【HBA王道セミナー】すべての理解は基礎理論の理解にあり!!基礎理論の
理解無しに応用など存在しない。




                            2010.12.2発行
■□ハスイ・ビジネス・アカデミー(HBA)■□■□■□■□■□■□■□■
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       公認会計士受験講座/財務諸表論・監査論

        〜 本質を極めよ、王道を行け!〜

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 はじめてご登録いただいた方へ!

 諸君、君たちの勉強方法は間違っていないか?
 これだけは伝えておきたい。
 暗記だけでは、本当の勉強はできない。
 具体的にいえば、早期合格はできない。

 たとえば講師に“本質的な実力”が伴っていなかったとしたら、
 果たしてどういう授業風景となるか。
 そう、“本質的な説明”ができない。
 ではどうするか。もうおわかりだろう。彼は諸君に『暗記』を強要すること
 になる。

 当アカデミーでは、そういった受験業界の風潮を打破したい。
 このメールマガジンでは、Q&A形式で諸君を応援する。
 まずは基礎。
 基礎を固めるため、ぜひ当アカデミーの問題に挑戦してもらいたい。
 
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 本質的な4つの提案
===========

 当アカデミーでは、受験生諸君に以下の4点を提案したい。

 (1) 体裁の口上なんかに惑わされるな!
 (2) 暗記で受かるのは偶然でしかない!
 (3) 暗記は勉強ではない。勉強の手段だ!
 (4) 良質の資料によって、良質な指導を受けよ!

 いちど試してみて欲しい。
“本質”は、HBAにしかない・・・!



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《第44講》「(財務諸表)監査(をすること)の真意とは?
       <動態論の計算構造の仕組みと複式簿記の見せかけの理解>」
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◇《今日の一言》◇ =============== =============== =============== 

 読者の皆さん、こんにちは!!

 諸処の事情から、再びの長〜いお待たせとなり申し訳ありません。

 読者の皆さんには心よりお詫びします。




 さて、今回のHBAメールマガジンは、前信での予告のように監査論である。

 今回取り上げるのは、監査論(および監査の実践)における基本中の基本で
ありながら、読者諸君はもとより、実務に就いている会計士でも、本当の実力
のある少数の会計士以外では、例え代表社員といった肩書きが付いていようと
も、そのほとんどが知らない、もしくは、無意識、もしくは、実務経験上で何
となくそのような感覚はあるものの、理論的に整然とした理解としてはできて
いないという内容である。

 それは、監査論の基本中の基本である「(財務諸表)監査(をすること)の
真意」である。

 この『監査の真意』を知らずして職業的専門家としての監査人(公認会計士
)などとはいえず、国家試験に偶然合格して肩書きがあるからプロだとのたま
うのはお目出たい連中の戯言である。

 現行の公認会計士試験(他の国家試験もおしなべて同じようなものだが)は、
合格者の監査人としての「能力」を保証しない。

 本来「プロ」とは肩書きでその能力が評価されるものではないのである。


 本信の『監査の真意』は、前々信で取り上げた内容にも関連して、それを知
らないでの複式簿記の見せかけの理解(?)の愚かさ、そして、巷の受験学校で
の受験簿記の学習の弊害、つまり、巷の受験学校での受験簿記の学習が受験生
の会計学の学習にとって大きな障害となっていることを諸君に知らしめること
となるはずである。

 読者諸君は、監査論の基本中の基本である『監査をする』とは「一体何をし
ていることなのか?」、「公認会計士は監査で本当は何をしているのか(して
いるへきなのか)?」を知っているだろうか?


 ここで、内容に触れる前に敢えて始めに断っておくことにする。

 これから記す本信での内容を知るような講師は巷一般の受験学校には、財務
諸表論の講師であれ、監査論の講師であれ、まったく存在しないと断言してお
く。

 もし、本信(全HBAメールマガジンの内容といっても良いが)と同じ内容
の資料等を提供する講師等、もしくは、説明する講師等がいれば、それはHB
Aメールマガジンで知ったことであるとも断言しておく。

 なぜなら、特に本信での内容は、巷一般の講師等が知っているような一般に
名の知れた良書などと言われる市販本などにはまったく書いてないからである。

 およそ、巷で有名・良書などといわれる市販本(市販本のほとんどは問答無
用の内容である)などにも会計学の本質的なことなどは何も書いてはいない。

 HBAメールマガジンの読者諸君は、今まで当メールマガジンを読んできて
既にそのことに気が付いているはずである。


 前々信でも記したが、本信の内容も含めてここのところ取り上げている内容
に関しては、既発行のHBAメールマガジンでも、そこで取り上げたテーマに
関連して必要な範囲で記してきた。

 しかし、ここに会計学(監査論を含む)の基本中の基本論点だけを一同に会
してまとめて学習するのもまた有意義であり、とりわけ、本信の内容はおよそ
監査論の基本中の基本でありながら、簿記の頭の読者諸君はまったく知らない、
もしくは、まったく意識でき得ない内容であり、また、例え知ろうとしてもH
BA以外ではまったく知り得ないことであるから、特に有意義であるはずであ
る。



 では、前置きはこれぐらいにして話しを進めることにしよう。


 そこで再度諸君に尋ねるのだが、「(財務諸表)監査の真意とは?」と問わ
れ、また、「監査をするとは、一体何をしていることなのか?」、「 公認会
計士は監査で一体何をしているのか(しているべきなのか)? 」と問われて
何と答えるのであろうか?

 おそらくというか、まず100%といってもいいが「(財務諸表)監査は、企
業が作成・公表する財務諸表が企業の経営成績、財政状態およびキャッシュ・
フローに関して適性に表示しているか否かをチェック(検証)している」と答
えるはずだ。

 失礼ながら、読者諸君(受験生)はそれ以外に知らないのであり、それは、
巷の受験学校ではそれしか教えてはくれないのだから、他に答えようが無いの
である。

 上記のような 答えは単なる表面的な能書きでしかない。

 「(財務諸表)監査の真意(本質)」といったものなど何も説明してはいな
いのである。

 そう言われても、勿論、読者諸君は「・・・??」であろう。


 それは、例えば、「実現主義とはいかなるものか」と問われて、“それは、
市場取引を前提として、財貨・役務の第三者への提供とその対価としての現金
・現金同等物を受領した時に収益を認識する基準だ”などと答えるのと同じで、
この説明は単なる「結論としての実現主義の定義」を示しただけであって、会
計学の議論における「実現主義」の意味を何も説明してはいない。

 それはまた、「販売基準とはいかなるものか」と問われて、“市場取引にお
いて、財貨・役務の第三者への提供と対価としての現金・現金同等物の受領と
いう条件が充たされた時に収益を認識する基準だ“などと説明することも同様
に、販売基準の「適用要件」を示しているだけ、つまり、会計実践においての
それらの基準の適用上のガイドラインを言っているだけであって、会計学上の
「意味」を何も説明してはいないのである。

 だから、「事例を示して、それが販売基準の適用であることを論拠を示して
説明しなさい」などという問題が出題された場合、当然読者諸君は、上記のよ
うに規定文言上の要件を事例に“当てはめ“、“本問の事例は・・・の要件を
充たすため、販売基準の適用である”などと書いて、“解答”だと信じている
のである。


 実は、私が巷の受験学校の会計士科にいた時に、そのような問題を出題した
ことがある。

 その時、その問題に対する解答として上記のような内容を書いてある答案は
即座に「0点」を付けている。

 答案をすべて読む必要もない。見た瞬間に0点の答案と判定できるのである。

 何故なら、そのような答案は問題が問うている「販売基準とはいかなる基準
か」という「本質」を何も説明してはいないからである。

 要件は論拠たり得ない。ただの会計実践上の適用条件であるだけである。

 したがって、その要件を事例に当てはめて「・・・したがって」などとして
も、本来答えるべき「論拠」は何も答えてはいないのである。

 題意に解答していない答案は0点であって当然であろう。当該問題は、適用
要件などを問うてはいないのだから。


 つまり、諸君(受験生)は、巷の受験学校で“財務諸表論”と称して、また、
“監査論”と称して教わっているものは、財務諸表「論」ても、監査「論」で
もなく、理論的議論の蒸留であり、議論の結末(結論)としての実践上の要件
(適用条件)を説明されているだけであって、会計学の理論(本質)や監査論
の理論(本質)を教わっているわけではない。だから、理論的本質を「学習」
しているはずが無いのである。


 このことは、読者諸君(受験生)に責任があるわけではない。

 本試験の主催者の罪悪とも言える試験内容に関する大きな勘違いと、基準等
の暗記によっての単なるクウォリファイ・テストの“合格者”というだけの何
も知らない者に講師として授業をさせている巷の受験学校の責任が重大である。

 しかし、それらに対してリスク・ヘッジをまったくせず、表面上の評判を鵜
呑みにして、それらの受験学校で授業を受ける諸君(受験生)にも責任がまっ
たく無いというわけではない。

 「本物」を知ろうとする学習態度を、そんなことは合格後に何とかなるなど
と知ったように言い、受験はまずは合格することが重要だとの“大義名分?”
によってスミに押しやり、物の本質を知ろうとしない諸君にも大いに責任があ
るのである。

 だから、一度上記の「実現主義とはいかなるものか」や「販売基準とはいか
なるものか」に関して、「会計学」としての解答を考えてみると良いであろう。



 さて、読者諸君は、監査基準等(監査関連の規定)には、その前文において
は「財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに関して適性に表示してい
るか否かについて・・・」と記されていることを知っているだろうか?

 藪からぼうに何を言い出すのか?と思うかも知れない。

 上記をもう一度よ〜く読んでみて欲しい。

 読者諸君が“知っている”はずの文章とは何かが違ってはいないだろうか?


 おそらく、読者諸君の全員が「・・・? 何が違うというのだ?」と、分か
らないのではないだろうか。

 だから、本当はこんなことを諸君に尋ねてみるだけ野暮なのかも知れない。


 実は、会計関連の規定(企業会計原則をはじめとする会計に関する諸規定)
では、その前文には「経営成績、財政状態およびキャッシュ・フローに関して
適性に表示するように・・・」と記されている。

 前出の文言との違いが分かっただろうか?

 そう、前出の監査基準等の監査に関する諸規定では「財政状態、経営成績・
・・」という用語順序になっているのに対して、企業会計原則等の会計に関す
る諸規定では「経営成績、財政状態・・・」という用語順序になっているので
ある。

 つまり、企業会計原則等では「経営成績」という用語が先にあり、その後に
「財政状態」という用語が記されているのに対して、監査基準等では「財政状
態」という用語が先にあり、その後に「経営成績」という用語が記されている
のである。


 “な〜ンだそんなことか、だからどうしたというのだ”と思った諸君は“受
験簿記しか知らない”諸君であり、本物の財務諸表論も監査論も知りはしない。

 つまり、会計におけるフレームワークにおいて仕組まれている基本的で重要
な仕組みと会計実践上での監査の真意(監査が会計実践上存在すること、存在
すべきことの意味)を知らないということである。


 上記は単なる用語の並べ方の違いなどといったものではない。

 一度自分で実際に読んで確かめてみると良いであろう。

 会計関連の諸規定では必ず「経営成績、財政状態およびキャッシュ・フロー
に関して適性に表示・・・」という順序で記されており、監査関連の諸規定で
は必ず「財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに関して適性に表示・
・・」という順序に記されている。

 これらの前文での表記にはちゃんとした意味(理由)があり、その意味(理
由)は、本信での「監査の真意」や現行企業会計が基盤とする「計算構造の本
質」に基づいた記述なのである。


 承知のように、現行企業会計は動態論の計算構造を基盤とし、財務諸表はそ
れぞれ損益計算書は損益法により、貸借対照表は誘導法により作成されている。

 当該財務諸表は、これも読者諸君が良く承知するように、その作成・公表が、
投資家を主とする情報ニーズに対応すべく、投資情報としての企業の業績、つ
まり、経営成績に関する情報を開示することに第一義的目的がある。

 したがって、企業の「経営成績、財政状態(およびキャッシュ・フロー)」
を適性に表示するように作成・開示されるのであり、そのことを表しているの
が、前出の企業会計原則等の前文での「経営成績、財政状態およびキャッシュ
・フローに関して適性に表示・・・」という記述であり、それは企業の業績、
すなわち「経営成績」の適性表示が情報の「主」であることを意味している。

 このことは、読者諸君の全員が良く“知っている”はずであり、だからこそ、
逆にこの短いフレーズにおいて並べられている用語の順序が監査基準等では逆
になっていることなど気にも止めないのである。

 つまり、読者諸君は、監査はそのような財務諸表(投資情報としての経営成
績を情報の「主」とする会計のフレームワークによって生み出される情報)の
適正性を検証するのだから、当然に監査においてもその検証の「第一義的目的
」は「経営成績」の適正性にあるという思考なのである。

 このことがつまりは、「監査の真意」を理解してはいないことを物語ってい
るのであり、しかし、それは同時に、複式簿記における決算整理手続の真意が。
その前提となる仕組まれた会計構造にあることをもまた正しくは理解していな
いことを物語るものである。

 だめ押しをすれば、単に簿記を知って会計学(監査論を含む)を知っている
つもりになっているだけだということだ。


 では、何故監査基準等では上記のように企業会計原則等とは逆、つまり、「
財政状態、経営成績および・・・」という用語の並べ順になっているのであろ
うか?


 実は、この意味を知ることが、本信での「監査の真意」を知ること、つまり、
「監査とは、一体何をしていることなのか?」、「公認会計士は監査で一体何
をしているのか(しているべきなのか)?」を知ることであり、したがってそ
れは、「複式簿記の見せかけの理解?の愚かさ」を知ることでもある。


 この表記の違いは、監査が「財政状態」をチェック(検証)することに第一
義的目的があることによるものである。

 つまり、結論を先に記せば、監査においては損益計算書のチェック(いわゆ
る期中監査)が決定的に重要なのではなく、監査においては「貸借対照表」の
チェック(いわゆる期末監査)こそが決定的に重要なのである。

 もっと言えば、、監査の真意(監査の本質的な目的)は「貸借対照表」の適
正性を検証すること、さらにもっと本信の趣旨に迫る言い方をすれば、貸借対
照表上に表示されている資産・負債等の「実在性」を検証(確認)することな
のである。

 ここで、「だって、見積り項目もあるじゃないか?」などと言う暗記頭、簿
記頭の諸君は、監査の本質、いや、それ以前に現行企業会計の基盤たる動態論
の計算構造に仕組まれた仕組みの正しい理解がまったく「無い」といえる。


 企業会計原則等の会計関連の規定での「経営成績、財政状態およびキャッシ
ュ・フローに関して適性に表示・・・」は、現行の企業会計の基本的構造が、
投資家に対する投資意思決定情報の提供を第一義的目的とし、その情報作成の
フレームワークとして、動態論の計算構造を基盤とすること、そこでは帳簿記
録を前提として、損益計算書を損益法により、貸借対照表を誘導法により作成
すること、を前提とした表記であり、したがって、現行企業会計の情報の特質、
それはすなわち、その財務諸表が作り出される会計のフレームワークの構造的
特質を表現した表記である。

 これに対して、監査基準等では、動態論の計算構造において「仕組まれたシ
ステム」の検証の意味を前提として、その真意を表現した表記なのである。

 この「その真意を表現した表記」とはどのような意味なのか?


 では、次回までに読者諸君自身で一度考えてみてもらいたい。



 今回は以上である。





 ・・・とするのが本来は読者諸君にとってはとても有意義なのである。

 がしかし、本信の発行までだいぶ長〜い間お待たせしたこともあり、本信の
「ヒント」ぐらいは今回記しておくことにしよう。


 そこで、本信の内容を理解する手助けとして、下に企業の資本運動を示す簡
単な図(読者諸君にとって一番分かり易い?のかもしれない簿記的・仕訳的な
図と若干の説明)を示しておくことにしよう。

 「企業活動と資本循環」という内容である。」

   図はこちら >>>


 実は、上に示す資料は、HBA資料請求で提供している財務諸表論の資料(
HBAの財務諸表論の正規のテキストから一部抜粋して作成してある)の始め
の方に出てくる部分を取り出し、さらに、今回のHBAメールマガジン用に図
の色づけ等多少の手を加えたものである。

 しかし、おそらく読者諸君はこの図を見ても、単なる簿記の説明としか思え
ず、そこからは何も読み取ることはできないのではないだろうか?

 この図が貨幣経済社会を前提に存在する現実の企業の資本運動を表し、しか
も、それはまた現行企業会計の構造的特質を表し、さらにそれは「監査の真意
」の重大なヒントをも説明している図であるとは見当もつかないはずである。


 現在HBA資料請求において提供している資料には、この図とともにHBA
オリジナルの「資本循環図」(既発行のHBAメールマガジンにて掲載)が載
っている。

 したがって、HBA資料請求での提供資料には、現行企業会計の特質と監査
の真意に関する内容が載っていることになるのだが、残念なことに、それをそ
うだと気が付く諸君は多くはない。

 HBAが資料請求でこのような資料を提供するのは、HBAが会計的感性を
持つ諸君や受験勉強であっても本物を知る思考のある諸君の受講を期待してい
るからである。

 このHBAの提供資料に読者諸君はレスポンスすることができるだろうか?


 さて、では上に示す図について簡単に説明することにしよう。当該図を見な
がら以下を読み進めて欲しい。

 ここで注意することは、ここに記す説明(資料請求時に同時に提供される解
説MDでも説明している内容)は、ごく簡単ものなのだが、その簡単な説明に
本信の趣旨のヒントがあるということである。

 だから、それを十分に意識して読んで欲しい。


 参照するのは、まずはp.2の仕訳が載っているところである。

 これは現実の企業の資本運動をごくごくシンプルに会計的/仕訳的に表した
ものである。

 (1)の仕訳は資本調達により「現金」という形で企業に資本が存在している
状態を仕訳的に説明している。

 ※ 資料における当該仕訳に付してある説明を読んでもらっても同じである。

 そこで、企業は資本運動を開始し、とりあえず資本(現金)を投下して、商
品という資産を取得する。これが、(2)の仕訳である。

 このとき貸方の「資本金」は(1)と同様だが、借方の「現金」は「商品」へ
と資産形態が変わっている。

 しかし、この時点では資本の運用形態が現金から商品へと変化しただけであ
って、資本自体にはまだ何も変化は生じていない。

 そこで、営業取引を開始し、当該商品を市場を通して外部に販売する。これ
を表したものが(3)の仕訳である。

 この仕訳は、読者諸君の得意分野であるように、経営成績に関する情報を主
とする現行企業会計では、この仕訳が重要な意味を持ち、諸君の簿記学習にお
いてもこの損益フローをできるだけ早く正確に把握することこそが最大の課題
となっているはずである。

 つまり、(3)の仕訳でのように商品を売上げれば簿記上では貸方に収益とし
ての「売上」を計上し、借方には当該「売上」を獲得した努力たる費用として
の「売上原価」(本来は決算整理手続において計上されるが、ここでは端的に
比較するため)が計上され、したがって、企業成果たる収益としての「売上」
とその成果を獲得する為の努力たる費用としての「売上原価」の差額として、
「利益」が計上されているのである。


 そこで、この(3)の仕訳とその下にある(1)"の仕訳を見比べて欲しい。

 両者は同じ資本運動の状況を表現している仕訳だが、(1)"の仕訳は、(3)の
損益計算が生じる裏で何が起こっているのかを表している。

 会計情報上では損益項目による損益計算が重要な意味を持つが、その利益が
生じる元となる資本運動は、資産の動きによるものなのである。

 つまり、損益計算上で利益が生じるのは、企業の実際の資本運動上では資産
が動くことによって起こるということである。

 このことを表しているのが(1)"の仕訳である。

 その(1)"の仕訳が意味するところは、当初資本を投下して取得した「商品」
を外部に売り渡し、したがってそれは、「商品」という「資産」が企業外部に
流出して減少し、それと引き換えに「(増殖した)現金」が企業内に流入して
いることである。

 この資本運動を会計学では「G−W−G'」(「G(現金)−W(財)−G'(増
殖した現金)」)と表現している。

 つまり、図の「(1)→(1)'→(1)"」のプロセスである。


 したがって、これを簿記で表現すれば、減少した資産である「商品」が当該
仕訳では貸方に減少記入がされ、新たに企業に流入した「(増殖した)現金」
が借方に増加記入されることになる。

 しかし、その簿記仕訳は、仕組まれた会計の仕組みに基づいて表記されるだ
けである。

 間違っても簿記の仕訳が前提になることなどは無いのだが、諸君の多くは簿
記の頭だから、仕訳有りきの前提で財務諸表論を考えるため、会計フレームワ
ークで仕組まれた仕組みなどに到底思考が及ぶことは無いのである。

 つまり、常に思考が逆に流れるのである。

 受験簿記で損益計算(書)にばかり目が行くであろう諸君(受験生)にとっ
ては、学習においてこのようなことを考えることはまずないはずである。

 (3)の仕訳を見て思いつくのは、せいぜい簿記3級の時に習った個別法ぐらい
のものであろうか。


 上記説明から明らかなように、損益計算上で計算された「利益」は、減少し
た資産(商品)と増加した資産(現金)の差額として獲得される。

 現行企業会計上では投資情報として重要な意味を持つ損益計算ではあるが、
現実にはその損益計算は資産が動くことによって生じるものであるということ
である。

 実は、ここに「監査の真意」を知るヒントがある。

 それは、(3)と(1)"の仕訳は同じ資本運動をそれぞれフローの観点とストッ
クの観点から表現しているということである。

 したがって、当該資本運動の結末としてのストックの状態を見れば、(4)の
ような仕訳で表される(「G’」の状態)ことになる。

 フローの観点から捉えた「売上利益」は計算上の数値でしかない。

 ではその数値に見合う資本(ストック)は何処にあるのか?

 (4)の仕訳がそれを表しているのである。



 さてさて、これが本信での「監査の真意」を知る重大なヒントである。

 がしかし、このつづきは次回である。

 この話しは監査手続まで及ぶ(HBAメールマガジンでそれを記すか否かは
未定)のだが、今回は既にスペース的に余裕が無い。


 そこで、読者諸君は、上に示した図と上記説明を手掛かりに、次回まで自分
なりに考えてみて欲しいのである。

 自分で考えることは重要な学習の過程である。

 間違っててもいいから、次回の発行までに自分なりの考えをまとめておき、
次回のHBAメールマガジンを読むと一層有意義である。


 実は、上記の説明で、とりあえずの答はほとんど見えているのだから。読者
諸君に会計的センス、もしくは会計的な感性があればそれが見えるはずなので
ある。






 今回は以上である。





 次回は勿論このつづきの予定である。

 ので、次回のHBAメールマガジンはできるだけ早めに発行できるように努
力するつもりです・・・?




 ではまた次回に!!










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◇ =============== =============== ============= =================

◇◇◇今回の問題◇◇◇

問題1

 製造業を営む会社の期末監査に際して、重要な事業所の棚卸資産の実地棚卸
の立会を行う予定であったが、大雨による交通機関の遮断により、棚卸資産の
実地棚卸に立会うことができなかった。
 
問1
 立会とはいかなる監査手続か、また立会を行うにあたっての留意事項を2つ
挙げなさい。(7行)
   
問2
 監査人は制度上どのような対応をしなければならないか。(4行)
     
問3
 「問2」の対応に対してあなたはどのように考えるか、またどのように対応
すべきか、最終的な意見にまで言及して述べなさい。(11行)



問題2
 あなたは、売掛金の年齢調べ表より1年以上動きのない売掛金のある得意先
全件について、当該得意先の財務内容の調査、分析及び証憑突合を行うよう指
示された。これに関連して、以下の問に答えなさい。

問1
 あなたは、どのような監査要点を立証しようとしているか答えなさい。
                              (2行)

問2
 本問のような監査手法を何というか、また、何故あなたはこの監査手法を適
用したのか簡潔に説明しなさい。(4行)

問3
 当該監査手続を行った結果、いくつかの得意先について財務内容がかなり悪
化していることが判明したが、会社としては当該事実について把握していなか
った。そこで、 問1 で解答したどの監査要点に虚偽記載があると考えるか答
えなさい。また、会社に対してどのような指導を行うか、さらにこの指導を会
社が受け入れなかった場合の監査人の対応について最終的な意見にまで言及し
て述べなさい。解答に当たっては、当該事項の他に、監査上の制約あるいは財
務諸表における問題点はないものと仮定する。(11行)

問4
 あなたは、当該得意先の財務内容の調査に関してかなりの労力と費用がかか
ると判断した。そこで当該監査手続に関してどのようなことを検討するか説明
しなさい。(3行)

問題3
 売掛金計上の実在性に関連する内部統制組織の検証計画を立案するにあたり
「売掛金の計上は、出荷の事実と照合した記録のある出荷報告書に基づいて行
う」「売掛金の計上に際しては、注文請書の写しと照合する」「毎月末、得意
先元帳に記載されている金額を得意先との間で照合し、その後、得意先元帳の
金額欄に照合印を捺印する」という統制手続が存在した場合、どのようなこと
を考慮して検証手続の対象とする統制手続を決定するか、説明しなさい。
                              (10行)






〜本問に関する確認項目〜

・今回の問題は、解答そのものをさせることに目的(もしくは意義)があるわ
けでは無い。
 次回までに本問の解答を作成しながら、それを手掛かりにして本信での「監
査の真意」に関して考えてもらうことが目的での出題である。
 したがって、本信の内容が完結するであろう少なくとも次回も同じ問題とな
る。
 上の本文の最後にも記したように、監査の真意は監査手続の内容、さらには
監査意見における限定事項等の表明までに及ぶ内容である。
 単に、監査手続等を暗記るのでは無く、何故そのような手続の適用が必要
なのか、何故そのような意見表明(限定事項の記載)が必要なのかを考え欲
しい。







・解答行数:上記各問題文末参照。

      問題1
      問1:  20点
      問2:   15点
            問3:   25点
      問題2
            問1:  10点
      問2:   15点
            問3:   35点
            問4:  15点
      問題3: 25点

         (合計  150点満点)

 ※ 得点配分は100点満点では無いが、各問のウェイトは得点割合で確認して
  欲しい。








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◆◆◆前回の問題◆◆◆ =============== =============== ===========

問 題
 「企業会計原則」では、「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基
づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければ
ならない」(損益計算書原則一A)とされています。ここに規定される費用及
び収益の測定に関して、取得原価主義および実現主義を踏まえて以下の各問に
答えなさい。


問1
 上記規定は、費用及び収益の測定に関して、取引価額を測定基礎とすること
を指示しています。このように、取引価額を測定基礎とすることが、費用及び
収益の測定値に客観性を与えることになるといわれます。これについて説明し
なさい。(9行)

問2
 問1のように費用及び収益の測定額には基本的に客観性が認めらるとされま
すが、費用の測定額と収益の測定額とでは、客観性の程度に相違があると考え
られます。測定額の客観性の程度を左右する費用の測定額と収益の測定額との
根本的相違を二点指摘しなさい。((1)6行・(2)6行)

問3
 現制度会計では、原則として費用の測定額は取引価額(取得原価)を基礎と
しています。そこで、継続企業の収益力を算定・表示するための費用の測定額
として取引価額(取得原価)を基礎とする上での限界について説明し、企業の
収益力の算定・表示のために、より合理的と考えられる費用の測定額について
明らかにしなさい。(12行)







〜本問に関する確認項目〜

・問1は、取引価額基準を前提にして解答する問題である。つまり、費用額に
ついては支出額基準、収益額については収入額基準である。
・問2は、取引価額基準によって測定される費用額と収益額に質的相違が存在
することを指摘できるかがポイントである。
・問3は、費用額と収益額の測定のタイミングの違いが解答のポイントである。







・解答行数:上記各問題文末参照。

      問1:  20点
      問2:(1)20点
                 (2)20点
            問3:  40点
         (合計  100点満点)










◆◆◆前回の問題の解答・解説◆◆◆=============== ============ =======


◆【解 答】◆◆=============== =============== ============ ==========

問1

 収益の測定基礎としての取引価額(収入額)は、収益に関連する過去・現在
・将来の現金収入額を意味する。実現主義の原則によって認識された収益の測
定額は、すべて現実になされた当事者の合意に基づく取引価額であり、その限
りにおいて客観的に立証し得る測定基礎ということができる。また、費用の測
定基礎としての取引価額(支出額)は、費用に関連する過去・現在・将来の現
金支出額を意味する。費用の測定額は、支出額たる取得原価を期間的に配分し
て測定されるが、その支出額そのものは、収益の測定額と同様に、現実になさ
れた当事者の合意に基づく取引価額であるから、その限りで測定価額の客観性
が認められる。このように、取引価額を測定基礎とすることで、費用及び収益
の測定額には、価額の客観性が認められることになる。
(20点)


問2

 測定額の客観性の程度を左右する費用の測定額と収益の測定額との根本的相
違は次の二点である。
(1) まず、収益の測定基礎をなす取引価額のほとんどが当期(現在)の取引価
額であるのに対して、費用の測定基礎をなす取引価額が過去の取引価額を大幅
に含んでいる点である。典型的には有形固定資産原価の費用配分額としての減
価償却額にみられるように、一般に数年あるいは数十年前の取引価額が含まれ
ている。すなわち、等しく取引価額を測定基礎とするとはいっても、収益がお
おむね現在価額で測定されているのに対して、費用は現在価額だけでなく、過
去の価額を多分に含んで測定されるのである。
(2) 次に、収益の測定価額が、それが実現した時の取引価額でもってそのまま
測定されるのに対して、費用の測定価額は、取引価額が期間的に配分されるた
めに、配分の段階において判断の要素が介入する点である。
 したがって、取引価額そのものには立証し得る客観的な証拠に基づく価額と
してそれなりの客観性が認められるとしても、期間費用としての配分額もまた
同等に客観的であるとは限らない。そのため、収益の測定額と費用の測定額と
では客観性の程度において相違が生じる。
(40点)


問3

 現行の会計制度では、取引価額を費用の測定基礎とするため、費用配分の原
則によって配分される当期の費用額もまた取引価額たる取得原価を配分したも
のとなる。したがって、収益と対応させられる費用の測定額は、多分に過去の
取引価額を含んだ価額となる。
 しかしながら、そのような価額となる費用と対応する収益の測定額の方は、
基本的に現在の取引価額であるので、現在の取引価額を測定基礎とする収益と
過去の取引価額を測定基礎とする費用とが対応されて当期の利益が計算されて
しまう。
 そこで、むしろ、企業の収益力の表示を無条件に取り上げるのであれば、収
益と対応させられる費用は、対応時点における価値を反映するのが最も合理的
であるという考え方が生じる。したがって、費用額としては投資時点における
価値をあらわす過去の取引価額(取得原価)ではなく、対応時点における価値
をあらわす現在の価額が要請されることになる。この場合の対応時点における
現在の価額としては、再調達原価、もしくは、割引現在価値が想定される。








◆【解 説】◆◆=============== =============== ============ =========

【出題意図】

 費用及び収益がそれぞれ支出額・収入額という取引価額を測定基礎とすると
いっても、費用と収益とではその認識そのものが違うため、費用の測定額と収
益の測定額とではその素性がかなり違ってくる。
 本問では、費用・収益の測定額そのものに焦点をあてて、取引価額基準、費
用配分の原則、費用収益対応の原則に関連づけられる当該測定額の性格をいく
つかの側面から問うている。



【解 説】

1.費用及び収益の測定原則

(1) 取引価額基準(収入額基準、支出額基準)
 「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、・・・」
(損益計算書原則一A)とは、費用及び収益の測定についての収入額基準・支
出額基準ないし取引価額基準の適用を意味する。ここでの収入とは、収益に関
連する過去・現在・将来の現金流入を意味する。

 したがって、実現主義の原則によって認識される収益の場合、収益額につい
てはその実現とともに確定する収入額(取引価額)がそのまま直接収益の測定
額とされる。また、支出額基準とは、費用がそれに関連する支出を基礎にして
測定されることを要請するものである。

 ここでの支出とは、費用に関連する過去・現在・将来の現金流出を意味する。
したがって、発生主義の原則によって発生費用を把握し、その時に確定する支
出額を基に、費用配分の原則によって当期の費用額が決定される。


(2) 費用配分の原則
 「・・・その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければなら
ない。・・」(損益計算書原則一A)とは費用についての費用配分の原則の適
用を意味する。今日の発生主義会計では、資本循環を前提とした投下資本の回
収余剰としての分配可能利益の算定要請により、収益の認識について実現主義
の原則の適用が要請されることから、その期間的対応関係は収益が費用を限定
する関係として捉えられることになる。このために費用に関連する支出のうち
当期の収益に対応する金額を限定するのが費用配分の原則である。


2.収益の測定価額の内容

 収益の測定に関して、「企業会計原則」は、「すべての費用及び収益は、そ
の支出及び収入に基づいて計上し・・・」と述べているが、この場合に収益の
測定基礎とされる収入額は、債権の成立をも含めた広義の収入額であって、取
引価額つまり実現価額を意味する。

 収益の測定基礎としての取引価額は、現金収入の時点との関連でみれば、過
年度の収入額、当期の収入額、および将来の収入額に大別される。過年度の収
入額を測定基礎とする収益には、前受金や前受収益の振替えによる収益項目が
あり、当期の収入額を測定基礎とする収益には、営業収益および営業外収益の
ほとんどの収益項目が該当する。将来の収入額を測定基礎とする収益には、費
用の場合とは異なり、未確定の将来の収入額が含まれないから、受取手形や売
掛金等の確定したもののみが該当する。

 これは、費用の認識原則が発生主義であるのに対し、収益の認識原則が実現
主義であることによる。このように、現金の収入時点は実現時点と時間的に合
致しない場合が多いが、実現価額は、すべて現実になされた当事者間の合意に
基づく取引価額であり、その限りにおいて客観的に立証しうる測定基礎である。
 

3.費用の測定価額の内容

 収支計算を原型とする期間損益計算構造のもとにおいては、当期の収益と対
応する財貨・用役の費消額は、支出額つまり財貨・用役に対する資本の投下額
を意味する原価の額を基礎として測定される。

 「企業会計原則」が、「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づ
いて計上し・・・」と指示しているように、収益の測定基礎が収入額であるの
に対して費用の測定基礎は支出額であるが、その場合の支出額は、収入額と同
じく、当期の支出額だけではなく過去の支出額および将来の支出額をも含む広
義の支出額である。しかも、将来の収入額が確定収入つまり債権の成立を意味
するのに対して、将来の支出額は将来の確定支出としての債務の成立のほかに、
未確定支出を含むことが注意されねばならない。

 これは、収益の認識原則が実現主義であるのに対し、費用の認識原則が発生
主義だからである。費用配分という場合に、一般には、すでになされた資本の
投下額を、実現収益との対応関係に基づいて、期間的に費用額として配分する
ことを意味する。しかし、費用の額のなかには、将来の支出額を基礎とするも
のも含まれるので、費用配分を費用の測定に関する包括的な基本概念としてと
りあげた場合には、将来の支出額をも含めた広い意味において理解する必要が
ある。

 費用の測定原則としての費用配分の原則は、上述のように、財貨・用役に投
下された資本額つまり支出額を、収益との対応関係を通して、期間的に費用と
して配分する原則である。このことは、費用の測定基礎が支出額であり、収益
の測定基礎が収入額であるのと同様に、現実の取引価額が測定基礎とされてい
ることを意味する。

 収益の測定基礎が取引価額であり、その特質が客観性にあることは、すでに
述べたところである。しかも、費用の測定基礎も現実の取引価額であるから、
その限りでは価額の客観性が認められる。


4.収益の測定価額と費用の測定価額との相違

 収益の測定における取引価額(収入額)基礎と、費用の測定における取引価
額(支出額)基礎とは、その客観性の内容が決定的に異なった性質のものであ
ることに注意しなければならない。

 異質点のひ一つ目は、収益の測定基礎をなす取引価額のほとんどが当期の取
引価額であるのに対して、費用の測定基礎をなす取引価額が、過去の取引価額
を大幅に含むことである。収益の場合にも、前受金の振替額のように、過去の
取引価額が一部に含まれることがあるが、それは、金額的に小さいだけでなく
一般に前年度の取引価額であり当期の価額に近似する。

 これに対し費用の場合には、典型的には有形固定資産原価の費用配分額とし
ての減価償却費にみられるように、その金額がかなりの額に及ぶだけでなく、
一般に数カ年あるいは十数年前の取引価額もまた含まれている。

 このように、等しく取引価額を測定基礎とするにせよ、収益が現在価額で測
定されているのに対し、費用は現在価額だけでなく過去の価額でも測定される
ことになる。

 このことは、収益の価額が、立証しうる取引事実に基づくという意味で客観
性が認められるだけでなく、現在価額を反映するという意味においても客観性
が認められるのに対し、費用価額には、現在価額を反映するという意味におけ
る客観性が認められるとは限らないことを意味する。同時に、このことはまた、
期間的な経営成績の表示が、それなりの制約を受けていることを意味する。

 異質点の二つ目は、収益の価額が、そのときの取引価額でもってそのまま測
定されるのに対し、費用の価額は、取引価額が期間的に配分されるために、配
分の段階において判断の要素が介入することである。

 したがって、取引価額そのものにこそ、立証しうる客観的な証拠に基づく価
額として、それなりの客観性を認めうるにせよ、期間費用としての配分額もま
た同じく客観的であるとは限らない。さらに、費用の価額のなかには、将来の
未確定支出の当期配分額も含まれるから、その面からも、費用の価額の客観性
は、相対的な性格のものとしてあらわれることになる。

 このように、費用配分の原則に基づく費用の価額の客観性はきわめて相対的
な性格のものとしてあらわれるが、これは、費用配分の根拠が、費用の価額の
客観性それ自体にあるのではなく、投下資本(原価)の回収(実現)余剰の意
味における分配可能利益の計算にあることを示すものである。費用の測定基礎
として取引価額つまり支出額をとるのは、利害関係者の中心的な関心をなす分
配可能利益の計算に根拠をおくからであり、また収益との対応関係に基づいて
原価を配分するのは、分配可能利益の計算の枠内で、できるだけ期間的な経営
成績をあらわしうるような損益計算を行うからである。









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□ 雑 感 □===========================


◎前信では、「猛暑である!!」などと記したが、今は既に冬である。

 今年は「秋」を感じることが無かったような気がする。

 猛暑が止んで来て少しは凌ぎやすくなったかな、と思ったら、急に冷え込み、
しかし、長袖ものを引っ張り出したとたんに暑さが振りかえし、急いで半袖に
着替えるといったことだった。

 やはり今年の気候は何か変であったように思う。


 日本の四季はとても情緒が有り、特に初夏の五月頃と秋が好きである。

 初夏は草花の新芽が出そろい始め、そよ風はまだ湿気を含まずとても爽やか
である。

 秋の空気はすんでいて清々しい。


 そう言えば最近は、五月のそよ風のように涼しげで爽やかであり、秋の空気
のように心がすんだ女性を見かけることが少なくなった気がする。

 今時の流行の衣服などを身につけていても、一向に心が動かされない。

 女性の美しさは、心の美しさをストレートに表す。内面から美しさがにじみ
出るのである。

 何も最近の女性が心が醜いというわけではないが、思わず振り返って見とれ
るような女性を見かけない。

 ご時世なのか??


 本信を作成していて、ふッと、少し前に東京メトロで乗り合わせた、それこ
そ五月のそよ風のように涼しげで爽やかな女性を思い出した。

 その時、暫し一瞬思わず見とれてしまったのである。


 疲れているのかも知れない・・・? と思わず一人で苦笑いをしてしまった。




 それではまた次回に!!











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