上で説明するのは、難しい。

 HBAのレクチャーではテキストの当該箇所において、解説MDによって説
明しているため、何とか理解してもらえる状態であるが、紙面上では結構難し
いのである。

 何も出し惜しみをしているわけではない。しかし、ここで、敢えて説明して
も誤解が生じる可能性が高いのである。

 よって、残念ながらここでは省略する。


 そこで、異種資産との交換による固定資産の取得の場合について記すことに
する。

 「連続意見書」には、交換による固定資産の取得に関しては、同種資産の交
換による取得の場合とこの異種資産との交換による取得の場合が規定されてい
る。

 同種資産との交換による取得の場合に関しては議論はないし、読者諸君も既
に承知と思う。

 しかし、異種資産との交換による取得の場合については、去年会計士試験の
論述の問題に出題されたが、巷の受験学校の“解答”とやらは全て間違ってい
た。

 この問題で満点を取れるチャンスがあったのは、HBAの会員だけであった。

 ただし、今時会計士の本試験に出題するレベルの問題ではないのであり、出
題者の実力の程が知れる。


 そこで、ここでは、HBAのテキストにも取り上げてあるが、今は亡き新井
さん(前の審査会の会長であり、その会長であった時、突然に亡くなられた時
は早稲田大学の教授であった)の説明をお借りして説明しようと思う。

 何故、新井さんの説明をここで取り上げて説明するかといえば、この論点を
テクニカルに分かり易く説明しているものが他には皆無だからである。

 この、新井さんの説明は実にテクニカルなものであり、読者諸君にも分かり
易く、これを知った後の大きな勘違いさえしなければ、このHBAmailmagazine
だけでこの議論は全て解決がつくという内容である。

 ただし、これを知った後の大きな勘違いをするか否かは、読者諸君の理解に
よるのであり、ここでの最後に指摘はするが、その点は、十分に注意して欲し
い。

 しかし、巷の市販本等にこれ以上明解な説明など存在しない以上、現状では
今からの新井さんの説明に基づく私の説明がbestであるといえる。


 説明の前に断わっておくが、今から説明する中での用語は、当の新井さんも
ご自分で指摘しているように、会計学での一般に認められた用語というわけで
はない。

 新井さんもそのように説明しており、原文の直訳であり、説明の便宜上それ
を使うとしているのである。

 この点、読者諸君は十分に注意し、去年既に本試験で出題されたことから、
当分は出題される可能性もないはずだが、公の試験などで、不用意に何の定義
もせずにここでの用語を使うようなことは絶対しないことである。

 万が一にも無いとは思うが、もし、ここでの用語を使う場合には、まず用語
の定義をきちんとしてから使わねばならないことを知っておいて欲しい。

 なにやら大げさかも知れないが、以上をまず頭に入れておいて欲しいのであ
る。


 異種資産との交換による固定資産の取得の場合(同種資産との交換による固
定資産の取得の場合も同様だが)の取得原価の決定をロジカルに、根拠といえ
るものを示して説明しているものは、巷には、今からの新井さんの説明以外に
はない。他は、理論ではなく、会話程度のレベルの内容である。


 では、どのように説明するのか?


 これを説明するために、原価即事実説、原価即価値説(これらは上記に記し
た原文の直訳的用語であり、一般に認められた会計用語ではない)という取得
原価の考え方と取得資産の測定方法としての測定対価説および独立価値説とい
う用語を使うことになる。


 上記の取得資産の測定方法のところを見て勘違いをしては困るが、そこでの
測定対価説は読者諸君が知っているであろう、“測定対価主義”とか“支払対
価主義”のことではない。

 以下の説明を読めばそれが分かるはずである。


 これら取得原価に関する考え方である原価即事実説、原価即価値説および取
得資産の測定方法としての測定対価説と独立価値説により、ある主の理論的マ
トリックスが出来上がるのである。


 そこでまずは、取得原価の考え方から説明しよう。

(1)原価即事実説

 この考え方は、有形固定資産の取得に要した対価は、価値を表すからではな
く、企業が経験した確定的な事実を表現するからこれを原価として採るのであ
ると主張される。
 つまり支払対価こそ当該取得資産の取得事実または企業の経験的・確証的な
事実を客観的に示すものであると主張される。


(2)原価即価値説

 この考え方は、会計が本質的に追求すべきものは価値であって、対価は、通
常の市場交換においては、それが取得時の公正な価値にほぼ等しく、したがっ
てその対価にもとづく原価は、価値を表現する一般的な指標として信頼できる
から採用されるのであると主張される。


 上記原価即事実説は、取得原価とは企業が経験した事実(取得時の取得価額
が企業が経験した事実ということである)を表現するものであり、また、原価
即価値説は、現状での取得時の取得価額(市場価額)は、当該取得資産の公正
価値として一般に受入れられていると説明しているのである。

 また、 (A)測定対価説は、受入資産を引渡した(犠牲)資産により評価する
方法のことであり、(B)独立評価説は、受入資産をその市場価額(公正価値と
して認められる価額)により独立的に評価する方法である。


 そこで、以上の(1)と(2)の取得原価の考え方と(A)と(B)の測定方法を組合わ
せてマトリックスを作れば以下のようになる。


 (1)と(A)の組合せによるのを(a)「支払対価主義」という。
 (2)と(A)の組合せによるのを(b)「即時払現金対価主義」という。
 (2)と(B)の組合せによるのを(c)「受入価値主義」という。


(a)「支払対価主義」は、読者諸君も上記のようにロジカルな意味ではなく、
“当然のように”知っていると思っているように、事実としての市場取引にお
いて取引相手に支払った対価額を取得資産の取得原価とするものである。

 これは、資産の取得原価が企業の経験した確定的な取引事実を表現するもの
として実際の支出額により決定されるとする考え方(原価即事実説)に立ち、
特に同種・同一用途の固定資産相互の交換を前提に、固定資産相互の用役の連
続性ないし資産の同一性を仮定し、さらに交換は原則として等価交換であり、
交換により損益は発生しないことを論拠としている。


(b)「即時払現金対価主義」は、上記で分かるように、取得原価の考え方とし
て(2)の原価即価値説を採っていることから、企業が経験した事実を捉えるの
ではなく、資産の価値を捉える考え方に基づいている。しかし、その価値の測
定に当たっては、測定方法として(A)の測定対価説を採っていることから、取
得資産の価値を取引相手に「引渡した資産の価値」によって測定し、それを取
得資産の取得原価とする。
 この場合に、一般に「引渡した資産の価値」は当該引渡資産の市場時価を意
味する。

 したがって、一般に交換取引を売却取引と購入取引との複合取引と擬制し提
供資産をいったん売却し、その売却代金で受入資産を購入したと仮定すること
により、受入資産の取得原価は、資産の通常の取得と同様に、その対価として
の支出額をもって決定することになると説明されることになる。

 なお、この場合には、引渡資産の時価と簿価に差異があれば「売却損益」が
認識される。

 この「即時払現金対価主義」によれば、「連続意見書」の購入による取得か
ら交換による取得(異種資産との交換による固定資産の取得)までを、整合的
に説明できることになるが、贈与による取得の場合を他と整合的に説明するこ
とはできない。


(c)「受入価値主義」は、(2)の原価即価値説を前提とし、測定方法として(B)
の「独立評価説」を採ることから、取引上の引渡資産とは無関係に、取得資
産の価値を独立的に測定し、それを取得資産の取得原価とする。

 通常、支出額により取得原価を決定するのは、市場交換一般において、支出
額が受入資産の経済的価値を示す公正な市場価額を反映しているとみられるか
らである。

 したがって、支出額が受入資産の公正な市場価格を反映していないときは、
受入資産の取得原価は、支出額から独立してその公正な市場価額により決定さ
れると考える。

 なお、この場合には、一般に「交換差損益」が認識される。

この「受入価値主義」によれば、「連続意見書」の購入による取得から贈与に
よる取得までの全てを整合的に説明できることになる



 ここで、一般に広く会計上の取得取引を示せば以下のようである。


 <1> 通常の市場交換取引(による場合は(1)と(2)では同じ結果)
 <2> 貨幣性資産を対価として費用性資産を等価交換によらず取得
    ex. 低廉譲受、幸運買
 <3> 現有の費用性資産を対価として新規の費用性資産を取得
 	  ex. 物々交換
 <4> 無償で費用性資産を取得
    ex. 受贈


 上記に示す取引において、<2>と<3>と<4>の取引において(1)原価即事実説と
(2)原価即価値説で取得資産の取得原価の決定に根本的な相違をもたらす。
 具体的には(a)「支払対価主義」と(b)「即時払現金対価主義」と(c)「受入
価値主義」で相違することになる。


 さて、いかがであろうか?

 ロジカルで、その差異がよく分かるはずである。


 そこで、「連続意見書」において、異種資産との交換による有形固定資産の
取得の場合には「引渡資産の時価または適正な簿価をもって取得原価とする」
を論理的に説明できるのは、上記の(b)の「即時払現金対価主義」と(c)の「受
入価値主義」であり、(a)「支払対価主義」では説明することはできない。


 このことから明らかなように、巷の受験学校の“解答”で、“支払対価主義
”を示し、仕訳において貸方に“売上”を立てているものはまったくの間違い
である。

 また、巷の受験学校の“解答”として仕訳において貸方に“資産交換益”を
立てているものについても、「連続意見書」が「引渡資産の時価または適正な
簿価をもって取得原価とする」と規定していることから、取得固定資産の価値
を引渡資産に関係なく独立的に測定しているわげてはなく、つまり、上記(c)
の「受入価値主義」を採っているわけではなく、したがって、“資産交換益”
ではなく、「売却益」としなければならない。つまり、間違いである。


 なお、HBAの「解答」については、HPにおいて参照して欲しい。


 巷の“解答”は誤りである。しかし、巷の受験学校の講師は、上記のロジッ
クを知らない。
 正しい理論を知らない者が作成する“解答”であれば、それに文句を言う意
味もまた無いのである。



 さて、ここでの最後に、当初に指摘しておいた「大きな勘違い」をしないた
めの注意である。


 ここまで読んできた読者諸君の中には、「なるほど分かったぞ、それじゃ、
『連続意見書』における規定は、購入、自家建設、現物出資、交換(同種資産
との交換による固定資産の取得)については、(a)の『支払対価主義』によっ
て理論的・整合的に説明することができ、交換(異種資産との交換による固定
資産の取得の場合)は、(b)の『即時払現金対価主義』によって理論的に説明
でき、また、贈与の場合は、(c)の『受入価値主義』によって理論的に説明で
きるわけだ!」と納得した諸君がいるはずである。


 実は、これが「大きな勘違い」というヤツである。


 このように考えれば、全てを説明でき、実にすっきりした感じがするのかも
知れないが、そうではないのである。


 会計学の理論とは、このmailmagazineでも何度も指摘しているように一筋の
線香の煙が真っ直ぐに立ち上るように議論しなくてはならない。

 同じ「連続意見書」内において、3つもの異なるロジックを前提にして、そ
れぞれを都合のいいように当てはめて内容を規定しているわけではない。


 固定資産の取得原価に関する「連続意見書」の規定内容を説明するにあたっ
て、(a)の「支払対価主義」によるのであれば、上記「連続意見書」の規定の
全てをこの「支払対価主義」によって説明しなければならず、また、(b)の「
即時払現金対価主義」によるのであれば、上記「連続意見書」の規定の全てを
この「即時払現金対価主義」によって説明しなければならないのである。それ
は(c)の「受入価値主義」による場合もまったく同様である。

 したがって、(a)の「支払対価主義」に立って上記「連続意見書」の規定を
説明するならば、交換(異種資産との交換による固定資産の取得の場合)と贈
与による固定資産の取得の場合は理論的・整合的に説明できないことになり、
この場合、それらは、「支払対価主義」の例外とされることになる。

 また、、(b)の「即時払現金対価主義」に立って「連続意見書」の規定を説
明するならば、交換(異種資産との交換による固定資産の取得の場合)までは
理論的・整合的に説明することはできるが、贈与による固定資産の取得の場合
は理論的・整合的に説明できないことになり、この場合、それは、「即時払現
金対価主義」の例外とされることになる。

 その点、(c)の「受入価値主義」に立って上記「連続意見書」の規定を説明
するならば、上記「連続意見書」の全ての規定を理論的・整合的に説明するこ
とはできるのである。
 ただし、それが、企業会計原則等と全てに対して整合的であるのかといえば
そうではないのである。


 現行企業会計の基本は従前から(a)の「支払対価主義」であり、それは現在
も変わってはいない。

 それを前提とすれば、上記「連続意見書」の規定内容のうち、交換(異種資
産との交換による固定資産の取得の場合)と贈与による固定資産の取得の場合
は「支払対価主義」の例外とされることになるのである。




 さて、思いもかけず固定資産の決定に関する説明が長くなった。読者諸君に
誤解の無いようにと思うことが原因であり、それからすれば仕方がないのかも
しれない。

 本信の予定では、この後、固定資産の「減損会計」について記す予定であっ
たが、これは次回とすることにしようと思う。

 したがって、今回はここまでである。



 さて、現在このHBAmailmagazineは諸処の事情から月一ペースとなっており、
登録して頂いている読者の皆さんにはお待たせして申し訳ないと思っている次
第です。

 これについては、前信で今月1月までの予定としていましたが、資料作成等
が逼迫している事情から、大変申し訳ないのですが、来月2月までは月一ペー
スとなると思います。

 大変申し訳ありませんが、ご了承ください。





 では、また次回に!!





 なお、本mailmagazineの発行に関する情報は、HBAのHP「お知らせ & 
トピックス」に掲載しますので、そちらで確認をしてください。

 ※HBA/「お知らせ & トピックス」はこちら >>>



 以上よろしくお願いします。









◇ =============== =============== ============= =================

◇ =============== =============== ============= =================

◇◇◇今回の問題◇◇◇

問題1
 仕入先から現金割引を受けた場合に、(1)棚卸資産の取得原価から現金割引
額を控除すべきであるとする考え方と(2)控除すべきではないとする考え方と
があります。

問1
 それぞれの考え方において、仕入割引の本質はどのようなものと解されます
か。また、それぞれの考え方の根拠を明らかにしなさい。(各6行)

問2
 それぞれの考え方において、棚卸資産の取得原価がどのような価額によって
決定されるかを説明しなさい。((1)5行・(2)6行)

問題2
 有形固定資産の調達資金を銀行借入れによって賄った場合、当該資金にかか
わる利息相当部分すなわち借入資本利子を(1)取得原価に含めるべきではない
とする考え方と(2)含めるべきであるとする考え方とがあります。それぞれの
考え方の根拠を明らかにしなさい。((1)6行・(2)4行)

問題3
 「企業会計原則」および「連続意見書」では、利息相当部分の取得資産の取
得原価への算入についてどのような基本的立場を採っていると考えられますか、
論拠とともに説明しなさい。(6行)




《参考問題》
 棚卸資産を期末に実地調査することによって生ずる棚卸減耗損は、本来、損
失であって収益との間に因果関係をもっていないはずのものと考えた場合、こ
れを損益計算上に計上することの合理性を費用収益の対応計算の観点から説明
しなさい。(13行)





〜問題に関する確認項目〜

○仕入割引に関する処理の論拠を理解しているか?
○仕入割引に関する2つの処理のそれぞれによって、取得原価およびその費用
価額の意味を理解しているか?
○自家建設における借入資本利子の所得減への不参入説と算入説の論拠を正し
く理解しているか?
○「連続意見書」の利息の取扱の理解があるか?

○《参考問題》
 棚卸資産に関する棚卸減耗損は、損失であって収益との間に因果関係をもっ
ていない。これは、本来投下資本の回収維持計算から説明されるが、それをこ
こでは費用・収益の対応計算の観点から説明しなければならない。
 それを理解しているか?









・解答行数:上記各問題文末参照。

 ・満点  問題1
      問1:30点
      問2:25点
      問題2:30点
      問題3:15点
     以上合計:100点。






◇ =============== =============== ============= =================




◎解答・解説(一部または全部)は次回のメールマガジンにおいて掲載する予
 定です。
 また、次回メールマガジンの発行日の翌日以降、当アカデミーの『HBAメ
 ールマガジン』のコーナーにも解説を掲載します。
 
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◎当mailmagazineの休刊等の情報については、HBA/「お知らせ & トピッ クス」に掲載します。  ※HBA/「お知らせ & トピックス」はこちら >>>  ※HBAの資料請求はこちら >>> ※※HBAの内容等に関する問い合わせはこちら >>> ◇ =============== =============== ============= ================= ◇ =============== =============== ============= ================= ◆◆◆前回の問題の解答・解説◆◆◆ ◆◆◆◆◆ =============== =============== =================== ===  前回は動態論の構造的特質についての総復習であったため、出題をお休みし ましたので、今回は「前回の問題の解答・解説」はありません。 ◆ =============== =============== ============= ================= ◆ =============== =============== ============= ================= ◎メールマガジンのバックナンバーは、当アカデミーの『HBAメールマガジ ン』のコーナーでもご覧になれます。    ※HBAメールマガジンのコーナーはこちら >>> ◎当mailmagazineの休刊等の情報については、HBA/「お知らせ & トピッ クス」に掲載します。  ※HBA/「お知らせ & トピックス」はこちら >>>  ※また、HBAの資料請求はこちら >>> ※HBAの内容等に関する問い合わせはこちら >>> ◆ =============== =============== ============= ================= ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 発行者     : ハスイ・ビジネス・アカデミー(HBA) ホームページ  : HBA/TOP
※メルマガの購読中止は上記ホームページでもおこなうことができます。 ※まぐまぐ!サイトでのメルマガの購読中止はこちら>>> >>> □ 雑 感 □=========================== ◎HBAmailmagazineの発行が月一ペースになっていて申し訳ありません。  実は、本年度は、期中にもかかわらず公認会計士試験のための監査論テキス トVol.2を全面的に大改訂したのです。  HBAの監査論のテキストはVol.1が理論編として、現行リスクアプローチの構 造を体系的に理解してもらいためのテキストとして位置づけられ、また、Vol. 2は、そのVol.1の理解を前提とした技術編(各論編)として位置づけられ、両 者の理解によって監査実施のプロセスが立体的に理解できるように制作してあ ります。  監査実施のプロセスが立体的に見えるということは、会計士試験の受験生に とって実に重要なことです。  当然のことながら実務経験の無い受験生には、監査の実務に行けば簡単なこ とでも、その意味内容を紙資料だけで理解することはかなり難しいことです。  監査の実施プロセスに関する理論的理解を前提として、監査実施の全体像に ついての立体的なイメージを持ってもらうためのテキストおよび講義が不可欠 なのです。  今回の大改訂によりVol.2(全480ページ)は、上記の趣旨を十分反映したも のに仕上がったようです。  ページ数は多いものの、Vol.1の体系的理解が十分であれば、解説MDが無 くてもスラスラと頭に入ってくるはずです。  というわけで、現在この影響で他の資料の作成に追われている毎日というわ けです。  HBAmailmagazineに登録の読者の皆さんには、もう少しの間だ発行間隔が空 いてお待たせすることになりますが、現在鋭意作業中ですので、隔週発行まで しばらくお待ちください。  しばらく休んでいる監査論も、現在の財務諸表論の内容が一区切りしたとこ ろで復活する予定です。 ◎当のご本人たちにはここに紹介することを事前に断わってはいないのですが、 かれらの個人情報は一切出ないので少し紹介しましょう。  実は、現在HBAの会員には、税理士試験の受験生2名と不動産鑑定士試験 の受験生が1名います。  彼らが会計士試験の受験生ではないことははじめは分からなかったのですが、 質問等のやりとりの中で、受験環境を知らせてもらうことがあり、現在はそれ ぞれの環境での学習を私が理解した上での対応を行っています。  彼らがHBAへ申し込むに当たって悩んだことは、税理士受験の受験生の場 合は、財務諸表論における計算(簿記)と理論のウエイトが50%/50%であり、 当HBAでは、現在税理士コースが無いことから、HBAの財務諸表論コース では税理士試験の理論対策しかできず、そのためのメンバーフィとしては、や や負担が大きいことであったといいます。  また、同様に不動産鑑定士試験の受験生も、不動産鑑定士試験における財務 諸表論のウェイトが低いことから、やはり少し悩んだとのことでした。  このような状況を踏まえて、将来的(早ければ2009年度から)に、とりあえ ず税理士コース(ただし、財務諸表論・理論コース限定)を開設することを検 討しています。  内容・ボリューム・メンバーフィをディチューンして開設できればと思って いるところです。  現在、上記の税理士試験の受験生および不動産鑑定士試験の受験生の皆さん は順調に学習が進んでおり、HBAで提供する資料や解説、質問等の対応にも 十分満足して頂いているようであり、質問内容も会計士試験受験の会員に勝る とも劣らない核心的な内容の質問をしてきます。  むしろ、彼らが会計士試験の受験生だったらと私が思うほどです。  おそらく、私の感触(質問内容や答練の答案によって実力のレベルが判断で きます)ではいずれも今年合格するであろうと思います。  過去に会計士試験で、質問内容や答練の答案を添削して、この人は今年合格 するなと私が確信した受験生は全てその年に合格しています。  質問等でよく私のところに来て顔見知りの受験生には「君は今年合格するよ 」と直に言ったものですが、そんな時、本人はうれしそうにしながらも「本当 ですか?」と怪訝そうな顔をするのですが、私がそう言って合格できなかった 受験生は今まで一人もいないのです。  それは、質問の内容や答練の答案を見ていると実力が良く分かるからです。  ですので、上記の税理士試験受験の会員と不動産鑑定士試験受験の会員の方 たちは、今年、必ずや合格するという感触を現時点で感じているわけです。  現在HBAには、会計士コースしかありませんが、税理士試験や不動産鑑定 士試験等の受験生で財務諸表論の学習に困っている人、悩んでいる人は是非 HBAの資料請求をしてみてください。  現状では、会計士試験コースの内容とメンバーフィということになりますが、 合格にとって大きな力となるはずです。  要は、自分のやる気と学習する資料の善し悪しで合格は決まります。  一見、見た目は良いものの、内容が不良な資料や講義では高得点のための戦 略科目になるものもダメになるのです。  一度考える価値はあると思いますよ!!  さて、今年も既に1月下旬、今年が読者諸君にとって良い年になるように願 っています。  ではまた。 =================================== 暗記を強要される受験勉強って間違っている。HBAでは公認会計士試験の早 期合格を目指す諸君に、本質的な講義内容を提供します。当メルマガの有意義 な問題にチャレンジして、早期合格を目指しましょう。