【HBA王道セミナー】すべての理解は基礎理論の理解にあり!!基礎理論の
理解無しに応用など存在しない。




                             2008.9.24発行
■□ハスイ・ビジネス・アカデミー(HBA)■□■□■□■□■□■□■□■
□■(HBA/TOP)□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
      
       公認会計士受験講座/財務諸表論・監査論

        〜 本質を極めよ、王道を行け!〜

□■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■□

 はじめてご登録いただいた方へ!

 諸君、君たちの勉強方法はまちがっていないか?
 これだけは伝えておきたい。
 暗記だけでは、本当の勉強はできない。
 具体的にいえば、早期合格はできない。

 たとえば講師に“本質的な実力”が伴っていなかったとしたら、
 果たしてどういう授業風景となるか。
 そう、“本質的な説明”ができない。
 ではどうするか。もうおわかりだろう。彼は諸君に『暗記』を強要すること
 になる。

 当アカデミーでは、そういった受験業界の風潮を打破したい。
 このメールマガジンでは、Q&A形式で諸君を応援する。
 まずは基礎。
 基礎を固めるため、ぜひ当アカデミーの問題に挑戦してもらいたい。
 
===========
 本質的な4つの提案
===========

 当アカデミーでは、受験生諸君に以下の4点を提案したい。

 (1) 体裁の口上なんかに惑わされるな!
 (2) 暗記で受かるのは偶然しかない!
 (3) 暗記は勉強ではない。勉強の手段だ!
 (4) 良質の資料によって、良質な指導を受けよ!

 いちど試してみて欲しい。
“本質”は、HBAにしかない・・・!



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《第33講》「各論一考/その六のつづき」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

 読者の皆さん、こんにちは!!


 前信から発行周期を隔週刊から月刊へと変更したのですが、前信での約束の
ように今回はちょっと早めに発行しました。



 前信から読者諸君が企業会計原則に載っている表題とそこに規定されている
文言以外にはまったくと言っていいほど知らない一般原則を取り上げている。

 資本・利益区別の原則などは多少の意味などについては知ってるはずだが、
本信でこれから取り上げる「正規の簿記の原則」などについては本当の意味を
諸君はまったく知らないのである。

 いや、知らないにもかかわらず、「あ〜、正規の簿記の原則ね!?」などと
知ってるつもりで軽んじる始末である。

 これは、会計系の資格試験を受験する諸君たちが、まず手始めに学習するの
が簿記であることが通例であり、その簿記の感覚で便宜的に「正規の簿記の原
則」を知っているつもりになるからである。

 このような諸君は、現行企業会計の基盤が現状においてもなお動態論の計算
構造にあり、そのフレームワークが前提になっているということを知らない。

 現行制度会計の基盤がどのような理論・フレームワークによって組み立てら
れているのかを正しく理解しているのであれば、“現行企業会計は動態論の計
算構造などを基盤としてはいない”などといったド素人のような戯言を平気で
言ったりはしないはずなのである。

 現行制度会計における一般原則の真意を知らない者が、新しい会計の体系な
どといったものを正しくを論じることなど、その実力からしてできるものでは
ないのだ。


 というわけで、本信では「正規の簿記の原則」を取り上げることにしようと
思うのである。


 そこで、既に前信で示してある一般原則のラインナップを再度確認しておこ
う。


 繰り返しになるが、「企業会計原則」は、一般原則、損益計算書原則、およ
び貸借対照表原則の3つの原則から構成されており、一般原則は、損益計算書
原則および貸借対照表原則の上位にあって、これらを支配する関係にあり、次
の7つの原則から成り立っている。

(1) 真実性の原則
(2) 正規の簿記の原則
(3) 資本・利益区別の原則
(4) 明瞭性の原則
(5) 継続性の原則
(6) 保守主義の原則
(7) 単一性の原則

 なお、「企業会計原則」では、一般原則ではないが、正規の簿記の原則およ
び明瞭性の原則との関連で、「重要性の原則」を掲げている。


 既に承知のように、上記一般原則中で最上位の原則が「真実性の原則」であ
る。

 つまり、「真実性の原則」が最上位にあり、その真実性を実現する(支える
)ために他の6つの一般原則が存在するという体系である。

 ただし、これは現行企業会計原則の体系上そう説明されるのであって、その
会計構造上、そしてフレームワークの観点から見れば、実は、「正規の簿記の
原則」が「真実性の原則」の上位に位置するともいわれるのである。


 勿論、一般原則の真意を知らない読者諸君には、上記の意味はまったく見当
もつかないはずであり、“一般原則では「真実性の原則」が最上位原則だよな
?”などというのがせいぜいである。


 そこで、現行企業会計の基盤である動態論の計算体系の基本的なフレームワ
ークの特徴を確認することにしよう。

 といっても、勿論、初めから全てというわけではない。


 承知のように、動態論のフレームワークでは、損益計算の方法は「損益法」
であり、貸借対照表の作成方法は「誘導法」によっている。

 損益計算の方法である「損益法」と、貸借対照表の作成方法である「誘導法
」については、諸君も形式的には知っていることと思う。

 すなわち、「損益法」は当期の企業資本運動の内、成果作用的収支を抽出し
て当期の期間損益計算上にラインナップし、その成果作用的収支だけによって
当期の期間損益を計算するというものであり、また、誘導法は、帳簿記録(継
続記録)の内、当期の期間損益計算に計上さたもの以外(つまり、当期の期間
損益計算には作用しなかったもの)をすべて集め、それらを翌期につなげるた
めに貸借対照表にラインナップするというものである。

 上記の二つは「継続記録」を前提とするのであり、「継続記録」(全ての前
提)・「損益法」・「誘導法」は三つそろってセットである。

 これに対して静態論の場合は、「実地調査」を前提として、損益計算の方法
は「財産法」であり、貸借対照表の作成方法は「棚卸法」ということであり、
やはり動態論の場合と同様に、これらは、「実地調査」(全ての前提)・「財
産法」・「棚卸法」がセットで理解されなければならないのである。


 よく、静態論の場合の損益計算の方法である「財産法」だけを他と分離して、
動態論の計算構造を前提とした場合でも利益を“財産法的”に計算することが
できる、などといった説明を聞くが、お笑いである。

 上記のように、動態論の場合の「損益法」と「誘導法」は「継続記録」が前
提であり、それらがセットで本来の意味を持つのである。

 それは、静態論の場合でも同様であり、静態論の場合の「財産法」と「棚卸
法」は「実地調査」が前提であり、それらがセットで本来の意味を持つのであ
る。

 このことは、「実地調査」(全ての前提)・「財産法」・「棚卸法」がセッ
トの場合にだけ「財産法」といえることを意味し、これらがセットではない場
合に、たとえ“財産法的”などと“的”をつけても「財産法」という名称を使
えるものではないのである。

 同様に、静態論の貸借対照表の作成方法である「棚卸法」だけをセットから
分離して、その技術的方法だけを真似て他の前提の数値をそれに当てはめても、
それは“棚卸法の適用”でも“棚卸法的”でもないのである。

 よく指摘するように、何千メートルもの高山に咲く花を根っこから切り取っ
て、平地の野に咲く花と一緒に花瓶に活けたからといって、その様子が本来の
自然な姿を表しているものではないという例と同じである。

 そのようなものを“花”という括りで見たとしても意味は無く、それは本来
の「花」を表現してはいない。そのようなものを本物と思うのは、そもそもの
それらの「花」の本来の姿を知らない者のすることである。



 さて、話を戻すことにしよう。

 上に、動態論の場合の「損益法」と「誘導法」は「継続記録」が前提であり、
それらがセットで本来の意味を持つ、と記した。

 その「継続記録」とは、組織的な簿記を前提とする帳簿体系による継続的な
記録を意味するのであり、そこでの記録は帳簿間のみならず財務諸表とも有機
的な相互関連性を持つものである。

 この場合、「メモ書き」は上記にいう組織的な簿記を前提とする帳簿体系に
よる「継続記録」には当たらない。


 つまり、この「継続記録」を担う具体的なものが「組織的簿記」であり、そ
の「記録」を含めて規定するのが「正規の簿記の原則」なのである。

 したがって、現行企業会計が動態論の計算構造を基盤とすることは、何にも
先んじてこの継続記録を前提とすることであり、その記録が前提とならなけれ
ば財務諸表の真実性の実現はあり得ないこととなる。

 その意味で、上に記したように「正規の簿記の原則」は、現行企業会計のフ
レームワークの観点からは「正規の簿記の原則」が「真実性の原則」よりも上
位の原則として位置づけられることになる。


 現行企業会計原則上の一般原則では、「真実性の原則」が最上位原則として
規定されているとの理解は、企業会計原則の性格上、一般向けの啓蒙的な役割
を視野に入れた体系として形成されているからに他ならない。


 ここで、「正規の簿記の原則」の意義と必要性を記しておこう。


1.「正規の簿記の原則」の意義

 「正規の簿記の原則は、(1)帳簿記録を一定の要件に従って行うこと、およ
び(2)会計帳簿と財務諸表との間のみならず財務諸表相互間において、有機的
な関連性を保持すべきことを要求する原則である。



2.「正規の簿記の原則」の必要性

 「正規の簿記の原則」の必要性について記せば、「企業会計がその真実性を
保つためには、まず期間計算のよりどころになり財務諸表作成の素材となる帳
簿記録自体を、その技術的・形式的な側面において絶えず規制し、その信憑性
と秩序性とをあらかじめ確保する必要がある。

 企業会計が事実の記録と会計上の慣習と個人的な判断とによって成立するも
のであるところから、事実の記録は「真実な報告」のために不可欠な要件であ
る。そしてこの記録形式に関する包括的にして基本的な原則が、正規の簿記の
原則にほかならない。


 次に、そのような「正規の簿記の原則」に規定される「正規の簿記」の要
件を示しておく。



3.「正規の簿記」の要件

 正規の簿記とは、真実な会計報告の作成資料としての適格性を認めうる簿記
のことであるから、この適格性については、(1)記録の網羅性、(2)記録の立証
性、(3)記録の秩序性の3つの要件を充たすことが要求される。


(1) 記録の網羅性

 企業の経営成績および財政状態の表示に必要なすべての事象、つまり企業の
資本運動が洩れなく記録されていることを要求するものである。換言すれば、
企業活動の部分的な記録であっては、それがいかに立証しうる事実に基づき、
いかに秩序的にしかも詳細に記録されているとしても、企業の総括的な経営成
績および財政状態の表示のための公表財務諸表の作成資料としては、不適格で
あるということである。

(2) 記録の立証性

 会計記録がすべての取引事実を立証しうる証拠資料に基づいた記録であるこ
とを要求するものである。これは、証憑への準拠性を示すものである。

 会計記録がこれらの証憑に基づく記録であること、つまり取引事実を立証し
うることは、会計報告の信頼性を確保するための基礎条件をなすものである。

(3) 記録の秩序性

 正規の簿記であるための最も重要な本質的要件である。それは、この秩序性
がまさに記録の仕方そのものを指示する要件だからである(網羅性および立証
性は記録の前提条件とでもいうべき性質の要件といえる)。

 すなわち、この要件は、個々の記録間の組織的な相互関連性を要求するもの
であって、例えば、仕訳帳記録と元帳記録および決算時の総括記録の相互関連
性はもとより、一般仕訳帳と特殊仕訳帳との関連、または統制勘定と補助元帳
記録との関連等が組織的であり、終局的には公表財務諸表の数値から原始記録
までを跡づけられる記録であることを意味するのである。



 ここで、上記の要件のうち、(1)「記録の網羅性」に関しては、「正規の簿
記の原則」の意義の「(2)会計帳簿と財務諸表との間のみならず財務諸表相互
間において、有機的な関連性を保持すべきこと」という部分と相まって、読者
諸君の中には、必ず、“でもさー、会計帳簿と財務諸表との間の有機的関連性
といっても、実際上財務諸表を作成する場合には、重要性の原則の適用がある
から、継続記録は形式的・構造的な意味しか持たないんじゃないの?”と言う
諸君がいるはずである。

 この誤解は、重要性の原則の本来的な意味を正しく理解していないことと、
帳簿(記録)の流れと財務諸表作成の流れを混同していることによって生じる
のであり、巷の受験生のほとんど、読者諸君のほとんどがそうである。


 実は、帳簿の流れと財務諸表作成の流れは違うのであるが、それを諸君のほ
とんどが知らないのである。

 そう記すと、“それでは財務諸表は継続記録から作成されないこととなるの
では”という諸君がいるのかもしれないが、そうではない。


 そこで、一般に巷の簿記学校等で、簿記一巡の流れとして板書などして説明
する場合に使う図を以下に示してみよう。


 期首(開始仕訳)→期中取引の記録→期末の帳簿締め切り→

 →決算整理前T/B→決算整理(仕訳)→決算整理後T/B→

 →損益計算書・貸借対照表等


 巷の受験学校のテキストには上記のような説明、もしくは図が載っているか、
もしくは、簿記の講師が板書などして説明するのである。

 その場合には、親切に、決算整理後T/Bの上半分が貸借対照表となり、下半
分が損益計算書となるなどといった説明まで付けてくれるのだ。



 では、この簿記一巡の流れの図は間違っているのだろうか?

 おそらく、そう問われたなら読者諸君のほとんど全員が“正しい”と答える
に違いない。

 しかし、諸君の理解に反して上記の簿記一巡の流れは決定的に間違っている
ところがあるのである。

 それは何処なのか?


 しかし、読者諸君の中に正しく指摘できる者はほとんどいないのであろう。


 それは、公認会計士試験の受験生といっても、ほとんどが簿記3級から学習
を初めているであろうし、巷の受験学校の会計士コースで学習を初めても簿記
の講師のみならず、財務諸表論の講師でさえ、上記のように教えてるのだから、
読者諸君が正しいことを知っているはずも無いのである。

 これは、実に悲観的な状況といえよう。


 さて、では何処か決定的(わざわざ決定的という程)に間違っているという
のか?

 実は、上の“簿記一巡の流れ”として示したものは、「帳簿の流れ」と「財
務諸表作成の流れ」を混同しているのである。

 つまり、上の“簿記一巡の流れ”として示したもの中で、『決算整理後(T/
B)→損益計算書・貸借対照表等』のところが決定的に間違っているのである。


 本来、「帳簿の流れ」は、決算整理後T/Bの次は翌期への繰越が行われ、そ
のまま上の図の始めの「期首(開始仕訳)」へと進んでいくのである。

 決算整理後T/B→損益計算書・貸借対照表等へとは流れてはいかない。つま
り、決算整理後T/Bから損益計算書・貸借対照表等が作成されることはないの
である。

 それを行っているのは、いわゆる受験簿記上だけなのであって、実際には財
務諸表は決算整理後T/Bなどから作られてはいない。


 そもそも決算整理前T/Bであれ、決算整理後T/Bであれ、作成される本来の趣
旨は勘定元帳への転記の正確性の検証のためである。

 決算整理事項に関しても同様であり、実際に行われる決算整理の事実を帳簿
上に反映するために、決算整理仕訳が行われ、それを勘定元帳にも反映すべく、
転記が行われる。

 この転記の正確性を検証するために作成されるのが、決算整理後T/Bである。

 決して、財務諸表を作成するために決算整理後T/Bが作られる訳ではない。


 ところが、簿記が得意な読者諸君は、便宜上受験簿記上でしか通用しない嘘
の“簿記一巡の流れ”(もともとこのことさえも巷の講師のまったくの誤解な
のだが、それが慣行となり、今や“一般的”だというのであるから、いやはや
何のこっちゃ!?である)をもっともらしく“知っている”がために、逆に真実
を知らないのである。

 私がよく指摘するように、読者諸君は、財務諸表論を学習する前に簿記を巷
の受験学校で習ってしまったために、その時から本当の財務諸表論を理解する
ことができない「頭」になってしまっているのである。

 これは、諸君にとっては、諸君自身が気が付かない悲劇なのだ。


 では、本当の「帳簿の流れ」では決算整理後T/Bの後、繰越手続きが行われ、
上に示した簿記一巡の流れの(翌)期首(開始仕訳)へと繋がっていくという
のであるならば、「財務諸表作成の流れ」は何処にあるのか?またそれは「帳
簿の流れ」とどのように繋がり相互関連を持つのであろうか?

 もし、その流れが別々だと今指摘した「帳簿の流れ」と「財務諸表作成の流
れ」が繋がらなければ、「正規の簿記の原則」の意義である『正規の簿記の原
則は、(1)帳簿記録を一定の要件に従って行うこと、および(2)会計帳簿と財務
諸表との間のみならず財務諸表相互間において、有機的な関連性を保持すべき
ことを要求する原則である。』は、まったくその存在意義を喪失するはずであ
り、また、そうであれば、動態論の計算構造を基盤とする現行企業会計におけ
る損益計算の方法である「損益法」と貸借対照表の作成方法である「誘導法」
が、「継続記録」を前提としており、それらは「セット」であるとの説明もま
た意味を失うことになるのである。


 実は、財務諸表は「帳簿の流れ」から毎決算期末に生み落とされるのである。

 これに関する図解はHBAのテキストには私のオリジナルの図として載って
いる。

 ここでは本メールマガジンを作成しているsoftの機能的制約から十分な図と
はいかないが、とりあえずの理解はできる図を示すことにしよう。


《帳簿の流れ》
 (期首開始仕訳)→
   →(期中仕訳)→(決算と繰越)→(期首開始仕訳)→
                   →(期中仕訳)→(決算と繰越)→  
            ↓                ↓
            ↓                ↓
            ↓                ↓
《財務諸表の流れ》
         当期の財務諸表         翌期の財務諸表

 (※ スペースの都合から本来横に一直線のタイムテーブルを階段式に記し
   てある。ご了承頂きたい)


 さて、上に指摘した『財務諸表は「帳簿の流れ」から毎決算期末に生み落と
される』という意味が上図から分かるだろうか。

 当期の財務諸表と翌期の財務諸表とが直接繋がっている訳ではない。

 当期の財務諸表と翌期の財務諸表は継続的な帳簿記録(「帳簿の流れ」)に
よって繋がっているのであり、そのことは、つまり、各期の財務諸表が「継続
記録」を前提として作成されていることを意味するのである。



 そもそもが、巷一般には簿記上の決算整理仕訳と実際の決算整理(手続き)
を理解する順序が逆さまである。

 読者諸君は、決算整理は帳簿上(つまりは「簿記一巡の流れ」において)行
われるものだと思い込んでいるであろうが、帳簿記録(仕訳)は期末の振替仕
訳のような特異な事情で行われるものを除けば、すべ事実に基づいて行われる
のであり、それが記帳技術としての簿記の存在意義である。

 しかし、どうやら受験簿記では事実に先行して“仕訳が行われる”と教えて
いるようである。それは、決算整理仕訳に特徴的に見られる大いなる勘違いで
ある。

 この勘違いがさらなる誤解を生み、決算整理後T/Bから財務諸表が作成され
るという虚を捏造したのである。それは説明の便宜上などといった罪の軽いも
のではない。



 実務においては、決算整理は棚卸表にしたがって行われる。

 この棚卸表には、例えば、棚卸資産の場合では、商品別・種類別の数量、取
得原価(仕入単価)、期末時価、帳簿価額、実地棚卸の状況、減耗等の状況、
評価損の発生状況、更に減損の発生の可能性に関する状況などが詳細に記入さ
れている。

 また、有形固定資産の場合では、各有形固定資別、種類別、グループ別等に
したがって、取得原価、耐用年数、残存価額、修繕記録、物理的減価の発生状
態、機能的減価の発生状況、減損の発生の可能性に関する検証資料、耐用年数
または残存価額の適正性に関する実地棚卸の状況などが詳細に記入されている
のである。

 決算整理手続きはこの棚卸表にしたがって、各種の帳簿記録と実際との修正
や調整等が行われるのであり、その結果を受けて、それらの決算整理内容を適
切に帳簿に反映すべく決算整理仕訳が行われ、それらが勘定元帳へと転記され
る。

 実際に行われた決算手続事項の内容を仕訳し、更にそれを転記した場合の転
記の正確性を検証するために作成されるのが、諸君がよ〜く知っている決算整
理後T/Bなのである。


 財務諸表は、決算整理事項の実施の結果が記録された上記の棚卸表を基に作
成される。

 決算手続き前の棚卸表は当然継続的・網羅的な帳簿記録を前提に作成されて
いるであり、それに決算整理手続きに従って決算整理内容が追加され、決算整
理手続き終了後では、その棚卸表の中身は「決算財務諸表の内容」となってい
るのである。


 「帳簿の流れ」の中に「財務諸表作成の流れ」がある訳ではない。しかし、
財務諸表は「帳簿の流れ」から毎決算期に産み落とされるのであり、その産み
落とされた財務諸表は、財務諸表を生んだ母親(継続的な帳簿記録)と子供(
財務諸表)の関係のように血が繋がっているのであり、継続的な帳簿記録の
DNAを継承しているのである。

 したがってまたそれは、「正規の簿記の原則」の意義である『正規の簿記の
原則は、(1)帳簿記録を一定の要件に従って行うこと、および(2)会計帳簿と財
務諸表との間のみならず財務諸表相互間において、有機的な関連性を保持すべ
きことを要求する原則である。』が意味するところであるのだ。


 初めに指摘した重要性に関する誤解は、重要性の原則は、「帳簿の流れ」か
ら産み落とされる財務諸表のレベルで適用されるものであって、その母体であ
る「帳簿の流れ(継続的な帳簿記録)」にかかわる(影響する)ものではないとの正しい理解が無いために生じているのものである。

 したがって、「記録の網羅性」は「帳簿の流れ(帳簿のレベル)」でしっか
りと保持されているのである。



 さて、いかがであろうか。

 一般原則が今までとは違って見え始めたのではないだろうか。

 もしそうであるならば、その諸君は会計学の本来の学習の意義に目覚めるこ
とができるはずである。

 HBAはそういう諸君に、合格してもらいたいとの趣旨で運営されている。





 さて、やはり今回も「正規の簿記の原則」だけで、本信の予定スペースをオ
ーバーしてしまった。今回はここまでである。



 次回は「継続性の原則」を取り上げる予定である。

 この「継続性の原則」に関しても読者諸君の知らないことばかりである。


 “継続性の原則?ああッ、一度選択適用した会計方針は継続適用しなければ
ならない、ってやつだろ!?”など嘯く諸君は「継続性の原則」をまったく知
らないのである。





 では次回を楽しみに!!!











 なお、本mailmagazineの発行に関する情報は、HBAのHP「お知らせ & 
トピックス」に掲載しますので、そちらで確認をしてください。

 ※HBA/「お知らせ & トピックス」はこちら >>>






◇ =============== =============== ============= =================

◇ =============== =============== ============= =================

◇◇◇今回の問題◇◇◇

 出題は、一般原則が終わるまでお休みです。









◇ =============== =============== ============= =================




◎解答・解説(一部または全部)は次回のメールマガジンにおいて掲載する予
 定です。
 また、次回メールマガジンの発行日の翌日以降、当アカデミーの『HBAメ
 ールマガジン』のコーナーにも解説を掲載します。
 
 ※HBA/メールマガジンのコーナーはこちら >>>
◎当mailmagazineの休刊等の情報については、HBA/「お知らせ & トピッ クス」に掲載します。  ※HBA/「お知らせ & トピックス」はこちら >>>
 ※HBAの資料請求はこちら >>>

※※HBAの内容等に関する問い合わせはこちら >>> ◇ =============== =============== ============= ================= ◇ =============== =============== ============= ================= ◆◆◆前回の問題◆◆◆ =============== =============== ===========  一般原則に関する出題が、一般原則が終わるまでお休みですので、「前回の 問題」はしばらくお休みです。 ◆◆◆前回の問題の解答・解説◆◆◆=============== ============ ==== ◆【解 答】◆◆=============== =============== ============ =======  一般原則に関する出題が、一般原則が終わるまでお休みですので、「前回の 問題の解答・解説」もしばらくお休みです。 ◆ =============== =============== ============= ================= ◎メールマガジンのバックナンバーは、当アカデミーの『HBAメールマガジ ン』のコーナーでもご覧になれます。    ※HBAメールマガジンのコーナーはこちら >>>
◎当mailmagazineの休刊等の情報については、HBA/「お知らせ & トピッ クス」に掲載します。  ※HBA/「お知らせ & トピックス」はこちら >>>
 ※また、HBAの資料請求はこちら >>>

※HBAの内容等に関する問い合わせはこちら >>> ◆ =============== =============== ============= ================= ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 発行者     : ハスイ・ビジネス・アカデミー(HBA) ホームページ  : HBA/TOP
※メルマガの購読中止は上記ホームページでもおこなうことができます。 ※まぐまぐ!サイトでのメルマガの購読中止はこちら >>> □ 雑 感 □=========================== ◎現在、HBA/HPの「解答速報」には、本年度公認会計士論述式試験の会 計学(財務諸表論部分)の「解答」と「答案作成上の参照資料と若干のコメン ト」が掲載してある。  読者諸君で、公認会計士試験の合格をめざしている諸君は参照すると良いで あろう。 「解答」と「答案作成上の参照資料と若干のコメント」はこちら >>>  答案作成のための参照資料が分かるだけでなく、本年度のような策のない問 題に対する学習の仕方が見えてくるはずである。  誤解しては困るが、基準等を“暗記しろ”などいうのではない。  基準等の設定趣旨を正しく学習し、理解しておかなければ、この手の策の無 い問題であっても得点差がそれなりにつくのである。  それにしても、本年度の本試験の問題は出題者の作問能力を疑うような無策 な問題であった。  それではまた次回に!! =================================== 暗記を強要される受験勉強って間違っている。HBAでは公認会計士試験の早 期合格を目指す諸君に、本質的な講義内容を提供します。当メルマガの有意義 な問題にチャレンジして、早期合格を目指しましょう。