【HBA王道セミナー】すべての理解は基礎理論の理解にあり!!基礎理論の
理解無しに応用など存在しない。




                            2008.3.23発行
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《第28講》「各論一考/その二(有形固定資産 その二)」
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◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

 読者の皆さん、ずいぶんの無沙汰となり申し訳ありません。

 諸処事情が重なり、今回の発行が大変遅れ、申し訳ありませんでした。

 皆さんは、順調に学習に励んでいるでしょうか?



 さて、今回は減損会計である。


 読者諸君はかつて、バブル崩壊の際に企業が保有していた土地や建物といっ
た有形固定資産の価値(時価)が極端に下落したことを覚えていることと思う。

 バブルの時代には、営業利益(つまり、主たる営業活動による利益)は僅少
であるのに、もしくは営業利益はマイナス(赤字)にもかかわらず、営業外利
益(主たる営業活動以外の活動による利益、つまり、株式投資等による利益)
や特別利益(一般的には臨時的な利益であるが、バブルのときは土地の売却益
等が土地転がしなどにより経常的に計上された)によって過大な利益を計上し、
これをもって高配当を演出し、また、その偽りの好業績の真意を見抜けなかっ
た投資家がそのような企業に多額の投資を行ったのである。

 主たる営業活動による利益が僅少または赤字の企業は、当然の結果としてバ
ブル崩壊時に持ちこたえることはできず、次々と倒産した。勿論、それらに投
資した投資家も自己の投資を回収することなどできなかったのはいうまでもな
い。


 バブルではなくても、企業環境が短期的に激変する要素をもつ昨今では、企
業の環境適応行動に伴い、企業が保有する機械装置等の固定資産やソフトウエ
アといった生産設備が生み出す価値(キャッシュ・フロー)が当初の予想を大
きく下回る場合が多々生じている。

 従前の企業会計の基準では、棚卸資産とは異なり、固定資産に物理的な減価
が生じた場合等以外では評価切り下げが認められてはいなかった。

 陳腐化等による機能的減価の場合は、当初の減価償却計画上の耐用年数の見
積誤りの修正に伴う臨時償却(過年度減価償却費の修正)として計上されたが、
その場合は、収益との因果関係が前提とはされなかったのである。

 したがって、将来的な収益の落ち込みの可能性が高まり、当初の投資計画に
基づく資金回収ができなくなる状況が生じていても、有形固定資産については
当初の減価償却計画に基づき、当初の取得原価を前提とする減価償却費が毎期
計上され、それが落ち込んだ収益に対応計上される結果、企業利益を圧迫する
状況が生じていたわけである。

 そのような状況に鑑み、将来への損失の繰延べを回避する趣旨として「減損
処理」が有形固定資産に適用されることとなった。


 この減損処理(減損会計)は、現行企業会計においては、取得原価主義の下
において適用される帳簿価額の評価切り下げであると説明されていることは読
者諸君も承知のことであろう。

 しかし、当の減損処理はそもそも資産評価論から生じたものである。

 つまりは、時価評価ということであり、現行企業会計が説明する取得原価主
義の下での帳簿価額の評価切り下げという話で始まったわけではない。


 米国では企業経営者の交代時に、大規模な組織変更を理由として、土地など
の有形固定資産を必要以上に評価減し、当該評価減を行った期には多額の特別
損失を計上しつつも、翌期には当該土地を売却するなどして過大な利益を計上
して見せかけの業績回復を演出し、また、この大幅に切り下げられた評価額に
基づいて減価償却費を計上し、実際には収益側は改善されていないにもかかわ
らず、翌期以降に結果的に過大な利益が計上されるという業績回復を演出する
といった荒技が活用されたのである。

 つまり、見せかけの収益性によるV字回復が演出されたわけである。当時の
アメリカではこれが横行し、やり過ぎてしまったのである。

 そこでそのような評価減にも一定のルールが必要だとされ、減損処理に関す
るルールが設定されることとなった。これが本来の減損会計のルーツというわ
けである。


 我が国の現行企業会計における減損会計は、既に記したように取得原価主義
(会計)の下で行われる帳簿価額の評価切り下げであるとされ、当初予定され
た収益性の下方修正、つまり、収益性の落ち込み予測により当該固定資産への
投資が将来的に回収できなくなる状況が生じていることが認められる場合には
当該固定資産の帳簿価額の評価切り下げを行い、将来に損失を繰延べないよう
にしなければならない、と説明されるのである。

 この説明の最大の目的は、時価を適用して評価切り下げはするが、それは「
時価主義」に基づく評価というわけではないということにある。

 つまり、評価切り下げに際しては、基本的には「時価」が利用されるが、そ
れは時価主義によるのではなく、取得原価主義(会計)の下での評価切り下げ
であり、時価は評価切り下げのための指標として利用するだけだというのであ
る。


 これと似たものとして、棚卸資産の低価法や強制評価減を思い浮かべる読者
諸君もいるかもしれない。

 低価法では、やはり時価が適用されるが、それは時価主義に基づく評価とい
うことではなく、取得原価主義(会計)の下で時価を評価切り下げの指標とし
て利用する。

 低価法の適用による評価損は、以前にも記したように翌期の販売損失の先取
り計上(見越計上)である。

 つまり、この場合の時価とは、販売市場の時価であり、したがって、それは
販売収益と直結している。だからこそ、翌期に当該棚卸資産を販売すれば販売
「損失」が生じるのである。

 そのような状況は以前にも指摘したように「偶発事象」が存在する状況であ
り、その場合の「損失」は偶発債務である。

 つまり、「損失」の発生の蓋然性が高いことから、本質的には偶発債務とし
て計上されるべき対象であるということである。


 この棚卸資産に対する低価法の適用は、市場時価の変動を前提としている。
つまり、経済学にいう合理的な市場機能を前提としている。

 それは、当該棚卸資産の仕入に関してはその時価(販売市場での時価)の変
動が読込み済みであるということであり、したがって、当該低価法が適用され
る棚卸資産には翌期以降においても営業活動上継続的な仕入と販売が予定され
ているのである。

 販売市場での時価の変動を投資サイクル上において読込んだ上で、資金投資
とその回収が短期的に繰り返し行われるのである。


 これに対して、強制評価減の適用の場合は事情が異なる。

 棚卸資産に強制評価減が適用される場合は、時価の下落が帳簿価額の50%を
越える程の著しい下落の場合である。

 この状況にある棚卸資産は、いわゆる一般的な表現でいえば、投げ売りの状
態なのであり、当該棚卸資産への投資額の回収などという状況ではなく、投資
額の一部でも回収、つまり、いくらでも良いから現金にしたい(現金回収がし
たい)という状況であり、そのような商品を翌期にも仕入れて販売することは
予定されるはずもないのである。

 ここでは、当該棚卸資産への投資に関して読込んだはずの販売市場の時価の
変動の範疇を越えた変動が生じたのであり、当該資産への投資サイクル上の前
提が崩壊しているのである。


 有形固定資産に関しては、従前は予定された耐用期間内では評価減などが適
用されることはなかったが、有形固定資産についても、一定の条件の下、将来
的な収益の落ち込み予想に基づき、将来的に投下資本の回収ができない状況が
見込まれる場合には評価減が適用されることとなった。

 といっても、有形固定資産の減損処理(減損会計)は、棚卸資産の場合のよ
うに単純に期末の帳簿価額と期末時価を比較しての評価切り下げとは事情が異
なるのである。

 一般企業の場合、有形固定資産は販売目的で保有されるのではなく、使用目
的で保有されるのであり、したがって、その価値も売却価値ではなく使用価値
で評価されることが合理的であるとされ、したがって、当該有形固定資産への
投資は、その使用価値が現実のキャッシュ・イン・フローとして具現(実現)
した時、つまり、一般的には収益が計上された時に、その収益から回収される
と説明されるのである。


 読者諸君は、有形固定資産の減損処理は、有形固定資産に対する投資額(全
額)が将来的な収益の落ち込み予想により、当該固定資産に対して当初予定さ
れた耐用期間における収益によって回収することができないと見込まれる場合
に適用される評価切り下げである、という減損会計基準の適用趣旨における説
明を知っているはずである。

 この説明は、基本的には上記のような有形固定資産に対する投資とその回収
に関する事情が前提となっている。


 しかし、その説明において、期末の帳簿価額と期末時価を単純に比較して、
時価が帳簿価額よりも低い場合に減損処理が適用されるのではない、という部
分について、その本質的な意味を知っている読者諸君は少ないのではないだろ
うか?


 実は、この説明(減損会計基準の説明)の前提には、現行企業会計上で適用
されている減価償却手続(減価償却費の計算)に係る事情が存在している。

 簿記的に固定資産の減価償却手続を知っている読者諸君にとっては、一定の
減価償却方法に基づき正しく計算された減価償却費は、期間損益計算の基本原
則である費用・収益対応計算に基づいて計上される費用として正しく計上され
たものであるとの理解であるはずだ。

 実は、これが誤解の元なのであるが、上記の減価償却費は、実は、期間損益
計算上において正しく当該期の収益に対応計上されているわけではない。


 そもそも、既存の減価償却手続(減価償却計算)、つまりは現行企業会計上
において一般に公正妥当と認められた会計処理の原則および手続としての各種
の減価償却方法は、「現実の減価」の状態を事実に即して会計上で捉て減価償
却費を計算できる方法ではないのであり、その意味で「仮定計算」といわれる
のである。

 つまり、一般に認められる(観念される)減価の状態としては、減価が毎期
一定づつ生じる状態や使用当初における減価が激しく、その後徐々に減価が低
減する状態等が観察されるものの、それらを正確に認識・測定することはでき
ないということである。

 例えば、車両という有形固定資産の場合、1年間の利用に伴う減価を事実に
即して正しく認識・測定しようとすれば、利用に伴ってエンジンの内部はどの
くらい摩耗しているのか、タイヤはどの程度摩耗しているのか、ブレーキはど
の程度摩耗しているのか、ボディの塗料はどの程度走行によってすり減ってい
るのか、シートはどの程度ヘタっているのかなどをそれぞれにおいて事実に即
して正確に認識・測定しなければならないのである。

 もし、それらを正確に事実に即して認識・測定することができ、それに基づ
いて算出した減価償却費を期間損益計算上に計上することができるのであれば、
それは名実共に費用収益の対応計算の趣旨に適った費用の計上であり、真に正
しい(適正ではない、まさに「正しい」である)期間損益計算ということがで
きるのである。

 しかし、現実にはそのようなことができるわけではない。

 つまり、現実に生じている減価(つまり、利用に伴い事実として減価は生じ
ているのであり、それが収益の獲得に貢献していること)を観念できても、そ
れを会計上に正確に表現することはほとんど不可能なのである。

 そこで、一定の減価の状態を概括的に場合分けして認めると共に、その減価
の状態に適合する償却費の計算方法を「一般に公正妥当と認められる会計処理
の原則および手続」として定め(その意味で「事実計算」ではなく「仮定計算
」である)、それらの中から企業の利用状況に適合する方法を選択適用するこ
ととしたのである。

 したがって、それら「一般に公正妥当と認められた会計処理の原則および手
続」の中から合理的に選択した償却方法を適用すれば、その結果計上される減
価償却費は「適正な期間費用」であるとされ、したがって、そのようにして計
算される期間利益は、費用収益対応計算による「適正な期間利益」であるとさ
れるのである。

 現行企業会計上においての「適正」とは、事実に即して事実そのものを正確
に会計上に表現するものではないため「正確」とは言えないことから使われる
用語なのであり、その意味で上記の事情を背景とした用語なのである。

 以上のように、現行企業会計上で計上される減価償却費は収益に正しく対応
して計上されるわけではなく、一定の定められた減価償却計算の結果として、
収益との対応関係に関係なく、一方的に期間損益計算上に計上され、その期の
収益に結果的に対応させられるのである。


 この理解に立って減損処理を考えるならば、期末の帳簿価額がその意味で正
しい未償却残高を意味するわけではなく、したがって、期末の帳簿価額と期末
の時価を比較しての評価切り下げなど意味が無いことが理解できるはずである。

 したがって、減損処理において、投資の回収性を考慮する場合に、投資の全
額とその耐用期間における収益性との比較こそが現状では減損処理上の意義を
もつのである。

 投資の回収性の観点からの減損処理であるとの表面的な説明は、基準等を読
めば知ることはできるが、その説明の真意を知ることは、会計学の本質的な基
礎理論の理解なくしてはできない。


 上記の理解を得て「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」
における以下の説明文をもう一度読んでみるとよい。いままで、どんなにその
文章を読んでも分からなかった真の意味が浮き上がって見えてくるはずである。

『三 基本的考え方

 固定資産の減損とは、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなく
なった状態であり、減損処理とは、そのような場合に、一定の条件の下で回収
可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理である。
 減損処理は、本来、投資期間全体を通じた投資額の回収可能性を評価し、投
資額の回収が見込めなくなった時点で、将来に損失を繰り延べないために帳簿
価額を減額する会計処理と考えられるから、期末の帳簿価額を将来の回収可能
性に照らして見直すだけでは、収益性の低下による減損損失を正しく認識する
ことはできない。帳簿価額の回収が見込めない場合であっても、過年度の回収
額を考慮すれば投資期間全体を通じて投資額の回収が見込める場合もあり、ま
た、過年度の減価償却などを修正したときには、修正後の帳簿価額の回収が見
込める場合もあり得るからである。』


 基礎理論の正確な学習による理解の重大性を読者諸君も重々知るべきであろ
う。

 会計学における基礎理論は古く、時事的な会計基準や会計処理の内容を表面
的に知ることこそが最新の会計を理解することであるといった根本的な誤解が、
近時の会計基準や会計処理を表面的にしか知ることができない(ほとんどの場
合、会計処理を知っているだけである)ことの元凶なのである。


 さて、減損会計(減損処理)についての理解が深まったであろうか?


 今回は少々短めであるが前回が多少長かったからバランス的にはよいかもし
れない。

 今回は、ここまでである。





 次回は、発生主義会計における二大矛盾である繰延資産と引当金(偶発事象
)の予定である。







 では、また次回に!!





 なお、本mailmagazineの発行に関する情報は、HBAのHP「お知らせ & 
トピックス」に掲載しますので、そちらで確認をしてください。

 ※HBA/「お知らせ & トピックス」はこちら >>>









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◇◇◇今回の問題◇◇◇

問題1
 今日の企業会計において、貸借対照表項目たる棚卸資産と有形固定資産は、
ともに支出・未費用項目として共通性を有しています。両者はともに、取得原
価に基づき費用配分手続によって算定された費用額が当期の損益計算上に計上
されるとともに、基本的にはその費用額を差引いた残額が貸借対照表価額とさ
れます。
 そこで、これらの資産に関して、その費用化のプロセスや貸借対照表価額の
決定について以下の問に答えなさい。
(注)ただし、商業の場合を前提に上記の資産を考えること。

問1
 棚卸資産と有形固定資産の費用化の手続は、それぞれの属性によって異なり
ます。どのように異なるのか、その属性を踏まえて説明しなさい。その場合、
収益との対応関係についても言及しなさい。
(棚卸資産について:4行・有形固定資産について:7行)

問2
 棚卸資産もしくは有形固定資産の取得原価から「問1」の費用化額を差引い
た残額については、決算期末において何らかの追加的な手続を実施することに
より、資産としての実在性の観点から貸借対照表価額としての妥当性が検討さ
れ、必要な場合には、その修正がおこなわれます。そこで、これらの資産につ
いての実在性の確認がどのように行われ、その結果として、それぞれどのよう
な修正が必要となるのか説明しなさい。
(棚卸資産について:4行・有形固定資産について:5行)

問3
 棚卸資産もしくは有形固定資産に関する費用化額を、損益計算上へ計上する
ことによって回収された投下資本の財務的効果について、どのような違いがあ
るか説明しなさい。
(プロローグ:2行・棚卸資産について:3行・有形固定資産について:3行)

問4
 「問3」の項目が、損益計算書上に計上される項目として共通する特質を二
つ挙げて説明しなさい。(特質(1):4行・特質(2):6行)







〜問題に関する確認項目〜

 今回の問題は、以前に当HBAmailmagazineにおいて既に提示したが、解答は
示さなかったものである。

 HBAmailmagazineの棚卸資産および有形固定資産に関する内容を読んで、自
分なりに解答を考えてみると良い。

 巷に本問の解答になる内容など存在しないから、諸君が得意とする解答の「
切り貼り」の対象となるものなどを探すのは時間の無駄というものである。

 考えることが実力をアップさせる最良の方法である。



○今日の企業会計における期間損益計算は、現実の継続企業としての資本運動
を前提としている。したがって、期間損益計算はもとより、貸借対照表上の項
目等についての理解は現実の企業の資本運動を前提にこれを考えなければなら
ない側面を当然にもつが、その理解があるか?
○棚卸資産の費消は物量的・客観的に把握できるのに対して、有形固定資産の
費消は物量的・客観的に把握できないという理解がある?
○動態論の会計構造を基礎とする発生主義会計においては、利益計算は損益法
による。しかし、問題は、この損益法の手法だけでは自己完結的に利益計算を
行なうことができない事情が、現実の企業の資本運動を前提にする場合生じる
ことである。これを正しく理解しているか?
○本問での資金創出効果は、支出を伴わない費用の計上によってもたらされる
ものであるが、それが資金創出効果をもつか否かは再投資のタイミングによる
ことを知っているか?








・解答行数:上記各問題文末参照。

 ・満点  問題1
      問1:30点
      問2:20点
      問3:30点
      問4:20点
     以上合計:100点。






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◎解答・解説(一部または全部)は次回のメールマガジンにおいて掲載する予
 定です。
 また、次回メールマガジンの発行日の翌日以降、当アカデミーの『HBAメ
 ールマガジン』のコーナーにも解説を掲載します。
 
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