【HBA王道セミナー】すべての理解は基礎理論の理解にあり!!基礎理論の
理解無しに応用など存在しない。




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《第42講》「各論一考を終わって」
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◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

 読者の皆さん、こんにちは!!

 今回のHBAメールマガジン第42講は、再三の発行延期の結果、ほぼ1ヶ月
ほども遅れての発行となりました。

 読者の皆さんには、大変なお待たせとなり申し訳ありません。




 さて、今回の発行が7月に入ってしまった最大の原因は、既にHBA/HP
「お知らせ&トピックス」でお知らせしたように、ほぼ内容的には出来上がっ
ていた今回発行を予定していたHBAメールマガジンの内容を、ふッと思い立
って全面的に差し替える決心をしてしまったことです。

 それは、HBAの会員からもそれなりに質問が来るのですが、例の「財務会
計の概念フレームワーク」に関して、ここらでちょっと触れておくべきかなッ
?と思ったのです。

 まァ、これ以後も触れる機会はほとんど無い(というほどに、この「財務会
計の概念フレームワーク」をマジに学習する意味は無く、特に受験生の場合で
は、短答式試験でやっと1問ぐらい出題される可能性に対応するため以外はま
ったく無意味であり、したがって、丁度個別財務諸表に関しての個別項目に関
する一考が終わったこのタイミングでしか触れるチャンスは無いと思ったから
です。

 HBAの会員は、HBAの資料で財務諸表論と監査論を学習しているのです
が、会計士試験の場合では承知のように他に選択科目を入れて5科目あり、結
果、HBAの会員は巷の受験学校にも通学or通信するため、巷の受験生からの
話題も耳に入るわけです。

 勿論、HBAではそれらの無意味な情報(世間話)は無視しなさいとアドバ
イスしているのですが、やはり、受験生の心理とでも言いましょうか?不安に
なる時もあるようです。

 そのような無益な情報であっても、一旦気になると自身ではなかなか解消で
きない場合もあり、したがって、会員が学習に専念できる環境を作ることもま
たHBAのサービスの一つであるともいえることから、不安解消は質問対応の
一環として大事なことでもあるのです。

 そこで、今回のHBAメールマガジン第42講の内容の全面差し替えを思い立
ったというわけです。





 さて、今回取り上げる「財務会計の概念フレームワーク」ですが、はっきり
言えばこのような内容的に完成度の低いものを一般に公開すべきではない、と
ういう代物である。

 財務会計基準機構から公表されている会計基準等にも記されているように、
この討議資料「財務会計の概念フレームワーク」の内容は、

『当委員会は、外部の研究者を中心としたワーキング・グループを組織して、
その問題の検討を委託し、平成16 年9 月に討議資料「財務会計の概念フレー
ムワーク」を公表している。この討議資料に示されているのは、当委員会の見
解ではなく、当委員会に報告された当該ワーキング・グループの見解であるが、
会計基準開発の過程でその有用性がテストされ、市場関係者等の意見を受けて
さらに整備・改善されることにより、会計基準設定の指針になることが期待さ
れている。このため、本会計基準を検討するにあたり、当委員会では、この討
議資料の一部も素材として議論を重ねた。』

と位置づけられている討議資料である。


 その位置付けとは、

<1>外部の研究者を中心としたワーキング・グループを組織して、その問題の
 検討を委託したものであること。
<2>この討議資料に示されているのは、当委員会の見解ではなく、当委員会に
 報告された当該ワーキング・グループの見解であること。
<3>会計基準開発の過程でその有用性がテストされるべきものであること。
<4>市場関係者等の意見を受けてさらに整備・改善されることにより、会計基
 準設定の指針になることが期待されていること
<5>本会計基準を検討するにあたり、当委員会では、この討議資料の一部も素
 材とされること

である。


 上記において<1>「当委員会」とはそれぞれの基準決定・改正を行う本会議
としての委員会を意味する。

 受験生諸君は、「財務会計の概念フレームワーク」を無条件に試験対策上重
要な内容であると思い込む前に(既に思い込んでいるてあろうと思われるが)、
本HBAメールマガジンを読んで上記の意味を理解することである。


 そうは言っても、審査会が公表する試験の出題範囲において、当初には出題
重要項目として指摘(いわゆるラインマーカーされた状態)されていたがため
に、巷の受験学校の講師に“これからは、「概念フレームワーク」が財務諸表
論の受験勉強において最重要項目である”とまで言わしめたのであり、その罪
は第一義的には全て審議会にあると言えるのである。

 現在では、その出題重要項目としての指摘はなくなっている。


 まず、<1>にあるように討議資料として「財務会計の概念フレームワーク」
にまとめられている内容は、各基準等の設定、もしくは改正を最終的に決定す
る委員会が外部に委託したものであること。

 <2>にあるように、討議資料として示されている「財務会計の概念フレーム
ワーク」は、当該委員会の見解ではなく、当該委員会に報告されたワーキング
・グループの見解であること。

 つまり、「財務会計の概念フレームワーク」の内容が、即、設定、もしくは、
改正される基準等の前提となるものではなく、したがって、最終的な結論とし
ての完成度の高いものではないということである。

 それは、<3>に記述されているように、会計基準開発の過程でその有用性が
テストされるべきものである、としていることからも明らかであろう。

 それらのテストを受けた上で、<4>に記述されているように、さらに、市場
関係者等の意見を受けてさらに整備・改善されることにより、会計基準設定の
指針になることが期待されてはいるというレベルのものなのである。

 したがって、<5>に記述されているように、各会計基準等を検討するにあた
り、基準の最終決定を行う委員会では、この討議資料の一部も素材として議論
の対象とするものである。

 つまり、テストを受ける以前では本会議での議論の「素材」であるだけであ
り、それ以上の何ものでもなく、本会議の議論の前哨戦的議論なのである。


 アメリカのFASB(概念基準書)といった現在既に機能している会計基準の前
提としての意義を持つ内容のレベルではないのである。


 FASB(概念基準書)といえば、過去に既に触れているが現行企業会計原則・
注解18の引当金は、S57改訂において、当時の委員会の座長であった番場さん
が、このFASB(概念基準書)の引当金の概念(したがって、その要件も当該
FASBの概念規定に従っている)から持ってきて移植したのである。

 したがって、巷一般での解釈である“引当金は原因発生主義によって計上さ
れる”は間違いであり、その間違いは注解18の引当金の要件の一つである「そ
の発生が当期以前の事象に起因し」を(原因)発生主義における“原因事象”
との誤った解釈によるものである。

 FASBを読んでみれば分かること(翻訳本も出ているはずだから、ただし、本
試験が終わったらという条件付きで、興味のある読者諸君は本屋で該当箇所を
読んでみるといいであろう。ただし、買うのは、FASBとIASBとのコンバージェ
ンスが進み、FASBが全面的にIASBへとにじり寄り、さらに、我が国でも2011年
にIFRSへの全面移行が決まっている現時点では一般的な読者諸君には少々高い
買い物といえる)だが、FASBでは引当金は偶発事象・偶発債務を前提として規
定している。

 したがって、HBAのテキストでは、会員が巷の誤った解釈を聞いて混乱し
ないように、引当金の章の前半部分では、現状での巷の誤った解釈であり、た
だし、それはS57年以前の注解18の広く一般的な解釈でもあるため、原因発生
主義による解釈論を説明した上で、後半で現在のFASB(概念基準書)の概念規
定に基づく注解18の前提たる偶発事象・偶発債務の説明、および、その要件の
正しい意味を解説している。


 合格後、とりわけ会計士の場合、監査の現場ではこのFASBの概念規定に基づ
く引当金の理解がなければまともに仕事にはならない。それは、引当金に関す
るリスク評価ができないからである。

 実務の現場、監査の現場では、偶発事象・偶発債務を前提とする引当金の理
解である。


 さて、以上からすれば、私が始めに、討議資料「財務会計の概念フレームワ
ーク」は、内容的に完成度の低いものだから、一般に公開すべきではない代物
だ、と記した理由が分かるはずである。

 つまり、このような完成度の低いものを、一般に公開すれば、実力ない者が
これを正しく理解、もしくは正しく解釈することができず、間違った解釈が巷
に必然的に広がる可能性が高いからである。

 直近の日商検定1級試験でも大きな勘違いの試験委員からそのような問題が
出題されたようだが、「財務会計の概念フレームワーク」では資産・負債アプ
ローチを採っており、現行会計基準等における資産評価はその観点からのもの
である??などといったことは無い。

 ※ 日商検定1級試験の意義は、ステイタス的にも、実務的にも、また、実質
  的な意味においても無い。会計士試験や税理士試験を目指す者は簿記一巡
  の手続として決算整理手続を学習する現在の3級のレベルをマスターすれ
  ば、即会計士試験・税理士試験に進むことが合理的である。
   今の日商検定試験1級は、そもそもの試験の本来の前提を勘違いしている。
  日商検定試験1級のレベルを会計士試験のレベルに単純に引き上げたとこ
  ろで意味は無いのである。


 既に、討議資料「財務会計の概念フレームワーク」が即現行会計基準等の前
提的な概念ではないことは指摘したが、この手の大きな勘違いというか、誤っ
た解釈というかが巷には溢れているようである。


 討議資料「財務会計の概念フレームワーク」では、資産・負債アプローチな
どを採ってはいないし、現行企業会計に係る会計基準等でも同様である。

 だから、このような大きな勘違いを吹き込まれている受験生諸君であり、し
かも、それに対して何の疑いも無く無条件に盲信する受験生諸君であるから、
せめて、せっかくHBAメールマガジンを読んでくれている読者諸君だけには、
ここで警告を発しておくことはそれなりに意義があることではないかと思った
次第である。


 今年の本試験が終わり、監査法人の社員やマネージャークラスの人たちと面
談する機会があると思うが、その時彼らは諸君にこう言うのである。

 『会計学(財務諸表論)に関しては、「概念フレームワーク」なんかはどう
でもいいから、伝統論をしっかりと勉強しておいてください』と。

 これは事実である。

 現職の公認会計士がそのように言うのである。このことは、本試験後に読者
諸君の現実となるのである。


 さて、これだけ前置きをしておけば、以下に記す私の「警告」を少しはマジ
に読む気になってくれるだろうか?

 意味のないことに貴重な時間を使うことは、受験勉強では特に「無駄」の一
語である。



 では、以下に討議資料「財務会計の概念フレームワーク」を勉強することが、
1問程度の出題可能性があるか否かの短答式本試験の対策?(対策といえるの
かはなはだ疑問ではある)としての意味以外には「無駄」であることをもう少
し記してみることにしよう。



(1)概念フレームワークの役割

 討議資料「財務会計の概念フレームワーク」では、その前文において以下の
ような記述がある。

 『概念フレームワークは、企業会計(特に財務会計)の基礎にある前提や概
念を体系化したものである。それは、会計基準の概念的な基礎を提供するもの
であり、それによって、会計基準に対する理解が深まり、その解釈についての
予見可能性も高まるであろう。また、概念フレームワークは、財務諸表の利用
者に資するものであり、利用者が会計基準を解釈する際に無用のコストが生じ
ることを避けるという効果も有するであろう。』


 確かに、FASBのようなレベルでの完成度の高い概念規定であれば『会計基準
の概念的な基礎を提供するものであり、それによって、会計基準に対する理解
が深まり、その解釈についての予見可能性も高まる』と言えるが、現在公開さ
れている討議資料「財務会計の概念フレームワーク」はそのレベルではなく、
当該前文に記述されている『会計基準の概念的な基礎を提供するもの』となる
ためにはまだまだ多くのテストと議論が必要なレベルである。

 したがって、当該概念フレームワークによって現行の『会計基準に対する理
解が深まり、その解釈についての予見可能性も高まるであろう』はずはなく、
また、概念フレームワークは財務諸表の利用者に資するものだから『利用者が
会計基準を解釈する際に無用のコストが生じることを避けるという効果も有す
る』ことは、その内容の完成度のレベルからして、現状では無いのであり、む
しろいたずらに利用者を惑わせる結果となっている。



(2)財務報告の目的

 その「序文」に以下の記述がある。

 『財務報告はさまざまな役割を果たしているが、ここでは、その目的が、投
資家による企業成果の予測と企業価値の評価に役立つような、企業の財務状況
の開示にあると考える。自己の責任で将来を予測し投資の判断をする人々のた
めに、企業の投資のポジション(ストック)とその成果(フロー)が開示さ
れるとみるのである。』

 ここでは財務報告の目的を『投資家による企業成果の予測と企業価値の評価
に役立つような、企業の財務状況の開示にある』としているが、現状において
『投資家による企業成果の予測』ができるような会計処理および開示を規定し
た基準はない。

 さらに、『企業価値の評価に役立つような、企業の財務状況の開示』におけ
る「企業価値の評価に役立つ」ような評価基準とされる会計基準も現状では無
いのである。

 それは、例えば金融商品に対する時価評価の適用や、棚卸資産に関する時価
評価の適用をもって“企業価値の評価”とすることはできず、それらの適用は、
現行企業会計における損益計算上の損益計算に対して強大に立ち塞がる実現主
義の壁による限界を踏まえて、貸借対照表上で投資家に対するより多くの有益
な投資情報(ストックの実際的な評価は、現状でも貸借対照表上で開示し得る
投資情報であり、その意味で近時貸借対照表での投資情報開示の可能性が重視
されている)を提供するという観点、いわゆる実態開示の観点から、市場時価
とのリンクがテストによって検証された一部の項目について時価評価を適用し
ているだけである。



(3)本文/ディスクロージャー制度と財務報告の目的

 「ディスクロージャー制度と財務報告の目的」に以下の記述がある。

 『財務報告において提供される情報の中で、投資の成果を示す利益情報は基
本的に過去の成果を表すが、企業価値評価の基礎となる将来キャッシュフロー
の予測に広く用いられている。このように利益の情報を利用することは、同時
に、利益を生み出す投資のストックの情報を利用することも含意している。』

 現状において、投資の成果を示す利益情報が『企業価値評価の基礎となる将
来キャッシュフローの予測に広く用いられている』という事実はほとんどない。

 何故か? 現行企業会計において開示される投資の成果を現す利益情報には
『企業価値評価の基礎となる将来キャッシュフローの予測』を可能にする情報
としては不十分であり、それを可能にするには、現行企業会計において開示さ
れる利益情報以外の情報が必要なのである。

 また、『利益の情報を利用することは、同時に、利益を生み出す投資のスト
ックの情報を利用することも含意している』としているが、やはり現状ではそ
れを可能にする投資ストックの情報が一部しか開示されてはいない。


 以上から、上記(1)の概念フレームワークの役割に記述されている『会計基
準の概念的な基礎を提供するものであり、それによって、会計基準に対する理
解が深まり、その解釈についての予見可能性も高まるであろう』ことは、少な
くとも既に機能している現行会計基準に関しては無いといえ、したがって、『
概念フレームワークは、財務諸表の利用者に資するものであり、利用者が会計
基準を解釈する際に無用のコストが生じることを避けるという効果も有するで
あろう』ということも現状では無いのである。

 つまり、当該「財務会計の概念フレームワーク」を理解したとしても、現行
会計基準等に関して、当該概念フレームワークの役割に示すような便益は無い
のである。


 ここで警告しておくが、この指摘は、当該概念フレームワークを批判する趣
旨ではない。

 当該概念フレームワークの内容を理解しても、また、暗記?しても、現行企
業会計の理解が深まるわけてはなく、むしろ、一般的にも、また、受験生にお
いてはより一層、現行企業会計の基準等についての学習において逆に矛盾や疑
問を生じさせ、いたずらに受験生が混乱するだけであることを受験生諸君が知
るべきであるという趣旨である。



(4)会計情報の質的特性

 これに関しては、抽象的、観念的な内容とはいえ、受験生諸君にも矛盾無く
理解できる内容であろう。

 「有用性」は最上位概念であり、情報が「有用」であることは、まず、情報
ニーズに適合する情報であることが絶対条件であり、さらに当該情報の信頼性
(信憑性)が高いことが「情報」たり得るか否かを決定する条件となる。

 この理解があればここでの記述の理解はそれほど難しいものではないはずで
あろう。

 受験生諸君にとっては、この会計情報の質的特性に関する結論の根拠と背景
説明の「その他の特性」のところに示されている「図」がとても参考になるは
ずである。



(5)財務諸表の構成要素

 さて、始めのところで指摘した“概念フレームワークは資産・負債アプロー
チを採っている”と巷一般に誤って解釈される原因と見られる記述がその序文
に出てくる。


 『はじめに資産と負債に独立した定義を与え、そこから純資産と包括利益の
定義を導いている。また、投資家の利用目的との適合性を考慮して、包括利益
とは別に純利益に定義を与え、純利益と関連させて収益と費用の定義を導出し
ている。』


 この記述を『はじめに資産と負債に独立した定義を与え、・・・中略・・・
純利益と関連させて収益と費用の定義を導出している』と読んでしまえば確か
に、巷では概念フレームワークが資産・負債アプローチを採っていると解釈す
ることになるのかも知れない。

 しかし、これでは重要な記述を読み落としている。

 一に、純資産と包括利益を導いた後の『また、投資家の利用目的との適合性
を考慮して、包括利益とは別に純利益に定義を与え、純利益と関連させて収益
と費用の定義を導出している』という部分である。

 もし、本当に概念フレームワークが資産・負債アプローチを採っているので
あれば、包括利益とは別に純利益を定義する必然性は無い。

 その場合には概念フレームワークで言う包括利益と純利益とはいわゆる資本
取引等を除けば必然的に一致するからである。


 二に、『ここで資産・負債の定義からはじめるのは、財務報告の対象を確定
し定義する作業が容易になるからであり、情報としての有用性を比較したもの
でもなければ、特定の測定方法を一義的に導くことを意図したものでもない。
』という記述である。

 概念フレームワークでの都合上そのようにした、つまり、ここではストック
に関して企業価値に関する情報の有用性の観点から捉えたいという概念フレー
ムワークの都合からそのようにしたというのであり、だからこそ、まず包括利
益を定義した後で、それとは別に会計実践上の制約を考慮して「純利益」を定
義している。

 ここでの「資産・負債の定義→包括利益・純資産の定義」という流れと、包
括利益とは別に純利益を定義した上での「純利益の定義→収益・費用の定義」
という流れには判然と違った前提が見えるのであり、そのことは、収益・費用
アプローチとか、資産・負債アプローチのような一定の概念フローとしての流
れではないことを明確に物語たるものである。

 よしんば、概念フレームワークが“資産・負債アプローチを採っている”と
主張したとすれば、現行会計基準等と絶対的な矛盾が生ずることになる。

 それは何か?

 承知?のように、本来、資産・負債アプローチとは資産・負債・資本をまず
概念し、それを前提として収益・費用を概念するものである。

 この前提に立つならば、現行企業会計において行われている仮定計算に基づ
く「減価償却手続」なるものは無くなる(消滅する)からである。

 減価償却が無くなるわけでは無い。現在の償却手続が無くなる(消滅する)
のである。

 それは、資産の評価時点で必然的・同時的に決定されることになるからであ
る。

 したがって、もし、当該概念フレームワーク自身が“資産・負債アプローチ
を採っている”とするのであれば、概念フレームワーク自身が自己矛盾を起こ
すことになるのである。

 まさか、いわゆる取得原価を決定するまでは資産・負債アプローチを採り、
一旦取得原価が決定されれば、当該取得原価額に基づいて従来からの収益・費
用アプローチを前提とする仮定計算たる減価償却手続により費用額が決定され
るなどという説明が論理的に成立するはずもない。

 会計学に疎い者であればいざ知らず、いわゆる資産の取得原価を決定するま
でと費用額の決定プロセスでまったく相容れない異なる概念アプローチが同居
できるはずがなかろう。

 まァ、受験勉強を始めて簿記の学習で知った“減価償却手続”を永遠不滅だ
と思い込んでいる受験生には、上記のことは想像だにしないことなのかも知れ
ない。

 それは「簿記の頭」であって、会計学(財務諸表論)の頭ではないので
ある。



(6)純利益

 財務諸表の構成要素の本文の「純利益」の箇所においても、巷で正確な理解
が無いままに使われている用語が出てくる。

 『企業の投資の成果は、最終的には、投下した資金と回収した資金の差額に
あたるネット・キャッシュフローであり、各期の利益の合計がその額に等しく
なることが、利益の測定にとって基本的な制約になる。包括利益と純利益はと
もにこの制約を満たすが、このうち純利益はリスクから解放された投資の成果
であり、それは、企業が行った投資に関する期待に対比される事実が生じたか
否かで判断される。』


 上記の記述のうち前半の『企業の投資の成果は、最終的には、投下した資金
と回収した資金の差額にあたるネット・キャッシュフローであり、各期の利益
の合計がその額に等しくなることが、利益の測定にとって基本的な制約になる。
』とは、包括利益も純利益も最終的には収支に収束することが制約となってい
ることである。

 したがって、ここでは包括利益に関しても会社法的な制約の範疇で捉えてい
るといえ、その意味では純利益と同様である。


 問題は『純利益はリスクから解放された投資の成果』という記述である。

 承知のように企業の資本循環に投下された資金は、その後回収されなければ
次の資本循環へ再投下することはできない。

 つまり、投下資本の回収が資本循環を継続的に行う条件であり、このことを
一般に投下資本回収計算という。

 この投下資本回収計算における投下資本の回収とは本来「投下した現金」を
資本循環上で「増加した現金で回収」することを意味している。

 企業の資本循環に投下された資本には投資リスクが生じ、それは回収、つま
り、現金で回収されるまで続くことになるのであり、投下資本を現金で回収し
たとき初めて、投資リスクから解除されることになる。

 したがって、上記の意味からは、「投資リスクからの解放」とは本来「現金
での回収」を意味するものである。


 しかし、概念フレームワークでの記述では『純利益はリスクから解放された
投資の成果』とされており、そのことは投下資本の回収が現金で回収されたこ
とだけを意味せず、収益の計上時点をリスクからの解放時点として捉えている
ことを意味する。

 つまり、投資リスクからの解放の意味を本来の投下資本回収計算における投
資リスクの解除の意味ではなく、収益の実現時点において捉え、投資リスクか
ら解放されるとしているのである。


 そのことは、「収益」に関する記述のところで明白になる。

 『投入要素に投下された資金は、将来得られるキャッシュフローが不確実で
あるというリスクにさらされている。キャッシュが獲得されることにより、投
資のリスクがなくなったり、得られたキャッシュの分だけ投資のリスクが減少
したりする。一般に、キャッシュとは現金及びその同等物をいうが、投資の成
果がリスクから解放されるという判断においては、実質的にキャッシュの獲得
とみなされる事態も含まれる。収益は、そのように投下資金が投資のリスクか
ら解放されたときに把握される。』

 上記の記述において『一般に、キャッシュとは現金及びその同等物をいう』
としていることは、投資リスクからの解放の条件が本来の現金回収を前提とす
る投下資本回収計算の意味ではなく、実現主義を前提とすることを意味する。

 さらに、その後で『投資の成果がリスクから解放されるという判断において
は、実質的にキャッシュの獲得とみなされる事態も含まれる』としており、こ
のことは、収益の実現時点以前の状況においても投資リスクからの解放を捉え
得るとし、発生時点で投資からの解放を捉える趣旨が示されている。

 したがって、概念フレームワークにおける「投資リスクからの解放」という
用語に関しては上記の理解を踏まえて使用しなければばならない。


 ここに、当該項目に関する結論の根拠と背景説明において、「投資リスクか
らの解放に関する」以下の記述がある。

〔投資のリスクからの解放〕
 『この概念フレームワークでは、純利益を定義する上で、「投資のリスクか
ら解放された」という表現を用いている。投資のリスクとは、投資の成果の不
確定性であるから、成果が事実となれば、それはリスクから解放されることに
なる。投資家が求めているのは、投資にあたって期待された成果に対して、ど
れだけ実際の成果が得られたのかについての情報である。』

 つまり、本来の投下資本の回収計算の意味での投資リスクからの解除ではな
く、成果(原則として収益)として確認された時点を投資リスクからの解放時
点としているのである。

 この理解を踏まえて「投資リスクからの解放」という用語を使用しなければ
ならない。



 さてこの後、概念フレームワークでは「財務諸表における認識と測定」など
についても記述している。

 しかし、これらの記述においては、当然のことながら、上記のような全体の
フレームワークを形作る上での内容と違い、より具体的・末端的内容に関して
の定義付けであり、現企業会計上で既に機能しているもの以外に将来的な可能
性をもつものについても示してあるが、比較的読み安く、また、誤解が生じる
可能性も低いものであるためここでは取り上げない。


 以上から、討議資料「財務会計の概念フレームワーク」は現状で既に機能し
ている会計基準等を理解する上で前提となるものではないことが分かるはずで
ある。

 したがって、現状において、現行会計基準等を理解する際に概念フレームワ
ークを前提に学習することの愚かさを受験生諸君は知るべきである。

 本メールマガジンの内容はその趣旨で記されている。


 概念フレームワーク自体が間違っているとか、矛盾しているという意味では
ない。そこには将来的に基準の前提概念となる可能性をもっているものもあれ
ば、そうでないものもある。

 しかし、そもそもが「財務会計の概念フレームワーク」は討議資料であり、
本会議での討議の素材たるものである。

 それを過大に取り扱うのは、それを解釈する側の実力の無さが原因であると
いえる。

 だからこそ、FASBのように会計実践において機能している会計基準等の前提
とされる概念規定としての公開であれば意義は高いが、現状のような概念フレ
ームワークのレベルで公表することは、返って巷の誤解を生じさせる結果を招
くことになるため、冒頭で公表するべきではないと記したのである。

 このレベルのものは討議資料として、つまり、討議の素材として内部的資料
に留めておくことが懸命なのである。



 加えて記せば、今、現行企業会計において部分的に「時価評価」が採り入れ
にれていること等について巷では、本屋に横積みとなっているHOW TOものなど
に、今の会計の体系は“ハイブリッド”なる説明があるようだが、これも間違
った解釈である。

 本来「ハイブリッド」とは、産業技術などの発展段階として別個の物がそれ
ぞれ技術的な完成の域に達し、その後それら個別の物を組み合わせるという、
応用段階や工夫の段階として進展の状態と捉えられるものである。

 これを会計のジャンルで言うならば、「別個の物がそれぞれ技術的な完成の
域に達したもの」とは、例えば、取得原価主義会計や時価主義会計が該当し、
「個別のものを組み合わせる」とは、例えば、取得原価主義会計と時価主義会
計を組み合わせて一つの体系とすることを意味するが、会計上、背反的な概念
を持つ取得原価主義会計と時価主義会計を組み合わせることは概念的にそもそ
も不可能である。

 ならば、現行取得原価主義会計の体系に部分的に時価評価という部品を組み
込んだというのであれば、そのようなものは「ハイブリッド」とは言わないの
である。


 難しいことをかみ砕いてやさしく説明することと、な〜んチャってというレ
ベルでテキトウに説明することとは次元がまったく違う。

 前者は初心者の将来性に有益であるが、後者はその時一時的に分かったよう
な気にさせるだけで、返って学習の将来性を阻害する以外の何ものでもない。

 巷一般では、この理解を持っていないようである。

 現状の企業会計の体系をハイブリッドなどと説明する輩は、時価主義と時価
評価の違いを正しく理解している者とはいえまい。


 現代では、ネット上の情報に代表されるように“情報”?という名の何かは
溢れてはいるが、本質的に有用性のある「情報」といえるものは極めて少ない
のである。

 「情報」としての価値があるか否かを見極めるには、それを判断する者の実
力に大きく依存する。

 例え巷で“有名”?である受験学校から発信されている“情報”?といわれ
るものであっても、その有用性を判断するのは受験生自身である。

 巷の受験学校から発信される“情報”?とやらを盲信することは、自身の判
断が機能していないことである。

 自分がどれほどの有益な「情報」を持っているのか、また、それを判断する
だけの実力があるか否かを今一度検証する必要があるのではないかと警告して
おく。




 さて、今回は、急遽原稿の全面差し替えによって討議資料「財務会計の概念
フレームワーク」を取り上げ、巷に溢れている誤った解釈について指摘し、正
しい理解を示した。

 これを読んだ読者諸君は、以後は概念フレームワークを偏重することをやめ、
受験に必要最小限度においてその内容を押さえるに留め、貴重な時間をもっと
有益な学習に振り向けることが、受験勉強での最適な資源配分をすることにな
ることを知るべきであろう。


 まァ、それでも巷の受験学校の言うことを盲信するというのであれば、その
ような者に上記の説明は何も意味を持たないのであり、また、それでいいので
あろう。

 私がそのような者にさらなるアドバイスをする必要はなまったく無いのだか
ら。




 さて、次回は、HBAメールマガジン第10講以来だいぶ長い間ご無沙汰とな
ってしまった監査論を取り上げるつもり、ではある。

 ただし、予定は未定であり、今回のような突発的に何かを思い立った場合は
その限りではないことは予め了承されたい。









 ではまた次回に!!









 『HBAからのお知らせ』

 現在HBAでは全ての資料(資料請求用の電子版資料については、無料ダウ
ンロードのソフトにて十分参照できます)を電子版で提供しています。

 なお、正規のHBA電子版資料をフル活用するには、HBA指定のソフト(
上記無料ダウンロードのソフトの高機能バージョン)を使用する必要がありま
す。

 当該高機能バージョンのソフトを使用することにより、従来の紙資料(製本
テキスト、答練冊子等)と同様に学習上で電子版資料に自分の必要箇所にアン
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◇◇◇今回の問題◇◇◇

 今回は本メールマガジンの内容との都合によりお休みです。











◇ =============== =============== ============= =================




◎解答・解説(一部または全部)は次回のメールマガジンにおいて掲載する予
 定です。
 また、次回メールマガジンの発行日の翌日以降、当アカデミーの『HBAメ
 ールマガジン』のコーナーにも解説を掲載します。
 
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◆◆◆前回の問題◆◆◆ =============== =============== ===========

問題

 営業資産としての機械装置に関して、次の問に答えなさい。

問1

 制度会計上、上記資産に関しては、その時価の上昇による含み益はどのよう
にして認識されることになるのか簡潔に説明しなさい。(10行)


問2

 問1の時価の上昇には、(1)相対的な個別価格の上昇と(2)一般的な物価水準
の上昇とがあります。そこで、それぞれの時価の上昇は、上記資産の場合、利
益計算にどのような影響を与えるのかを説明しなさい。(6行/8行)


 なお、解答にあたっては、(1)......... と分けて書くこと。
             (2)......... 








〜問題に関する確認項目〜

・問1は、価格変動会計論の問題という視点からの出題ではない。基本的な資
本と費用と利益の関係を頭に置いて解答を考えるなら、十分解答可能である。
・問2も価格変動会計論の概念にとらわれて解答を考えるのではなく、時価の
上昇が営業資産に与える影響を、基本的な資本と費用と利益の関係から解答し
て欲しい。
・問1・問2ともに一般的な資本と費用と利益の関係から解答可能である。基本
的かつ理論的な理解があるのであれば十分解答可能な問題である。







・解答行数:上記各問題文末参照。

      問1:  30点
      問2:(1)15点
                 (2)15点
         (合計   60点満点)









◆◆◆前回の問題の解答・解説◆◆◆=============== ============ =======


◆【解 答】◆◆=============== =============== ============ ==========

問題

問1
 制度会計上、保有する営業資産が値上がりしても、簿価の切り上げは行わな
い。保有している間は、取得原価のままで繰り越すのである。営業資産として
の機械装置は、償却資産であり、償却資産の場合には取得原価に基づく減価償
却費がその耐用期間にわたって配分計上され、評価益が計上されないかわりに、
将来の減価償却費が増加することもない。時価の上昇に見合う評価益は簿外と
され、キャッシュフローとして実現した営業の成果には、取得原価に基づく減
価償却費が対応されていくのである。
 簿外におかれた未実現の評価益は、営業の成果による減価償却費の回収(投
下資本の回収)に伴って実現されることになり、いわばその時点で自動的に利
益に算入される仕組みになっている。その意味で、取得原価主義と実現主義と
が結びついた現行企業会計では、利益の年度配分に特徴があるだけで、資本と
利益の関係をかえているわけではない。
(20点)


問2
 (1) 相対的な個別価格の上昇は、固定資産に評価益を生じさせるが、その
部分は、後の年度にもたらされる減価償却費の費用増分と相殺され、当該資産
の耐用期間を通じた利益には影響を与えない。このことからすれば、再評価の
際にこの評価益を資本化してしまうと、後の年度の費用増分だけ利益が減少し
ていく計算になる。
 したがって、この場合の未実現の評価益は、資本(資本剰余金)として拘束
せず、減価償却に応じて実現させていくのが妥当である。(15点)

(2) 一般的な物価水準の上昇は、固定資産に評価益を生じさせる一方、収益
の名目額も同時に増やして再評価に伴う費用増分を補償する反面、ちょうど評
価益に見合った購買力損失を、その資産への投下資金にもたらす。この場合、
維持すべき資本に同一の購買力をもたせるためには、この購買力損失に見合う
資本修正が必要になる。
 ただし、借入資金の購買力損失は債権者が負担することになるから、それに
見合う評価益は借手の企業の利益になる。したがって、一般物価水準の上昇分
のうち自己資金の購買力損失に見合う分についてだけ、その購買力損失を補償
する拠出資本の修正と考えることができ、それを資本(資本剰余金)として拘
束することが妥当である。(15点)







【解説】

 解答を見てしまえば分かるように、解答はごく当たり前の内容である。
 つまり、今回の問題は、価格変動会計論とか何とかということではなく、情
報としての財務諸表の作成上の趣旨、もしくは都合によって、財務諸表の表面
下で現実には発生している会計事象がどのようタイミングで当該財務諸表上に
現れてくるのかを財務諸表論の頭で思考することができれば答案を作成するの
に苦労はしないはずである。
 
 しかし、簿記の頭で短絡的に暗記などに精を出している受験生には何を書い
たら良いのかまったく分からないのである。

 このような問題は、解答者が日頃会計的素質をきちんと養う学習をしている
か否かが明白に分かる問題であり、日頃の学習において会計学的(財務諸表論
的)思考ができているか否かが明暗を分ける問題である。


問1

 現状では営業資産に関して減損処理が適用されているが、含み益に関しては
依然として認識されない。

 現実に発生している含み益がどのような経緯を経て財務諸表上に現れ、損益
計算等にいかなる影響を与えるかを考えるチャンスはなかなかないである。

 上記解答を読んで現行企業会計の仕組みが当該会計事象にどのように対処し
ているのかを一度思考してみることはこれからの学習において有益なはずであ
る。


問2

 本問も価格変動会計論を知らなければ解答が書けないというものではない。

 現実の個別物価や一般物価の上昇が営業資産にどのような影響を与えるのか
を考えることが現実的に分かれば自ずと解答は書ける問題である。

 まさか、これから会計士になろうかという諸君が物価について何も知識が無
いなどということは無いはずであろう。

 もし、そうであれば、巷の受験学校の無意味な暗記至上主義に毒されている
ということである。

 これからの会計士は、企業の環境を把握して監査を実施しなければならず、
例えば、現実的な為替に関する知識も無いまま、為替換算に係る会計事象を検
証することはできない。

 そんなことは合格して実務に行けば分かると思っているのであれば大きな勘
違いである。

 その意味からすれば本問は会計学の問題というよりは一般常識の範疇である
ともいえる内容かもしれない。








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□ 雑 感 □===========================


◎現在HBAで提供している資料請求用の財務諸表論のDEMO版資料には、
ストックの存在を前提としてフローが生じることを説明した部分が載っている。

 そしてさらに、現実の貨幣経済社会に存在する企業の資本循環を明快に表し
た資本循環図も載っており、それについての解説も付いている。

 しかし残念なことに、これまで資料請求をしてくれた人の中には、それらが
財務諸表論(現行企業会計)を学習する上で最も重要なポイントであることを、
資料を見ても解説を聞いても感じ取れない人がいる。

 曰く、財務諸表論じゃないみたい?

 この感想は、既にHBAの会員となった人達からも聞くことがある。

 始めは、なんか巷で聞く財務諸表論じゃないみたいだと思ったそうである。

 しかし、何回かMDの解説を聞くうちに、何となくではあるが、資本循環の
意味がこれからの財務諸表論の学習に大きく影響してくる気がしたそうである。

 このようなレスポンスができれば、それが漠然とした感覚であったとしても
財務諸表論を財務諸表論の頭で学習する思考ができるのである。

 HBAはこのような人材を求めている。それは会計人としての将来性がある
からである。

 上記の資本循環図は現行企業会計における収益の原則的な認識基準である実
現主義を正しく理解(要件の暗記では実現主義を正しく知っていることにはな
らない)する上で重要なものであり、それはまた、現実の企業の現実の活動を
会計的視点から観察する上で欠くべからざる理解でもあるのだ。

 実は、その資本循環図やストックの存在を前提としてフローが生じることを
説明した部分は、HBAの学習によって(個別)財務諸表論に関しての一通り
の理解ができた時点で、さらに奥深い意味を持っていることを知ることになる
のである。

 その意味を知った時、現行企業会計のフレームワークが体系的・立体的に理
解できるのてある。


 学問であれ、何であれ。何かを始める場合に最も重要なことは基本をしっか
りと理解し、マスターすることである。

 それがスポーツであれば、人間工学的視点からの身体の仕組みと動きを知ル
ことであり、そのような筋肉の動き、間接の動きの基本を知って、始めて応用
的な動きに反映することができるのである。

 学問の場合には正しく正統な基礎理論の理解がその人の将来的な理解の上限
を決定付ける程に重要である。

 HBAの学習は、この基礎理論から必要の範囲でしっかりと理解してもらう
学習である。

 巷では聞いたことも無いし、見たことも無いと感じるのは巷にそのような正
しく正統な会計学の基礎理論が存在しないからである。

 それが無いのであれば、必然的に暗記を強要する以外に巷の受験学校の取る
道はない。


 近年の合格者は以前にもまして使い物にならないというのが監査の現場での
評価である。

 将来プロの会計人を目指すというのであれば、正しく正統な会計理論を正し
く学習してほしいと思うのである。







 それではまた次回に!!











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期合格を目指す諸君に、本質的な講義内容を提供します。当メルマガの有意義
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