【HBA王道セミナー】すべての理解は基礎理論の理解にあり!!基礎理論の
理解無しに応用など存在しない。




                             2008.8.29発行
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 はじめてご登録いただいた方へ!

 諸君、君たちの勉強方法はまちがっていないか?
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 暗記だけでは、本当の勉強はできない。
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 たとえば講師に“本質的な実力”が伴っていなかったとしたら、
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 当アカデミーでは、そういった受験業界の風潮を打破したい。
 このメールマガジンでは、Q&A形式で諸君を応援する。
 まずは基礎。
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===========
 本質的な4つの提案
===========

 当アカデミーでは、受験生諸君に以下の4点を提案したい。

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《第32講》「各論一考/その六」
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◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

 読者の皆さんこんにちは!! 


 大変長らくのご無沙汰で申し訳ありません。

 HBAメールマガジンに登録の読者の皆さんには大変ご迷惑とご心配をおか
けし、申し訳ありませんでした。



 そもそものHBAメールマガジンの発行趣旨は、巷では本物の会計学を教え
てもらってはいないであろう、したがって、本物の会計学を学習した経験が無
いであろう巷の会計士試験の受験生に、本物の会計学とはどのようなものかを
知ってもらうことを願ったものです。

 一般にいろいろなメールマガジンの発行サイトなどで発行されているメール
マガジンの多くがそうであるように、マガジン自体の人気を得ることを目的と
するものではない(決してそれが悪いといっているのではない。発行趣旨が異
なるという意味)のです。

 したがって、初回発行時には、一般的な乗りの良い語り口調のものとは異な
り、そのスタンスが違うことから、上記のような会計士試験の受験生にはヘビ
ーな内容の当メールマガジンは、ほとんど読者の登録がないであろうかと、か
なり悲観的であったものでした。

 ところが、いざ初回を発行してみると私の予想は見事に裏切られ、初回に
70人以上の読者登録があったのです。

 これには、さすがに私も驚き、そしてある種感動し、当メールマガジンによ
って上記の趣旨を多少は実現することができそうな気がしたものでした。

 おかげさまで、HBAメールマガジンへの登録読者の増加とともに、HBA
もそれなりに知名度を上げる結果ともなり、現在のHBA会員はHBAメール
マガジンを読んで申し込んだという方がほとんどという状況です。


 2006年の3月に初回発行をしてからはや2年を越え、初めて本物の会計学に触
れるであろう読者諸君には少しばかりヘビーな内容かなと思いつつも、無事今
日に至り、ピックアップした内容は概括的とはいえ、基本的かつ本質的な考察
(個別財務諸表におけるものは)はそろそろとりあえず一巡することになりま
す。


 そこで、今回のような当方の諸処の事情による発行遅延により、登録の読者
の皆さんにご迷惑とご心配をおかけすることを憂慮し、また、タイミング的に
も丁度良いかもしれないとも思い、とりあえず当メールマガジンの発行周期を
現在の「隔週刊」から「月刊」へと変更させてもらうことにしました。

 ただし、原則としての発行周期は「月刊」としても、時間的に余裕のある場
合や、タイムリーな内容は上記発行周期にかかわらず間欠的に発行することも
視野に入れています。


 登録の読者の皆さんには何とぞご了解頂きますようお願いします。







 さて、長らく(約3ヶ月)ご無沙汰してしまったが、上にも記したように前
信までで、およそ個別財務諸表に関する基本的な事項・論点・その解釈等につ
いて、巷に蔓延する間違った解釈や誤解、そして無知についてはとりあえず一
通り、つまり、巷の受験生が本当のことを知らないであろう内容で基本的なも
のについては概括的に一通りだが、是正してきた。


 そこで、本信では、実は巷の受験生が、そして読者諸君が最も正しいこと、
つまりは本物を知らない「一般原則」に関して、重要と思われる内容をピック
アップして見てみることにしようと思う。

 そして、その中で、直近の旧商法の改正時から、そしてさらに移行した会社
法での規定等によりその本質的な意義が見えにくくなってしまった「資本」(
自己資本)について、基本的かつ本質的な意義を一般原則の「資本・利益区別
の原則」を取り上げる箇所で再確認してみようとも思っている。



 では、まず、一般原則のラインナップである。


「企業会計原則」は、一般原則、損益計算書原則、および貸借対照表原則の3
つの原則から構成されており、一般原則は、損益計算書原則および貸借対照表
原則の上位にあって、これらを支配する関係にあり、次の7つの原則から成り
立っている。

(1) 真実性の原則
(2) 正規の簿記の原則
(3) 資本・利益区別の原則
(4) 明瞭性の原則
(5) 継続性の原則
(6) 保守主義の原則
(7) 単一性の原則

 なお、「企業会計原則」では、一般原則ではないが、正規の簿記の原則およ
び明瞭性の原則との関連で、「重要性の原則」を掲げている。


 以上については、読者諸君も既に承知であるはずだ。



 しかし、一般には上記の一般原則、損益計算書原則、および貸借対照表原則
は並列的な感覚で理解され、

        「一般原則」
         ↓  ↓
  「損益計算書原則」「貸借対照表原則」

という体系の本質的な理解がされてはいない。


 また、HBAでは、財務諸表論のテキストのはじめののところで、かなりの
ページを使って「会計構造論」を学習してもらうことになるが、この「会計構
造論」や「会計主体論」などが、会計実践規範の土台たる「会計公準」や上記
の企業会計原則の「一般原則」の前提になっていることを読者諸君はまったく
知らないのである。


 現行企業会計においては、

 「会計公準」:(以下のすべてすべての実践規範の前提、もしくは土台)
   ↓
 企業会計原則:(公準を踏まえたより具体的な包括的原則)/「一般原則」
        ・「損益計算書原則」・「貸借対照表原則」
   ↓
 会計処理の原則および手続:(具体的・実際的な処理基準)

のように体系的に規定されている。


 近時では、具体的な会計処理については、ある種アメリカ的に詳細な規定(
実務指針や適用指針などはかなり細かく規定されている)が続々と設定されて
いるが、それであっても上記の体系を踏まえてのことである。


 つまり、「企業会計原則」の一般原則は、会計の実質面および形式面に関す
る包括的な基本原則を意味するのであり、これは、「企業会計原則」が、認識
行為や測定行為をも含めて企業会計の全領域に指示を与える原則であることを
意味するのである。


 前出の会計構造論は、上記の実践規範の土台としての会計公準を導き、さら
に一般原則を介して、損益計算書原則および貸借対照表原則の規定内容を導き
出している現行企業会計の体系的フレームワークを形成する上での決定的な議
論である。


 例えば、現行企業会計は費用・収益アプローチにより、費用・収益の概念を
前提として資産・負債・資本が概念されている。

 資産・負債アプローチによる体系などではないのである。

 それは、有形固定資産の費用化額である減価償却額(減価償却費)の決定を
受けて初めて有形固定資産の貸借対照表価額が決定されることからも分かるは
ずである。

 これは、現行企業会計上では、貸借対照表上の資産たる有形固定資産を独自
に(減価償却額の決定に影響されずに、つまり、費用の概念を前提とせずに)
測定されることは無いことを明白に示すものである。


 そういうと、有形固定資産の減損処理では有形固定資産を時価等を規準にし
て直接測定(評価)している、という読者もいるのかも知れない。

 しかし、そのような時価等を規準としての評価を行っている減損処理の場合
であっても、その処理の限度は貸借対照表価額(つまり、もともとは取得原価
)なのであって、それを無視して、もしくは越えて減損処理が行われることは
無いのである。

 既発行のHBAメールマガジンでも触れているように、上記の時価等は評価
切り下げのための一つのメルクマールとしての意味しか持たず、独立的な資産
評価の規準ではないのである。


 以上から明らかなように、現行企業会計における末端の会計処理をいくら暗
記しても、会計構造論の理解無くしては現行企業会計の体系(計算構造)を理
解することは不可能だということである。


 失礼ながら、読者諸君のほとんど全員が今まではそれを知らなかった。

 それは、読者諸君がHBAの学習の経験が無いからなのであり、上記の体系
的な理解はHBAでの学習以外では得ることはまったくできないのである。

 これは誇張でも何でもない、シンプルな事実である。

 そのことは、これから遭遇することになる本信の一般原則の内容によってよ
り一層納得することになるはずであろう。



 さて、会計行為は本来「認識および測定行為」からなる実質的側面と、「記
録および表示行為」からなる形式的側面とによって構成されている。

 「認識行為」は資本の運動に基づくその増減・変化をどのような事実(条件
)の成立に基づいて確認するかの行為であり、「測定行為」は認識条件を充た
したものに対して、どのような価額を付すかの行為である。

 また、「記録行為」は認識・測定された結果を会計帳簿にどのように記録す
るかの行為であり、「表示行為」は記録の結果を外部報告書にどのように記載
(作表)するかの行為である。

 上記を理解を前提として、認識・測定行為は、直接に経営成果たる利益の大
きさの決定に関わりを持つ(現行企業会計では動態論の会計構造が前提である
)という意味で、「会計の実質面に関する行為」であり、記録・表示行為は、
認識・測定された結果の記録方法・区分表示・配列等に関わるという意味で、
「会計の形式面に関する行為」として分類される。


 当然のことながら、一般原則は、企業会計の全領域を支配する包括的な原則
であることをその特質としているから、これらの会計行為のすべてにかかわり
をもつ関係にある。

 そして、上記の「認識行為」・「測定行為」・「記録行為」・「表示行為」
の理解を踏まえ、さらに現行『企業会計原則の体系』を前提とした場合、「資
本・利益区別の原則」、「継続性の原則」、および「保守主義の原則」は、主
に「会計の実質面つまり認識・測定行為にかかわる包括原則」であり、「正規
の簿記の原則」、「明瞭性の原則」、および「単一性の原則」は、「形式面す
なわち記録・表示行為にかかわる包括原則」として特徴づけることができる。

 ※ 上記の分類には、いくつかの説ある。読者諸君の中にも上記と異なる理
  解を持つ者がいるはずである。
   しかし、現行企業会計原則の『体系』を前提とする限り、上記の分類が
  最も合理的といえる。その理由は、本メールマガジンによって明らかにな
  る。

 したがって、真実性の原則は、さらにそれらを包括的に支配する基本原則(
最上位の原則)として位置づけることができる。


 なお、ここで十分に注意することは、上記の「会計の実質面に関する行為」
と「会計の形式面に関する行為」という分類から、会計の実質面に関する行為
にかかわる一般原則が実質的規定として重要であり、会計の形式面に関する行
為にかかわる一般原則が形式的な規定であるから重要性が低いということを意
味するものではないということである。

 例えば、上に指摘する会計構造論の理解が無い巷の受験生は、そのような知
識の欠落によって、上記の「形式面すなわち記録・表示行為にかかわる包括原
則」としての「正規の簿記の原則」を軽んじる者がほとんどであるが、そのこ
とは、彼らが現行企業会計の体系的基盤が動態論の計算構造にあることの理解
がまったく無いことを物語る決定的な証拠でもあるのだ。

 これについては、以下で「正規の簿記の原則」を取り上げる箇所で説明する
が、近時の末端の会計処理ばかりを偏重して、それらの処理方法(だけ)につ
いて説明できることがあたかも最先端の会計(学)の理解だなどと思い込んで
いる者には到底理解の及ばないことである。


 本メールマガジンでは、上記一般原則の内、まずは、一般原則の中では最上
位原則である「真実性の原則」、現行企業会計の構造的特質に深く根ざす「正
規の簿記の原則」、現行企業会計の本質に関わる「資本・利益区別の原則」、
現行企業会計の構造的特質に根ざし、そこで作り出される情報の有用性に大き
く関わる「継続性の原則」、そして、我が国の学者・実務家等においては欠か
すことのできない原則との理解が根強い「保守主義の原則」を取り上げる。

 なお、一般原則ではないが、やはり現行企業会計に深く関わり、何度も一般
原則への格上げが無知な学者等によって叫ばれた経緯のある「重要性の原則」
も、これに関する無知な誤解を是正するために最後に取り上げることにする。



 では、まずは一般原則中で最上位の原則である「真実性の原則」である。

 一般に、企業会計における真実性は、きわめて相対的な性格のものであると
されるが、そのことは会計の本質に根ざしている。

 つまり、会計がもともと本質的に歴史的側面と技術的側面とを持つところか
ら、そこでの真実性も、おのずから歴史的制約と技術的制約のもとでの内容と
ならざるを得ないことになる。


 企業会計における真実性が相対的なものであることの根拠は、(1)会計の目
的関連性、(2)期間利益計算の暫定性、(3)会計処理方法の選択性に見出される。


(1)会計の目的関連性

 制度としての企業会計は、利害関係者に対する企業内容を財務諸表によって
開示することを目的とするところから、そこでは当然に利害関係者に対する開
示内容の有用性、つまり利害関係者の関心の的に対する適合性が前提にされな
ければならない。

 このことは、開示内容が究極的には利害関係者の関心の的がどこにあるかに
よって左右される関係にあり、そのためにきわめて相対的なものとならざるを
得ないことになる。

 さらに、利害関係者の関心の的というのは企業および企業をとりまく経済的
・社会的諸条件の発展・変化によって変わるものであることから、この意味に
おける会計報告の相対的性格は会計の歴史性に根ざすものということができる
のである。

 つまり、ここでの「相対的」な真実性は、会計環境を前提としているという
ことである。

 それは、静態論の会計環境では、そこでの企業の活動形態や利害関係者の情
報ニーズが、どのような会計構造が適合するかの要件を決めることになり、動
態論の会計環境においては、そこでの環境における企業の活動形態や利害関係
者の情報ニーズが会計のあり方を決めることになるということである。

 それ故、会計情報の真実性も『それぞれの環境においての適合性を持つ』と
いう限定付なのであり、したがって、その意味で「『相対的な』真実」なので
ある。


(2)期間利益計算の暫定性

 今日の企業は、半永久的に活動を続ける継続企業が前提とされる。したがっ
て、このような継続企業の経営成績は、一定期間を人為的に区切って計算・表
示せざるを得ないことになる。

 したがって、人為的に区切りられた期間を前提として決算が行われることか
ら、必然的にそこでの計算結果は暫定的な性格のものとなることになり、具体
的には未確定数値に基づく見積計算が行われることを意味する。

 例えば、有形固定資産は、その価値減少、つまり、費用化の事実は一般的に
は除却時点が到来しなければ確定し得ないが、除却時点を待って費用計算をし
たのでは、タイムリーに期間成績を計算・表示することはできない。

 したがって、期間計算の下では、価値減少の計算は、耐用年数および残存価
額を予測することにより、見積計算として行われざるを得ないこととなる。

 それは、継続企業の期間的な経営成績をできるだけ合理的に計算・表示しよ
うとする場合には、必然的に見積計算が介入することにならざるを得ないとい
うことであり、この期間利益計算の暫定性が故に「『相対的な』真実」なので
ある。

 これは、現行企業会計の成立基盤である動態論の計算構造に由来する、つま
り、現行企業会計の基盤としての計算構造がもつ計算技術的な制約の下での「
真実」として「『相対的な』真実」ということである。


(3)会計処理方法の選択性

 現行企業会計における財務諸表の作成は、会計慣習として発達したものの中
から、一般に公正妥当と認められた会計処理の原則および手続によって行われ
る。

 しかし、企業の多様性および仮定計算(見積計算)の介入が不可避的である
ことから、当該会計処理の原則および手続に選択適用の余地を認めざるを得な
いことになる。

 すなわち、1つの会計事実(事象)に対して2つ以上の会計処理の原則および
手続を「一般に公正妥当と認められた会計処理の原則および手続」として認め
ざるを得ず、それらの中から企業経営者が適当と任意に判断したものを選択適
用させざるを得ない事情が存在するということである。

 したがって、真実性もそのような前提に基づくものであり(例えば、同様の
取引環境において、保有・使用する同様の有形固定資産に関して、定額法を適
用して計算した減価償却費も、また、定率法を適用して計算した減価償却費も、
同様に妥当であり、期間損益計算上において適正であるということになる)、
その意味で「『相対的な』真実」なのである。


 実は、HBAのテキストでは「一般原則」に関する章はかなりのボリューム
がある。

 読者諸君が、そのようなテキストに巷の受験学校では決してお目にかかるこ
とはできない。

 HBAのテキストである。ただ単に長々と無意味な内容が載っているはずが
無い。

 それは、一般原則が現行企業会計の基盤たる動態論の計算構造(会計構造論
)と如何に密接な関係を持っているかを物語るものであり、それ故、その理解
には少なくともそれだけのボリュームを要することになるのである。


 それを知らないのであれば、当然のことながら現行企業会計原則の一般原則
の説明など1〜2ページもあれば十分足りる?とし、“とりあえず暗記しておい
てください”などと平気で言えることになる。

 やはり、無知は無敵なのである?!




 さてさて、やはり一般原則の説明を始めればかなりのスペースを使うことに
なると予想はしていたものの、プロローグと真実性の原則だけでかなりのスペ
ースを費消する結果となったようである。


 次の「正規の簿記の原則」の説明を始めたなら、暫くは区切ることができな
い。

 今回はここまでということにする。


 「正規の簿記の原則」を『あ〜、正規の簿記の原則ね!』などと軽んじてい
る読者諸君は、次回は必読である。




 本信のはじめのところで記したように、当HBAメールマガジンは、発行周
期を「隔週刊」から「月刊」へと変更させてもらった。

 しかし、前信から本信まで約3ヶ月ほども空いてしまったこともあり、確約
はできないものの(すいません!)、次回はできるだけ早く(といっても間隔
は3週間ぐらい空くと思う)発行しようと思ってはいる。





 今回は、以上である。






 では、また次回に!!





 なお、本mailmagazineの発行に関する情報は、HBAのHP「お知らせ & 
トピックス」に掲載しますので、そちらで確認をしてください。

 ※HBA/「お知らせ & トピックス」はこちら >>>



◇ =============== =============== ============= ================= ◇ =============== =============== ============= ================= ◇◇◇今回の問題◇◇◇  出題は、一般原則が終わるまでお休みです。 ◇ =============== =============== ============= ================= ◎解答・解説(一部または全部)は次回のメールマガジンにおいて掲載する予  定です。  また、次回メールマガジンの発行日の翌日以降、当アカデミーの『HBAメ  ールマガジン』のコーナーにも解説を掲載します。    ※HBA/メールマガジンのコーナーはこちら >>>
◎当mailmagazineの休刊等の情報については、HBA/「お知らせ & トピッ クス」に掲載します。  ※HBA/「お知らせ & トピックス」はこちら >>>
 ※HBAの資料請求はこちら>>>
※※HBAの内容等に関する問い合わせはこちら >>> ◇ =============== =============== ============= ================= ◇ =============== =============== ============= ================= ◆◆◆前回の問題◆◆◆ =============== =============== =========== 問題  現行制度会計における貸借対照表の項目たる(a)売掛金、(b)売買目的有価証 券、 (c)棚卸資産に関して、以下の問に答えなさい。 問1  これらの(a)〜(c)の項目は、現行制度会計の貸借対照表上においては同じ区 分に分類されます。そこで、(1)この場合の分類を示し、(2)そこでの分類はい かなる基準によって行われるのか、(3)その適用の仕方はどのようか、さらに、 (4)なぜ現行制度会計における貸借対照表においてこの分類が採られるのかの 理由、について簡潔に説明しなさい。 (1):(2行),(2):(4行),(3):(4行),(4):(3行) 問2  現行制度会計において、上記(a)と(c)の貸借対照表価額は、どのように決定 されるのか、その前提とする会計構造を踏まえて、それぞれ簡潔に説明しなさ い。 (a):(5行),(b):(7行) 問3  現行の制度会計が基盤とする会計構造は、損益計算が主軸をなすといわれま すが、その観点からの分類基準によると、上記(b)の項目を分類できないとい われます。  そこで、(1)上記の観点からの分類基準では(b)の項目を分類することができ ない理由を簡潔に説明し、さらに、(2)金融商品会計基準において売買目的有 価証券と同じく金融資産とされる売買目的有価証券以外の有価証券について、 売買目的有価証券とは異なる取扱い、つまり、異なる評価方法が適用されるこ とについて、満期保有目的債券を例に取って、その評価の合理性を説明した上 で、売買目的有価証券以外の有価証券の評価方法が売買目的有価証券の評価方 法と整合的か否かについて論評しなさい。 (1):(10行),(2):(12行) 〜問題に関する確認項目〜 ○今回の出題の主は、売買目的有価証券について正しい理解を持っているか否 かを問うものである。 ○売買目的有価証券を従来の貨幣・非貨幣の分類基準によって分類することが できないことの理解があるか? ○上記に関連して、売買目的有価証券を時価で評価することの合理性に関する 理解があるか? ○金融商品会計基準では同じく金融資産とされる売買目的有価証券以外の有価 証券の取扱いが売買目的有価証券とは異なる理由についての理解があるか? ○売買目的有価証券とそれ以外の有価証券の取扱いが異なることに整合性があ るか? ○貸借対照表上、売買目的有価証券と同じ区分に表示される売掛金および棚卸 資産についての表示上の基本的理解があるか? ・解答行数:上記各問題文末参照。  ・満点  問題1       問1:(1)5点 (2)10点 (3)10点 (4)5点 小計:30点       問2:(a)15点 (b)15点 小計:30点       問3:(1)20点 (2)20点 小計:40点 以上合計:100点。 ◆◆◆前回の問題の解答・解説◆◆◆=============== ============ ==== ◆【解 答】◆◆=============== =============== ============ ======= 問1 (1)当該分類は、流動・固定分類である。流動・固定分類は、資産の各項目を 正常営業循環基準および一年基準に従って流動項目と固定項目とに分類するも のである。(5点) (2)この場合、分類の基準となるのは、正常営業循環基準と一年基準であり、 正常営業循環基準は、正常な営業循環の過程の中にある資産項目を流動項目と する基準であり、一年基準は、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に換 金もしくは決済され、ないしは費用化される資産項目を流動資産とする基準で ある。(10点) (3)現行制度上、資産の流動・固定分類は、正常営業基準を基本にして、これ に一年基準を併用するという仕方で適用される。すなわち、まず、初めに正常 営業循環基準を適用し、これによって流動資産に分類されなかった項目につい て一年基準を適用することによって資産を流動項目と固定項目とに分類するの である。(10点) (4)この分類が制度上の貸借対照表における分類として採用される理由は、企 業の財務的流動性を明らかにすることで、企業の支払能力すなわち財務安全性 を開示することを目的とするからである。(5点) 問2 (a)売掛金  売掛金は、まず、損益計算上の収益額から収入額を差引き収益・未収入額と して算定される。この収益・未収入額は、収益の認識基準及び測定基準によっ て計算された収益額を基礎としており、その収益額から収入額を差引いた単な る計算上の残高を示すに過ぎない。そこで、決算期末において、売掛金の将来 の回収可能性を吟味することにより、将来の回収可能価額によって評価され、 貸借対照表価額とされる。(15点) (c)棚卸資産  棚卸資産は、まず、支出額すなわち取得原価から払出原価たる費用化額を差 引き支出・未費用額が算定される。この支出・未費用額は支出額と費用化額の 時間的ズレを示す、単なる計算上の残高としての意味を有するに過ぎない。そ こで、決算期末に実地に調査を行い、数量減少、品質の変化などの物的原因に よる減価あるいは陳腐化などの経済的原因による減さらには市場価格の下落に よる減価等をチェックをし、その結果、棚卸減耗損や品質低下及び陳腐化によ る評価損、さらには低価法による評価損等を把握することにより計算上の残高 を修正し、貸借対照表価額とされる。(15点) 問3 (1) 有価証券の場合は、一般的な財の場合のように販売市場と購入市場とが分 離しておらず、「購入市場=販売市場」であり、販売市場が貨幣・非貨幣分類 の基点とはなっていない。 つまり、有価証券の場合は、市場の機能分化が無いため、ある時点でのある銘 柄の有価証券の購入価格と、同じ銘柄の有価証券の売却価格が同じであり、し たがって、ある時点でのある銘柄の有価証券の購入価格とまったく同じ価格で 同じ銘柄の有価証券の売却が可能なのであり、この市場において随時的に何時 でも売買が可能なのである。これが、「市場の機能分化が無い」ことの特質で ある。このことは、売買目的有価証券を回収可能額、つまり、市場時価によっ て評価することに合理性があることを意味するのである。 したがって、売買目的有価証券に関して、従来の貨幣・非貨幣分類を適用して 分類することはできない。ここでは金融資産・実物資産という分類基準が意味 をもつのである。(20点) (2) 満期保有目的の債券の場合は、満期まで保有することによる約定利息及び 元本の受取りを目的としているのであり、満期までの間の金利変動による価格 変動のリスクを認める必要がない。したがって、満期保有目的の債券について は、時点的な時価が回収可能額としての合理性をもってはおらず、満期時の償 還額に本来的な評価額としての合理性がある。 売買目的有価証券以外の有価証券であっても、それらに関する市場が機能分化 していないことは売買目的有価証券の場合と同様であり、したがって、その評 価が売買目的有価証券と同様に回収可能額によることもまた同じである。した がって、売買目的有価証券以外の有価証券の場合でも、売買目的有価証券と同 様に回収可能額による評価を基本としている。ただし、有価証券の保有目的に よってその回収可能額としての合理性が異なることから、それぞれの保有目的 に照らして、それらの回収可能額を評価方する法が異なることになる。したが って、回収可能額をその評価の前提とすることにおいて、売買目的有価証券と それ以外の有価証券の評価方法は整合的である。(20点) ◆【解 説】◆◆=============== =============== ============ ======= 【出題意図】  現行企業会計における貸借対照表では、会計上の分類とは異なり財務安全性 という開示の観点から、流動・固定分類によって資産を分類している。  これに対して、会計上、資産の分類は、期間損益計算の観点や資本循環の観 点から分類されてきたが、近時では金融商品会計基準の設定によって、従前の 分類基準では分類できない資産項目が生じ、それに対応する分類規準が必要と なっている。  以上を踏まえて、それぞれの分類基準の観点からの資産の捉え方や評価基準 についての理解がなされなければならない。 【解 説】 1.項目配列の原則  項目配列の原則とは、貸借対照表上、資産、負債及び資本の部の記載に当た って、各部の構成項目の配列は一定の秩序に従って系統的に行うことを要請す る原則である。  この系統的配列の方法としては流動性配列法と固定性配列法がある。 流動性配列法とは、流動性(換金性)の高い科目から順次低い科目へと並べて いく方法をいう。  また、固定性配列法とは、流動性配列法とは逆に、固定性の高い(現金化の 遅い)科目から順に低い科目へと並べて行く方法をいう。一部の業種を除いて 原則として流動性配列法が適用されるのは、企業の財務的流動性を明らかにす ることで、企業の支払能力を開示することを目的とするものである。  流動性配列法によれば、資産の部は流動資産・固定資産(および繰延資産) の順に配列され、負債の部は流動負債・固定負債の順に配列される。さらに、 資本の部よりも負債の部が上位に配列されることになる。 2.科目分類の原則  貸借対照表の科目分類の原則は、(1) 科目分類の明確性、(2) 科目の流動、 固定分類、 (3) 資産の控除科目の表示、という3つの内容から構成されてい る。 (1) 科目分類の明確性  これは、貸借対照表上の最小表示単位である科目を、明瞭に分類して明確に 使用(表示)することを要請するものである。科目は、それが表現する実態の 性質や内容が明確に伝わるものでなければならない。  仮払金、未決算等の勘定を貸借対照表に記載するには、その性質を示す適当 な科目で表示しなければならない。 (2) 科目の流動、固定分類  これは、資産、負債の各科目を正常営業循環基準や1年基準などの一定の基 準に従って流動項目と固定項目に分類することを要請するものである。  「企業会計原則」においては、資産および負債の流動・固定分類は正常営業 循環基準基本にしてこれに1年基準その他の基準を併用するというかたちが採 られる。つまり、まず第一に正常営業循環基準を適用して、これにより流動資 産に分類されなかった項目について一年基準を適用することによって資産・負 債項目を流動項目と固定項目に分類するというのが制度上の原則的な分類方法 である。  ※ 正常営業循環基準とは、企業資本の循環過程(正常営業循環過程)の中   にある資産・負債項目を流動項目とする基準であり、1年基準とは、貸借   対照表日の翌日から起算して1年以内に換金されるか入金・支払期限が到   来する、ないしは費用化、収益化される資産・負債項目を流動項目とする   基準である(両基準において条件を満たさない項目が固定項目とされる)。 3.従来の資産の分類基準  資産の分類についての考え方にはいくつかのものがある。1つは企業の支払 能力を重視し、企業の財務的流動性を明らかにする流動・固定分類である。こ れは制度上、貸借対照表の表示の面において採用されている。  他は資産と損益計算との関係を重視する立場からの分類もしくは資本の循環 過程の観点からの分類である。ここでは、後者の2つの分類について示す。 (1) 貨幣性・費用性分類  損益計算を重視する今日の動態論に基づく会計構造においては、損益計算と のかかわりを重視した貨幣性・費用性分類が重要な意味を持つ。  ここに、貨幣性資産とは、現金預金並びに将来において費用とならずに現金 預金として回収される資産(売掛金や受取手形など)をいい、一方、費用性資 産とは、将来においてその属性である収益力要因の減少過程を通じて費用とな る資産(棚卸資産、有形・無形固定資産、繰延資産や前払費用など)をいう。  このように、貨幣性資産は損益計算と直接的な関わりを持たない、もしくは、 関わりを終了した資産であり、費用性資産はその費用化を通じて損益計算と直 接的な関わりを有する資産(未決状態の対収益賦課分)である。 (2) 貨幣性・費用性分類の限界  貨幣性・費用性分類によると、従前の市場性ある一時所有の有価証券(現行 売買目的有価証券)について問題が生じていた。  当時(金融商品会計基準設定以前)は、この市場性ある一時所有の有価証券 (現行売買目的有価証券)については、市場での随時換金可能性を考慮して貨 幣資産であるとされ、回収可能額(市場価格)によって評価されるとする見解 が有力ではあったが、制度上においては、有価証券はすべて取得原価で評価す ることが原則であり、したがって、貨幣性・費用性分類では、この点を説明で きないという問題があった。 (3) 貨幣・非貨幣分類  貨幣性・費用性の分類は、上記のように損益計算とのかかわりを重視すると いう意味では動態論的会計構造のもとにおいて合理的であった。しかし、貨幣 性・費用性分類には上記(2)のような問題がある。  そこで、資産を企業資本の循環過程の観点から見て分類するという貨幣・非 貨幣分類が登場する。この分類が重要な意味を持つのは、資本循環上の投下過 程と回収過程にあるそれぞれに適用される資産の評価基準が必然的に異なると いうことである。  つまり、企業資本の循環過程の観点からすれば、貨幣資産は回収過程ないし は再投下の待機過程にあるから、将来における回収可能額を基準として評価さ れることになり、一方、非貨幣資産は資本の投下過程にあるため、過去の支出 額たる取得原価基準が適用されることになるのである。  そこで、当時の有価証券論争の勃発である。  これに関する内容は既に当メールマガジンにおいて図解入りで説明している が、ここでは市場性ある一時所有の有価証券(現行売買目的有価証券)を資本 の回収過程にあると見るのか、それとも資本の投下過程にあると見るのかにつ いて大議論となったのである。  どちらの資本循環過程にあるのかが合理的に論拠付けられれば、評価は必然 的に決することになる。  しかし、その結論が決する前に、現行金融商品会計基準が設定され、その時 点で上記有価証券論争は、その論争自体、議論としての存在意義をまったく失 うことになるのである。 4.金融資産・実物資産分類  近年経済取引の発展に伴い、動態論を前提とした分類基準では合理的に説明 でき得ない属性を持つに至った資産やそのような属性を本来的に持っている資 産が出現している。具体的には、有価証券やデリバティブ取引を前提とする資 産である。  このような今までの分類基準では分類できない属性を持つ資産を視野に入れ ての分類基準として、金融資産と実物資産という分類がある。  この分類の基本的な考え方は、実物資産には誰が所有または利用するかによ って異なる主観的なのれん価値が存在し、こののれん価値は将来投資成果とし てのキャッシュ・イン・フローへと転化する。  したがって、このような資産への投資成果は、得られるであろう将来のキャ ッシュ・イン・フローの流入を待って捉えるべきことになる。  例えば、有形固定資産の減価額を減価償却費としてその期の収益に対応させ て期間損益計算上に費用として計上し、対応させた収益(実現したキャッシュ ・イン・フロー)から回収するということである。  これに対して、金融資産(有価証券)は、資産としてののれん価値は情報と して市場価格に吸収され、誰が所有してもそれらを市場で売却することによっ て現金へと転化する以外に現金化の方法が無く、そこに主観的なのれん価値は 存在しない。  したがって、このような資産への投資成果は常に市場価格とリンクし、故に、 原則として時価によって測定することが合理性をもつことになる。  なお注意であるが、金融商品会計基準においては、金融資産として、有価証 券および(従来の貨幣・非貨幣の分類規準基づく)いわゆる貨幣資産を規定し ているのであり、従前の論争のように貨幣資産の範疇で有価証券(特に売買目 的有価証券)を捉えているわけではない。  これは、巷に蔓延している大きな誤解であり、それについては前2信で既に 記したが、もし、巷の誤解のように、売買目的有価証券が“いわゆる貨幣資産 ”だからという理由、つまり、いわゆる貨幣資産に売買目的有価証券が含まれ るという大きな誤解に基づいて時価評価されるというのであれば、売買目的有 価証券以外の有価証券が売買目的有価証券と同じく金融資産として規定されて いることの理由を説明することはできない。 ◆ =============== =============== ============= ================= ◎メールマガジンのバックナンバーは、当アカデミーの『HBAメールマガジ ン』のコーナーでもご覧になれます。    ※HBAメールマガジンのコーナーはこちら >>>
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※メルマガの購読中止は上記ホームページでもおこなうことができます。 ※まぐまぐ!サイトでのメルマガの購読中止はこちら >>> □ 雑 感 □=========================== ◎本年度の公認会計士試験の短答式本試験にも論述式本試験にも“概念フレー ムワーク”の内容が出題された。  また、今年は巷の受験学校では講師が“本試験に出る、出る”と大騒ぎだっ たそうな。  そのことは試験委員のレベルでも同様であり、現に本年度の試験に出題され ている。当該出題者たる試験委員の実力が疑われる。  良識ある学者であれば、つまり、実力のある学者であれば決して会計士試験 に出題などしないはずである。  確かに“出た”ということに関してはまぎれもない事実である。  したがって、“合格”という形式的結果だけが欲しい巷の受験生にとって、 それら巷の講師の言い分を鵜呑みにし、“概念フレームワーク”は重要だとた いそう思い込んでいるとしても無理からぬことと言えるのかも知れない。  そのような受験生にとっては本試験に“出る”という事実は何にも優先して “重要”であるのであろう。  しかし、概念フレームワークの内容は何も近時突然出現した新しい論点など といったものではない。  形式的な表現はアップデートしていても、中身は従前から繰り返し議論され、 制度的には諸処の事情から日の目を見なかった論点を、現状における様々な新 しい会計事象の出現を背景としての会計学界側のスタンスからの主張がようや く徐々に日の目を見出したことに力を得て、概念フレームワークとしてまとめ たものである。  例えば、そこにある財務情報の比較性に関する内容は企業会計原則が初めて 設定された昭和24年以前からの論点であり(会計学会の力の無さが比較性の議 論に具体性を持たせられなかっただけのこと)、繰延収益などは古〜い論点で あり、我が国では再三旧大蔵省時代の審議会に議題提案はされたものの、その 概念的脆弱性から本会議の議題としては一度も取り上げられなかった論点であ る。  さらに、近時の包括利益の概念の出現によってさらにその存在意義は低くな っている。  また、近時キャッシュ・フロー(計算書)は時代の最先端と思われている( 事実、巷の本屋にはその手の“キャッシュ・フロー経営”などといったHOW TOものが大量に出回っている)が、今更キャッシュ・フロー(計算書)などと いわなくても、従前の損益計算書と貸借対照表の時代から企業活動はすべてキ ャッシュ・フローをベースに行われていたのである。  それを知らないのは、会計情報の作成体系として発生主義会計・取得原価主 義会計の体系と現実の貨幣経済社会にその基盤を持つ現実の企業の収支の流れ とを区別しつつ密接な関係にあることの理解を持っていない者だけである。  だから、今更キャッシュ・フロー経営などと声高に唱え(失礼ながら、無知 な中小企業の経営者には有効であっても、いや、むしろ現実的な感覚としては 彼等の方が分かっているはずであろう)、時価会計を現行の取得原価主義会計 を凌駕する新時代の会計などと叫ぶものは無知以外の何ものでもない。  だから、そのような内容を“重要”といい、またそう思い込むのは大きな勘 違いというものであろう。  事実、財務会計基準機構の斉藤静樹さんも指摘しているように、概念フレー ムワークの内容は、財務会計基準機構の本会議での議論と並行して、随時的に 議論をしてもらう場を提供することを目的として外注し、そこでの議論の経緯 を経たその時々の一応の結論らしきものを概念フレームワークとしてまとめた というだけのものである。  勿論それに将来的な意義を持たせる趣旨はまったく無く、本会議での将来的 な議論に何らかの役立ちを期待した、議論の足場に過ぎない。  したがって、その性格から前回の結論と次の議論の結論とがまったく反対と なる場合もあり、議論が煮詰められて結論として一定の内容が確定したもので も何でもなく、内容的には極めて流動的なものである。  現状では現行企業会計は、早ければ年内にもIFRSベースへの全面移行がある のではないかといわれている。  もし、IFRSベースへ全面移行した場合には、当該概念フレームワークの存在 意義はほとんど無くなる可能性が大きいといえよう。  それを受験勉強上とはいえ、偏重し過ぎるのは賢い者のすることとはいえな いであろう。  諸君は職業的専門家としての公認会計士を目指しているのだから。  もし、年内にIFRSベースへの全面移行が実施されれば、来年度の会計士の本 試験に概念フレームワークからの出題はない(99%以上)といえる。  それではまた次回に!! =================================== 暗記を強要される受験勉強って間違っている。HBAでは公認会計士試験の早 期合格を目指す諸君に、本質的な講義内容を提供します。当メルマガの有意義 な問題にチャレンジして、早期合格を目指しましょう。